表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

218/684

取り巻きに事情聴取

誤字脱字などの報告は感想欄にお願いします。


 さて、この桐谷バカの取り巻き達のところへと向かう事になったのだがどこにいるのかさっぱり分からない。こんな事になるならタカシ君に聞いておけば良かった。まあ、少なくとも勇者であるから誰かに聞けばわかるだろう。そう思い適当に近くにいた人に聞いてみると救護施設テントにいるそうだ。



 そういや、桐谷バカに斬られたんだっけ?


 今頃彼奴ら発狂してんじゃねえのか?


 なんせ、好きな人に斬られたんだから。


 うーむ、このまま行って良いのだろうか?


 ………俺関係無いからいいか!



 救護施設へと向かい歩き出す。救護施設は他のテントよりもかなり大きかった。戦争をすれば負傷者が多数出ると想定して建てられたのだろう、当然のことだ。とにかく中に入ってこの桐谷バカについて聞かなきゃな。中に入ると結構な人数がいた。どうやら、この桐谷バカが暴れた所為らしい。回復魔法を施している人達は目が回るほど忙しそうにしている。



 回復魔法を使える人少なくないか?


(もしかして回復魔法を使える人が負傷者なのでは?)


 ああ、納得。


 確かにそれらしい服を着た人がベットで寝てるもんな。


 うむ、治してやるか。


(ショウさんって回復魔法を使えたんですね)


 まあ、エクスカリバーの魔法の鞘があればいらないかなと思ってたんだけど覚えておいて損は無いからな。


(まあ、そうですね)



 適当に近くにいた負傷者に回復魔法を掛ける。見る見る内に傷は塞がり完全に元通りになっていた。桐谷バカを引き摺りながら先へ進むついでに負傷者達に回復魔法を掛けて行く。意識のある奴は俺に気付いて何度もありがとうと言ってきた。少しむず痒くなったがお礼を言われると素直に嬉しいと思った。



 てか、取り巻きがいなくね?


(一応勇者なら別室とかじゃ無いんですか?)


 あー、成る程ね。


 ちょっと聞いてみるか。



「あー、すいません。勇者の神田留美、緋村楓はどちらにいるのでしょうか?」



 俺は回復魔法を掛けている看護婦らしき人に話し掛ける。その人は俺の方を振り向くと口を手で塞いで固まる。答えたく無いのかと疑っていたがすぐにその疑いは晴れる事になった。



「え、英雄様………」



 英雄様って今言ったよね?


(言いましたね〜)


 しかも、震えながら指してる指は俺に向いてるよね?


(向いてますね〜)


 こ・れ・は!!!


 俺の時代キタか?


(来ましたね〜)


 反応薄いな変態幽霊は。


(そうですね〜、私は変態じゃ無いです〜)


 あっそ。



「あー、えっと、勇者達はどこにいます?」


「あっ、ははい! 勇者様達は隣のテントにいます。あちらは幹部達が運ばれるテントなのであちらにいると思いますよ」


「そうっすか。ありがとうございます」


「い、い、いえ。滅相もございません!!」


「えっと、じゃ、じゃあお仕事頑張ってください」


「あ、ああありがとうございます!!!」



 凄えな。


 90度頭を下げてるぜ。


(見事なお辞儀ですね)


 まあ、取り巻きがいるところはわかったから行くか。



 テントを出て横に行くと同じ様にテントがある。ただ、少しこちらの方が小さい。まあ、幹部達専用って言ってたからだろう。幹部って数は少ないのか。さっさと中に入ろうっと。



 中に入ると驚いたのが装飾がしてあることだった。先程のテントは殺風景だったのにこちらは無駄に装飾してある。流石は幹部御用達だ。ていうか、よく見たら個室みたいになっている。真ん中が廊下みたいになっており両側に扉がある。勇者達の部屋を見つけて中に入ると看護婦が1人ずつ付いていた。



 そもそも勝手に入ってよかったのか?


(そうですね。一言申し上げた方が良かったんじゃないですか?)


 普通はそうだよね?


 まあ、気にせず行こう。



「え、えっーと。ちょっと勇者達に用があるんですけどいいですか?」



 てか、看護婦さん達さっきの看護婦と同じ様な反応してるんだけど?


(確かタカシさんがショウさんの戦いは生中継されてたって言ってましたよね。という事はショウさんの事わかるんじゃないですか?)


 おお!


 言ってたな!


 すっかり忘れてたわ!!!



「その、今いいっすかね?」


「あっ、えっとその、先程まで混乱されてらしたので出来ればもうしばらくお待ちして頂けると有難いのですが」



 マジか!!


 どうするよ!?


(ここは英雄の特権を使いましょう)


 どういう特権だよ!


(大事なことなんだ席を外してくれって言えば行けます)


 よし!



「悪いけど大事なことなんだ。出来れば席を外してくれないか?」


「は、はい!!」



 2人の看護婦はすぐに部屋から出て行った。看護婦さん達も居なくなったから2人を叩き起こす。2人はゆっくりと起き上がり目を擦る。



 くっ!


 美少女だから絵になるぜ!!


 性格はクズだがな!



「おい、寝ぼけてないで起きろ」


「むっ、その声は山本か!?」


「ああ、そうだよ会長。とりあえず話が聞きたいんだ」


「話とは?」


「こいつのことだ」



 俺はグレイプニルでぐるぐる巻きにしている桐谷を2人の前に出す。2人は桐谷を見て驚くがすぐに落ち着き俺の方へと向き話を続けてくる。



「だ、大輝の事が聞きたいのか?」


「当たり前だろう。なんでこいつは暴れ出したんだ?」


「それが全く分からないんだ……」


「はあ? 分からないってお前」


「楓さんの言ってる事は本当です。思い当たる節が無いんです……」


「なんじゃそりゃ? 何か無いのかよ。例えば……こう、なんか怪しい奴から何か貰ったとか、敵から魔法を受けたとかさ?」


「……一つある。確か戦争の準備をしていた時に大輝は聖剣を頂いたそうだ」


「桐谷に聖剣を与えた奴は分かるか?」


「いや、私達はその人物には会ってはいないんだ……」


「そうか……でも、まあ原因はその聖剣だろ」


「なっ!? そうなのか!?」


「まあ、絶対とは言い切れんが大方当たりだろう」



 とりあえずグレイプニルを解いて桐谷が腰に差してある剣を取らないとな。しかし、直に触ってしまえば桐谷みたいに俺が暴れてしまうかもしれない。とりあえずマジックハンドを創りあげる。100均などで毎度お馴染みマジックハンドの完成である。マジックハンドで剣を掴み床に置く。何やら禍々しいオーラを放っている。ほぼ間違いなくこいつが原因だな。



 破壊しよう。


 それが一番だな!



 カラドボルグを取り出して聖剣に振り下ろす。しかし、聖剣は砕ける事は無かった。少しムッとなった俺は魔力を込めてカラドボルグを振り下ろす。それでも聖剣は壊れない。カラドボルグをしまいミョルニルを取り出して雷属性の魔力を込めて叩き折る。今度はうまくいったようで聖剣は音を立てて砕けると光の粒子となり消えた。



 おおう、ファンタスティック!



 聖剣が消えると今まで眠っていた桐谷が目を覚ました。



「ん、ここは……」


「だ、大輝!!」

「大輝さん!!」


「あ、あれ二人共どうしたの?」



 ヤヴァイここにいたら人を殺してしまいそうだ。



 俺は早々とテントから出て行った。

次回波乱の予感!!


出来れば感想を………


では次回を!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ