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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

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一騎打ち⑤

誤字脱字などがありました感想にお願いします。

 ガ・ジャルグとガ・ボーの二本の槍で猛攻を続ける。ヴァイスは相変わらず躱すだけで反撃をして来ようとしない。何かの罠かと思うがもうそんな事はどうでもいい。なんとか夜までに決着をつけたい。俺はそう思い槍の突く速度をさらに上げて突きを繰り出す。ヴァイスは段々と避けるのも紙一重になり小さな傷が増えて行く。僅かにだがダメージは与えれている。このまま夜までに倒し切る。それ以外に俺に勝つ術はない。



 焦っていた俺は周りの変化に気付けずにいた。そう、いつの間にか日は沈み月が夜を支配していた事に。俺は夜になった事に気付けずに二本の槍で猛攻を続けていたがヴァイスに二本の槍を両脇に挟まれる様に止められる。引き抜こうとしたがビクともしない。まるで、万力に挟まれたような力だ。振り払おうとしても動かない。



「ショウよ、我が輩の勝ちだ……」


「何言って………ッッッ!!??」



 言われて初めて気付く。すぐ様空を見上げると星一つない夜になっていた。そして、ヴァイスの背後に月が見える。つまり、ヴァンパイアの本領発揮出来る夜になったということ、即ち俺の敗北。



「悪いが手加減はしてやれぬ。安心しろ、ショウ。痛みもなく楽に殺してやる」



 ヴァイスがそう言うとヴァイスの全身から今までの比じゃない量の魔力が溢れる。こいつはやばい、何がヤバイかって言うと説明するのが難しいが親友を殺されて切れて金ピカになった人くらいヤバイのよ。アレのヤバさはマジヤバイ。読んでた俺もこれは凄いってほどだったから。てか、今はそんな事はどうでもいい。とにかく槍をどうにかしないと。



 ぐっ!!


 ぬぅうううう!!


 でやぁあああああ!!!


(なんで心の中で叫ぶんですか?)


 なんとなくよぉおおお!!!


 ダメだ、抜けないお。



「ぬぅぇい!!!」



 槍を抜こうともがいていたら突如槍と一緒に持ち上げられてぶん投げられる。数百メートル程空を飛び、正確に言えば吹っ飛んでるが正しいのだけど。まあ、数百メートル吹き飛んだ後地面に激突して転がる。しかも、最悪な事に槍を手放してしまった。起き上がろうとした所にいきなりヴァイスが目の前に現れて顔面を掴まれそのまま後ろに倒される。顔面を掴んでいる手を掴みへし折ってやろうと思ったらアイアンクローされながら持ち上げられる。



 痛い痛い!!!


 ちょっ!


 マジ痛いって!!


 離せって!!



 俺の心の声は届かずにミシミシと頭を潰されそうになる。このままだとトマトのようになってしまう。冗談では無い、なんとかして逃れようと魔力化を施す。



「炎神!! 風神!! 煉獄嵐装れんごくらんそう!!」



 火と風の二つの魔力化を施してなんとかアイアンクローから逃れることに成功する。あのままいってたら俺の頭は潰れたトマトよりも酷いことになっていただろう。



「むっ……外されたか」


「マジ許さねえ。こっから俺の番だ!」



 ヴァイスへと風で激しさを増した炎の拳を放つ。しかし、ヴァイスはいとも簡単に拳を受け止める。拳がダメなら蹴りはどうだと蹴り上げるも防がれる。一旦離れようとしたら掴まれていた手が凍り始める。炎を凍らせるってどんだけですか? などと考えていたらそのまま手が砕かれる。



「ふん!!!」



 バキィンと音がしたら俺の手は無くなっていた。



 しかーし! 魔力化をしている時の俺は基本不死身だ!!


 よって、再生開始です。



 炎が手を形成する。これで元に戻っても大丈夫です。結構チートなのが魔力化なのです。ヴァイスはその光景を見ていたが別に何とも思っていないらしく攻撃を仕掛けてくる。ヴァイスの拳は俺の腹を突き抜ける。今の俺は魔力を纏った攻撃ではない限り物理攻撃は効きません。そのままヴァイスに肘打ちを喰らわせて距離を取る。



「厄介だな……」


「お前もな」



 しかし、困ったものだ。俺は炎と風で威力倍増させた拳や蹴りが全く通用しない。てか、向こうノーダメージやし。これ、本格的に俺の負けちゃう?



 ヴァイスへと走り飛び蹴りを放つが防がれる。着地と同時に足払いをするも飛んで躱される。上に飛んだヴァイスはかかと落としをして来るが魔力も纏わせて無いので避けることもせずにカウンターで顔面に拳をぶつけてヴァイスを飛ばす。顔面が焼けたはずなのだが再生する為綺麗なままである。再生も厄介すぎる。再生出来ないほどに滅多斬りにするかと思ったがそれでは殺してしまう。では再生出来なくなるまで魔力を消費させるしかないがほぼ不可能である。本当に困った、これでは打つ手なしである。



「ふむ、仕方ないか……」


「ん?」


「ショウよ、光栄に思うがいい。この姿を見せるのお主で二度目だ」


「最初は誰だよ?」


「先代魔王だ」


「えっ?」



 拍子抜けていたらヴァイスの身体から魔力が溢れ出してくる。しかも尋常ではない量の魔力が滲み出て来ている。もしかして変身するパターンじゃね? どうやら当たりらしくヴァイスの髪の毛が血の色のような赤色に染まり目は銀色に輝き山羊のような真っ黒い角が生えて来た。そして、バサッと背中から翼が生えた。何ていうか本物の魔王っぽくなりました。てか、魔王なんですけどね。禍々しさを増した所為でかなり怖たん。何故かヴァイスの身体の周りには黒い雷みたいなのがバチバチしてる。



 これは………。


 ヤバイんじゃね??


(魔力も先程と打って変わって大分強くなりましたよ?)


 土下座したら許してくれるかな?


(何、諦めてるんですか!!)


 いや、待て!!


 まだ変身は完了してなさそうだ!!


 ここで決めるぜ!!!



「スキありぃいいい!!!!」



 全力を込めた蹴りをヴァイスの腹に決めた。



「グホォッ!!!」



 ヴァイスは変身が丁度終えたらしかったのだが不意打ちにより数百メートル以上吹き飛んだ。



(さ、最低です!! せめて変身するまで待つのが礼儀というものでしょう!!)


 今は殺し合いの最中なんだ。


 敵が待ってくれると思うか?


 答えは否だ。


 俺はいつも思ってたどうして変身モノの敵は変身するまで待つのだろうと………。


 変身する前に攻撃すれば勝てるではないか。


 演出?


 そんなもの糞食らえだ。


 今俺は本当に戦ってるんだ。


 そんなもん知るか。


(最悪です………)



 ヴァイスの方を見てみるとどうやら相当なダメージだったようでフラフラと立ち上がっている。



 グヘへへへ。


 このまま畳み掛けてやる!!

変身モノはやはり変身してる時に攻撃するのがなんぼです。



では次回!

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