表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

207/684

明日に備えて

「来い、クロ」


「あぁん??」


「呼ばれてすぐに威圧してんじゃねえよ。そういや、お前今まで何してたの?」


「ずっと寝てたわ。それで何の用だよ?」


「ああ、ちょっと今後の事について話そうかなっと」



 クロと話し合おうとしたら懐かしい声が聞こえる。正確にはどこかで叫んでるようで聞こえてきただな。だが、この声はヤバイ。何がヤバイって言うとリズさんです。まさか、追っかけてきたのか、だとしたらヤバイ。このままでは見つかるのも時間の問題だ。急いで何処かに隠れよう。



「クロ!! 隠れるぞ!!」


「ああ? なんでだよ?」


「訳は後で話すから!!」


「でも、隠れるってどこによ?」


「どっかのテントにだよ!!」



 慌ててクロを連れ陣地を走り回る。どこかのテントに隠れなければ確実に殺されてしまう。いや、殺されるならマシだ。下手をしたら拷問された挙句に殺されてしまうかもしれない。



 そんなのは嫌だ!!


 どこか!?


 どこか無いのか!?


(大人しく捕まればいいじゃないですか)


 うるせえ!!


 くそっ!!


 こうなったら魔力化して逃げる!!



「風神、雷神!! 疾風迅雷!!」



 風属性と雷属性の二つを纏いクロを連れて森の方へと逃げる。結構陣地から離れてしまったが問題は無いだろう。とりあえずクロと話し合おう。



「クロ、お前に頼みたいことがある」


「何だ? 言ってみろ?」


「ヴァイスに俺と一騎打ちをして欲しいって伝えて来てくれ」


「はあ? 日時は? 場所は?」


「ヴァイスに任せるって言ってきてくれ!」


「お前なぁ………まあ、わかった。とりあえず行ってくる。帰ってくるまで待ってろ」


「すまん!」



 クロは茂みの奥へと消えていった。さて、これであとはクロが帰ってくるまで待つだけとなったが陣地に帰ればリズさん達に鉢合わせする可能性がある。それではいけないと思い異空間からテントを取り出してテントを張る。とりあえずこれで安心なので寝ることにした。



 ふと、目が覚める。



 テントの外に出てみるともう日が落ちて夜になっていた。まだ、クロは帰ってきてないようだ。腹が減ったので晩飯にする。適当に異空間から調理道具を取り出し食材も取り出し晩飯を作る。ぼっちで食べるのは懐かしいな〜と思いながら焼き飯を食べる。てか、何気に外が寒い。時期的には冬なのかなと思いながら焼き飯を食べて行く。そう言えばこの世界って四季はどうなってるんだろう? 今まで考えた事も無かったな。でも、基本的には温暖気候だとは思う。今まで行った国では比較的に暖かった。肌寒いって言う時期は無かったから多分元の世界で言うと春辺りだろう。てか、そもそも今日が何月の何日かもわからないし曜日すらわからない。俺この世界の常識ほとんど知らねえや。よく生きて来れたな。まあ、冒険者やっててお金は稼いでたから生きて来れたんだろうな。



 それにしても寒い。お湯を沸かせてココアを飲む事にした。心まで暖かくなるなーと勘違いしながらココアを飲んでいると茂みの方から音がする。



「おう、帰って来たぞ」


「おかえり、それでどうだった?」


「ああ、人間の陣地から大分遠く離れた場所に荒野があるそうだ。そこで明日の日が最も高くなる時間に勝負だってよ」


「明日って早くね!?」


「こういうのは早い方がいいってよ。それと結構警戒されたぞ。罠じゃないのかって」


「まあ、確かに普通はそう考えるだろうな。じゃあどうやって取り付けて来れたんだよ?」


「ああ、ヴァイスがお前の事は信じれるからだってさ、敵になったのによく言うなと思っちまったぜ」


「そうか………すぐにリュードさんの所に行って報告するぞ」


「へいへい」



 クロと一緒にリュードさんのいるテントへと向かう。道中リズさん達に会わないかビクビクしながらテントへと辿り着いた。テントの中に入るとリュードさんだけがいた。ルドガーさんはどうしたのだろうかと思ったが先に一騎打ちの事を報告しよう。



「リュードさん、ちょっと話が」


「なんだ?」


「一騎打ちなんすけど明日になりました」


「なっ、随分と早いな。それで時間と場所は?」


「時間は日が最も高くなる時間で場所はここから大分離れた場所の荒野です」


「ふむ、そうか………。ショウ君、君には悪いが万一に備えて伏兵を待機させようと思う」


「それはダメです。この一騎打ちは俺を信用してくれたヴァイスのおかげで承諾されたんです。それを裏切るような事は出来ません」


「しかしだな、これは戦争なんだ」


「…………ならば俺は貴様等も敵と見なして殺すぞ?」



 多分かなりの殺気を放ってると思う。リュードさんは表情こそ変えてはいないが額から汗が流れている。



「わ、わかった。君を信じよう」


「あざぁーす!! それじゃ俺は明日に備えて寝ますんで、おやすみっす」


「ああ、おやすみ」



 テントから出て行き空を見上げる。明日はヴァイスと一騎打ち。勝てるかどうかはわからない。でも勝たなきゃいけない、勝ってヴァイスに全てを打ち明けて黒幕をぶっ殺す。



 さてと、テントに戻って寝るとするか……。

次回遂にバトルの予感?


では次回を!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ