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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

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魔王城に帰宅

「ね、姉さん!!! な、なな何をやってるんですかぁあああ!!!!」


「い、いや、英雄様がて、手合わせしてくれるって言うからさ、つい?」


「なんで疑問系なんですか!!!」


「だって、英雄様が!」


「だっても、何も無いですよ!!」


「うぅ……」




 ロザリーさんはロゼッタさんに怒られて不貞腐れている。まるで子供のようだなと思っていたらロゼッタさんが俺の方へと向かい歩いてくる。様子からしてまだ怒っているようだ。まさかと、思うが俺も怒られるかなと予想していたら案の定怒られた。



「ショウ様もショウ様です!! 何故手合わせなどしたのですか!!??」


「い、いや、俺は別に手合わせをしようとは言ってないんすよ?」


「じゃあ、なんであんな事になってるんですか!!??」


「それはロザリーさんが無理矢理……」


「姉さんが無理矢理?」


「そうなんすよ。溜息を吐いたと思ったら急に仕掛けて来て止む無く抵抗した結果がこれなんすよ」


「事情は分かりました。ですが、もう少し被害を抑えられなかったのですか?」


「いや、結構ロザリーさんが強くて……」


「最後の方見てましたけど、あの姉さんを軽々と捕まえて尚且つ姉さんが攻撃を仕掛ける前に剣で止めてましたよね? 何故最初からそうしなかったのですか?」


「そ、それはそのロザリーさんの実力を見たくて……」


「ショウ様………あまり、こんな事は言いたくありませんが少しは周りの事を考えて下さい」


「はい……」



 ロゼッタさんはそれだけ言うとロザリーさんを連れて色んな人達の所に謝りに行った。俺はと言うとポツンと一人で突っ立っていた。その時肩を叩かれて振り返るとガストンさんが立っていた。



「おい、ショウ! どういうことだ!? お前アルカディアにいた時よりも数倍強くなってるじゃねえか!」


「え、えぇまあ、それなりには」


「もう人類最強はお前じゃねえか?」


「そんな事は無いんじゃないすか?」


「いや、俺の知る限りではお前が一番強いぜ」


「でも、リュードさんがいるじゃないですか」


「確かにリュードも強いがお前ほどじゃねえ。と言ってもリュードもあのアルカディア内戦以来かなりレベルアップしてくるがな」


「そうですか」


「おうよ。俺も強くなったがお前には負けちまうな」



 ガストンさんはもう一度俺の肩を強く叩くと笑いながら去っていった。どうでもいいけど叩く力強いんだよね。すげえ痛いんだけど。それにしても会談はまだ終わらないのか。暇過ぎて欠伸が出るわ。



「眠そうだね」


「フリードォオオオオオオオ!!!」


「ぐはぁっっっっ!!!」



 俺の前に姿を現せたフリードを見て鳩尾に拳を叩き込みそのまま吹き飛ばす。フリードは身体をくの字に曲げて数十メートル吹き飛んで行った。よくも、まあ俺の前に姿を見せれたものだ。ロザリーさんに仕掛けられた時一目散に俺を置いて逃げやがったのに。



 あれ?


 死んだか?



 数十メートル先で動かないフリードを見て不安になり走って見に行くとピクピクしながら倒れていた。どうやら死んではいないようだ。危うく殺してしまう所だったな。気を付けなければいけないな!



「おーい、生きてるか?」


「……なんとか……」


「情けないなー、ほれ『ヒール』」


「治してくれたのはありがたいけど、原因は君だからね」


「何を言うか! テメェがあの時一目散に逃げたからだろうが!」


「馬鹿言うなよ! あの時逃げて無かったら巻き添え食らって死んでたよ!!」


「あのくらいで死にはしねえよ!」


「君と一緒にしないでくれ!」



 しばらく言い争っていたがどうでも良くなり言い合いを辞める。



「なぁ、フリード。俺が来てから何時間経つ?」


「うーん、2、3時間は経ってるんじゃないかい?」


「そんなに経つか?」


「うん、まあ、ロザリーさんとの手合わせがあったからね」


「あーなるほどね」


「それよりどうするんだい? もうすることなんて無いよ?」


「それもそうだなぁ」


「何がそうなのだ?」


「うおおっ!? ヴァ、ヴァイス!! 会談は終わったのか?」


「うむ、ほんの少し前に終わってな、ショウを探していたのだ」


「そうだったのか。それで、どうなった?」


「それは後でミランダと共に話す。魔王城へ帰るぞ」


「ああ、分かったよ。そういう事だから、じゃあなフリード」


「ああ、またね」



 またね、か。


 次会う時は戦場じゃ無かったら良いんだがな。



 口には出さずに手を振りその場を後にした。ヴァイスの後について行くとミランダさん、リュードさん、ルドガーさん、ナイザー団長の四人が待っていた。少し世間話をしたかったが別れの挨拶をして陣地を後にした。



 陣地から大分離れた所に軍用ハマーが止めてある。俺たちは軍用ハマーに乗り込み魔王城へと帰る。帰りの道中は行きとは違い重苦しい雰囲気だった。口を開こうにもヴァイスは腕を組み俯いておりミランダさんはずっと窓の外の景色を見ていて話をする雰囲気では無かった。



 そんな重苦しい雰囲気の中魔王城に辿り着く。俺たちは軍用ハマーから降りるが少し違和感を感じる。



 何故誰も出てこない?


 気配がない?


 何かあったのか?


(おかしいですね。リーシャさん達なら私達が帰ってきたことに気がつくと思うんですけどね)


 ああ、確かにな。


 トイレか?


(馬鹿ですか? リューネちゃんにラニちゃんもいるんですよ? 誰か出て来てもおかしく無いのに出てきてないんですよ?)


 ………なんか嫌な予感がするな。

ふむ、この後の展開は……


では次回を!!

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