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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

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懐かしの面々②

 しばらくロゼッタさん、ロザリーさん、ガストンさんを交えて9人で話していたのだが後から来た5人は武器の手入れがあると言ってこの場を後にした。ロザリーさんがしつこく俺に手合わせをしろ、と言ってきたがロゼッタさんにより助けられた。それから程なくして3人も自分達の元いたテントへと戻っていった。残ったのはフリードのみ。



「なんでお前だけなんだよ!!」


「仕方ないじゃないか! 僕はもう武器の手入れは終わってるからやる事無いんだよ!」


「友達いねえのか!!」


「いるけどみんな武器の手入れや魔法の特訓で忙しいんだよ!」


「ああっ! 早く会談終わらねえかな!」


「そう言ってもね、今後の展開に左右する事だから時間はかかるだろう」


「あー、確かにな」



 それにしちゃ長くない?


 俺とフリードが話してから1時間は経ってるよ??


 仲良くお茶でもしてんじゃねえだろうな。


(流石にこの状況でお茶は無いでしょう)


 それもそうか。



「おい、フリード」


「ん、なんだい?」


「お前レベル幾つ?」


「そんなに高くないよ。僕は128だよ」


「いや、結構高いじゃねえか」


「そうでもないよ。さっきまでいた5人は全員150超えてるからね」


「たっか! なんでそんなに強くなってんの!?」


「君も知っての通り伝説の魔獣復活事件のせいだよ。アレのおかげで皮肉にも自分達の無力さを感じたからね」


「ああ、そうか」


「君も知らないだろうけど僕やさっきの5人も伝説の魔獣と戦ったんだよ。結果は一撃で戦闘不能にされちゃったけどね」


「ルドガーさん以外はやられてたな」


「それで君は幾つなんだい?」


「俺のレベルは850だ」


「はっ、850だって!? じょ、冗談だろう!?」


「ほれ、ステータスカード」


「………本当だ、一体どれだけの修羅場をくぐり抜けて来たんだよ」


「そうは言ってもアルカディアでの内戦とアルツェイルの古代兵器を止めたくらいだぞ」


「えっ!? アルツェイルの古代兵器も君の仕業なの!?」


「まあ、な」


「でも確か噂だとエルフの奴隷の主人って聞いたんだけど?」


「ああ、それは俺の友達だ。途中まで一緒に戦ってたんだよ。最後は俺一人で倒したけどな」


「そうだったのか……」


「あ、そうだ! そのエルフの奴隷を連れた奴見なかったか?」


「確か勇者部隊について行ったよ。あっちはかなりの実力者で揃えてるからね。確かヴァルキリアと三国王のゼオン様も一緒だよ」


「ま、マジか」



 よかったぁああああ!!


 リズさん達と会わなくてええええ!!


 もし会ってたら殺されてたな、きっと!


(わたしは会いたかったです)


 お前は黙っとけバーカ。


(なっ、バカって言った方がバカなんですぅ!)


 あーはいはい。



「じゃあ、もうこっちには俺の知り合いいないのか?」


「こっちにはナイザー団長と三国王のニルナさんくらいじゃないかな?」


「うーむ、あまり接点がない2人だな」


「ニルナさんとは戦ったんじゃないのかい?」


「そういやそうだったな」


「どうだった? やっぱり強かった?」


「その時は強く感じたけど今なら余裕かな?」


「無茶苦茶だね……」



 俺がフリードとたわいも無い話をしている時に背後から忍び寄ってくる気配を感じ取る。誰かと思い勢いよく振り返るとまたもや懐かしの人達に出会えた。



「カルナさん、ジューダスさん!」


「やあ、久し振りだね、ショウくん」


「ひっさしぶりー! 元気にしてた?」


「ははっ、まあボチボチ元気にやってましたよ。そちらの方は?」


「ああ、君のおかげで今もカフェを経営してるよ」


「また、来てね!」


「ええ、是非!」


「そういえばルネとは会ったかね?」


「いえ、ルネとは会ってませんね」


「ルネってば君の事探しにシエルちゃん達と一緒にアルカディアに行ったんだよ」


「それは知ってますよカルナさん」


「えっ!? なんで?」


「クロから聞きましたから」


「へぇーそうなんだ! ていうか生きてるなら生きてるって伝えて欲しかったな」


「そうだね。あの時君は爆発に巻き込まれて死んだのかと思ってたよ」


「まあ、死にかけはしましたけどね〜。そう言えばどうして2人はここにいるんですか?」


「わたしは少しでも罪を償う為かな。と言っても償えるとは思ってないがね……」


「そ、そんなことないっすよ」


「わたしは空間属性持ちだからだね!」


「なるほど〜」


「てか、ルネ達は戦争には参加して無いんですね」


「ああ、まだ学生だからね。流石に戦争には参加出来ないよ」


「ん? でも俺を探しにアルカディアに行ったんすよね? 学園はどうしてたんすか?」


「ああ、それは私の所為で休校になってたんだよ。今はルネもシエルくんも学園に通ってるよ」


「そういうことっすか」


「さて、それじゃあ私達は行くよ」


「じゃあね〜!」


「ういっす!」



 ジューダスさんとカルナさんはテントの中へと入って行った。カルナさんとは戦ったから強いって分かるけどジューダスさんは強いのか? と思ったけど昔冒険者してたからそこそこ強いのだろうという事にした。



「あの人達は知り合いなのかい?」


「ああ、アルカディアで世話になった人達だよ」


「へぇ、君は知り合いが多いね」


「まあ、旅をしてるからな」


「ハハッ。僕も君みたいに自由に旅をしてみたいね」


「すればいいじゃないか?」


「そう簡単には行かないよ」


「どうしてだ?」


「色々と理由があるんだよ」


「そうか……」



 深く聞かないでおこう。暇だからフリードに陣地を案内してもらう事にした。別に観光出来るわけではないがあまりにも退屈だったので散歩がてらに陣地を歩き回った。途中、嬉しい誤算があった。何人かの可愛い女の子に話しかけられたことだ。一応黒髪の英雄だからね!



 英雄万歳!!

あと一話で200ですね〜

頑張りまーす


では次回を!

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