いざ出発
「はっ!?」
「ようやく起きたか」
「く、クロ! あれ? 俺は?」
「お前風呂場で死にかけ俺高笑い」
「助けろよね……」
「大丈夫だ。ヴァイスがここまで運んできてくれたから」
「そうか……」
と言うことは俺の裸を見たのはヴァイスだけか!?
(いえ、バッチリミランダさんが見てましたよ)
ぬわぁああああああああ!!!!
(あらあら、うふふって微笑んでましたね)
ぴぎゃぁあああああああ!!!!
(まあ、リーシャさんには見られてないから良いんじゃないですか)
良くねえぇよぉおおおおおお!!
(うるさい人ですね〜、でもいつかは見せる時が来るんですよ?)
うっ………。
そうなんだよな。いつかは見せる時が来るかもしれないんだよな。その時は恥ずかしがってちゃいけないよな。いや、でも初めてなんだから恥ずかしがってても良くね? てか、本当にそんな時来るの? 俺にそんな一世一代のチャンスは来るの?
なんかめちゃ不安なんだけど。
「おい」
「ん?」
「とりあえず服着てヴァイスの所に行くぞ」
「えっ? なんで?」
「話は後だ。さっさと着替えろ」
クロに言われて着替えるとヴァイスの元へと向かう。途中クロに理由を聞いたが知らないの一点張りだった。ヴァイスの事だから重要なことなのだろうと予想しつつヴァイスの部屋へと入る。
「うむ、起きたかショウよ」
「ああ、ところで何の用だ?」
「………お主が寝てる間に人間軍の方で動きがあった」
「なに!?」
「軍が二手に分かれたのだ」
「二手に? どうしてだ?」
「さあ、その理由は分からんが二手の内1つは真っ直ぐここへと向かって来ておる。もう片方は城下町の方へと向かっているらしい」
「おいおい、どうするんだよ?」
「うむ、各地に連絡はしてある。一応戦闘態勢は整ってある。万が一仕掛けて来た場合は戦闘になるだろう」
「そうか………」
「だが、まだ戦争が始まったわけでは無い。これから我が輩とミランダ、それとショウ、この三人で敵軍に交渉をしに行く」
「俺も行くのか?」
「人間がいた方が向こうも警戒しないだろう」
「そんなもんか?」
「まあ、もしかしたら罠だと思われるかもしれんな」
「んー、まあ確かにな」
「さて、今更考えても進まない。これより、我が輩とミランダ、ショウの三人ですぐに出るぞ」
「今からかよ!? 準備は?」
「走って行きたい所だがミランダは我が輩達に付いて来られぬ。だから馬を用意する」
「………なら、俺がある物を用意してやる。すぐに城の外へ出ろ」
「む? わかった」
ヴァイスはマントみたいなのを羽織ると外へ出て行く。その後に俺が続き玄関の方へと出て行くとそこにはミランダさんが待機していた。ミランダさんは既に準備が出来ていたようだ。それとミランダさんの横にはリューネとリーシャとラニ、ヴォルフさん、ミックさん、ザードさんの6人が立っていた。
「ミランダよ、大丈夫か?」
「ええ、もちろんです。出発するのですか?」
「うむ、ヴォルフよ、城の事、皆の事頼んだぞ」
「任されよ」
「パパ上〜〜!!」
リューネがヴァイスへと飛び付く。ヴァイスはそれを受け止めリューネの頭を撫でている。
「パパ上……本当に戦争するの?」
「人間と話して見ない限りそれは分からない。だが、パパ上が戦争など止めて見せるぞ! それにショウもおるしな」
「うん!! ショウも、頑張って!」
「ああ、出来る限りは頑張るよ」
ヴァイスがリューネを下ろすとリューネはラニ達の所へと駆けて行った。リーシャさんがこちらへと近付いて来るとヴァイスに抱き付いた。やっぱり親子だな。こういう時は素直に羨ましいと思う。
「お父様、お母様、どうかご無事で帰ってきてください。それとショウ、貴方も」
「フゥハハハハハ!! 必ず全員で帰ってくるさ」
「ええ、何も心配しなくていいわ」
「了解っす」
リーシャさんは俺たちの言葉を聞いて微笑む。その顔を見てめちゃくちゃ綺麗だと心の底から思った。
ん?
そういや、フーがいないな?
どこに行ったんだ?
ラニに聞いてみるか。
「ラニ!」
「な、何?」
「フーを知らないか?」
「あっ、そういえば見てない……」
「そうか……」
「大丈夫だよ、きっと!」
何が大丈夫なのか知らないけど妖精のフーなら問題は無さそうだな。
「さて、行くとするか」
「でも、貴方馬は?」
「ああ、それなら俺が用意します」
俺は一足先に城を出てある物を異空間から取り出す。取り出したのは前の世界ではよく見かけていたもの。それは車です。最初はバイクを出そうと思ったのだが2人は動かし方を知らないので俺が運転出来る車を出したのだ。ちなみにこの車はATであるから簡単に動かせる。無免許なのだがこの世界では関係無い。一度運転してみたかったんだ!
「ショウよ、これは?」
「説明は後でするよ。二人とも乗ってくれ」
「え、ええ。お邪魔するわ」
俺は後部座席のドアを開けて二人を乗せると運転席に座りエンジンをかける。うはっ! テンション上がってきましたよ! ちなみに軍用ハマーです!! なんでかって行ったらこんな舗装もされてない道を普通車で走れるかって!
「さあ、二人とも出るぞ!」
俺は2人にそう言うとアクセルを踏み込みゆっくりと加速させて行く。スピードが出て来たところで一気にペダルを踏み込みさらに加速させて人間の軍がいる場所へと向かう。
前日は仕事が休み
ゲームばかりしてたら小説を忘れてしまう
本当に申し訳ない
では次回を!




