ラッキーなのかアンラッキーなのか……
食事を終えて部屋へと戻りクロにオルランドで起きた事件について詳しく聞いてみる。
「なあ、クロ。そのオルランドで殺された王女ってのはクリスか?」
「ああ、クリス・オルランドで間違いない」
「そうか。攫われた勇者って誰かわかるか?」
「確か……清水沙羅って聞いたぞ」
「なるほど、つまり桐谷がブチ切れたわけね」
「お前勝算あるのか?」
「とりあえず今のレベルなら負けないだろ」
そう言ってステータスを確認してみる。
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山本 翔 男 18歳[称号]異世界人・Aランク冒険者
Level 850
体力:300万/300万
魔力:420万/420万
知力:180万
筋力:250万
俊敏:220万
器用:210万
耐久力:280万
運:250
【スキル】
《武神》常時発動。ありとあらゆる武具武術において神の領域に達っする。ステータス補正、筋力、俊敏、器用、耐久力。物理的攻撃力八割上昇、物理的ダメージ八割減少。
《武具創造》己の知識にある武具を魔力を消費して創造可能。武器、防具、道具は性能により魔力消費量は異なる。
《異空間収納》別の空間に物を収納できる
《魔力化》魔法を体に固定させる事で魔力体になり、属性と同じ性質に変化する
《気配感知》常時発動
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相変わらず成長具合が半端無いな。
レベル850とかどんだけだよ。
まあ、魔獣殺したり、3万の軍勢と戦ったり、古代兵器とも戦ったからこれくらい当たり前かな?
よく知らないけど。
(いやいや、このステータスは凄すぎますよ)
そうか?
この世界の強い奴のステータスとかよくわからんからな。
(そうですねー。私の記憶が正しければ最も強かった人はレベルが1000超えてましたね)
マジか!?
やべえなそれ。
「おい!」
「どうした?」
「お前が急に黙り込むからだろ」
「そうか悪い」
「変態幽霊と話すのもいいが集中しすぎるなよ」
「すまん。そうだ、お前誰々戦争に参加してるか分かる?」
「把握してるのはルドガー、ナイザー、ヴァルキリーと勇者3人だ」
「おいおい、ガチ勢じゃないですか。勇者3人は雑魚だけど」
「勇者3人が誰かわかんのか?」
「どうせ、桐谷、神田、緋村だろ」
「ふーん、誰かわかんねえけど」
「アルカディアからは?」
「ガストンとチルと三国王だ」
「ふざけろ!! なんで三国王が出てくるんだよ!」
「知るかよ!」
「ああ、くそっ! アルツェイルは?」
「喜べ、タカシとエレノアだ」
「………勝てる気がしなくなってきた」
「いやお前、まずは話し合うんだろ?」
「まあ、な」
「最近お前脳筋になって来たな」
「俺もそう思う。とりあえずぶっ飛ばしておけばOKじゃね? って思うんだよ」
「まあ、人間は話し合いで解決出来なかったら武力で訴えるんだろう?」
「まあ、確かによっぽどの切り札が無い限りは武力介入だな」
「本当見てて飽きない奴等だよ」
しばらくクロと話していたらリューネが部屋へと戻ってくる。髪が濡れているので風呂に入ってたんだろう。リューネは俺を見るとタックルをするように抱き付いてくる。
「リューネ、せめて髪を乾かせ」
(私に私に変わって下さい!!!)
「えぇー」
「えぇー、じゃありません。はい、髪を乾かす」
「ショウが髪を乾かしてー」
「全く……ホラ、ジッとしてろ」
「はぁーい!」
とりあえずリューネを膝の上に座らして風属性と火属性を混合させて温風を出す。
「はい、終わり」
「えぇー! もっとー!」
「もう充分乾いただろ! ホラ早くどきなさい」
「ブーブー」
「じゃあ、俺も風呂入ってくる」
俺は部屋から出て行き風呂場へと向かう。脱衣所に入り誰も入ってないか確認をする。もし、入ってたら嫌だからな!! 別にリーシャさんやミランダさんなら構わないんだけど! いや、ミランダさんは人妻だから遠慮しとこ。
誰も入ってないのを確認すると風呂に入る。相変わらず馬鹿でかいなと思いつつ身体を洗っていると誰かが入ってくる。
「ヴァイスかー?」
「………」
「ん? おーい?」
「ショウ……」
この声は!?!?!?!?
「リーシャさん………えっ、あの? えっ?」
「ふふっ、ごめんね気づかなかったわ」
(嘘だ!!)
あばばばばばばば!!!
リーシャさんと風呂場に二人きりだ!!
やばいぞ!!
精神的ダメージがゲージを振り切る!!
(脆いですよ!)
うるせぇ!!!
精神を落ち着かせろ。
慌てるな俺!
落ち着け俺!
(もう、パニックじゃないですか)
「ねえ、背中流してあげましょうか?」
「い、いや、自分で洗えますから」
「いいから、遠慮しない」
強引過ぎるよぉおおお!!
足音が背後に!!
ふぉおおおおお!!
後ろを振り向けない!!
「ショウは………どうするの?」
「へっ? どうするって?」
「その、もし戦争になったらどちらの味方をするの?」
リーシャさんが俺の背中を流しながら震える声で聞いてくる。
「どうもこうも俺はもうヴァイスに出来る限り力を貸すって言ったから魔族の味方かな?」
「ほんと!?」
「本当ですよ」
「嬉しい、ありがと! ショウ!!」
後ろから抱き締めてくるリーシャさん。俺の背中にはリーシャさんのお胸様が当たっております。
あれ?
あれれ??
リーシャさんタオル巻いて無いんじゃね?
なんか当たってる感触が生々しいんだけど?
「あ、あの、リーシャさんタタタタタオル巻いてるんですか?」
「えっ? タオル? ッッッ!!! キャアアアアアアアア!!!」
「ぶべらぁ!!!」
どうやら、タオルを巻いていたらしいのだがいつの間にかタオルが落ちており裸で俺に抱き付いてしまったらしい。そして恥ずかしさのあまり俺を蹴飛ばした。
もちろんその威力は人間とは比べ物にならない物であり、俺は身体がくの字になり吹き飛んだ。たったの1撃で瀕死の重傷になった俺はパナケイアのネックレスを取り出し自分に付ける。傷が治ったのを確認した俺はそこで意識を失った。
(なんとも情けないオチですね)
サブタイトルが……本当毎回適当。
では次回を!




