表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

188/684

囮作戦

「さて、今回魔王を呼んだ理由だが」


「とある魔物の被害が酷いからだろう?」


「その通りだ。今まで見たこと無い魔物でな、頭は牛で身体は人間なのだ。それに知能も高く魔法も効かない。罠を張っても看破されてしまうわ、魔法で迎え撃ってもビクともしないわで救援要請を出したのだ」


「成る程、それで被害状況は?」


「既に複数の仲間が攫われている。奴は誰一人殺す事はしなかったが次々と仲間をさらっていったのだ」



 攫う?


 なんでや?


(ミノタウルスは女性を見ると攫って犯すんですよ?)


 なにぃ!?


(それにミノタウルスは昔魔族の一つでした。でも、そのあまりの素行の悪さに他の魔族によって滅ばされたんです、かなりの被害を出したらしいですけど)


 お前詳しいのな。


(ちょっとは役に立ったでしょう!)


 まあ、クロ呼べば早いんだけどね。


(原初のケット・シーのクロちゃんに知識で勝てる訳無いじゃないですか!!)


 お前は猫にも劣るな。


(酷いです!!)



「ショウ? どうした?」


「ん? その魔物は今どこに?」


「森を抜けた所に洞窟がある。その中に入っていくのを確認したから多分そこに住んでいるのだろう」


「ならば、すぐに行った方が良いのでは無いか?」


「そうだな、攫われた人達も助けなきゃな」



 ちなみに攫ったらすぐに犯すのか?


(はい、性欲の化け物ですから)


 ちくしょう!


 こんな可愛いハーピィ達がミノタウルスに犯されるなんて!!


(あれ? 人間じゃないんですよ?)


 バカヤロー!!


 人間じゃ無くても女の子に変わりは無いだろうが!


(とことん女性には甘いんですね。あれ? でも、私には厳しく無いですか?)


 俺にとって害になる奴は老人でも幼児でも女でも容赦はしない。


(つまり?)


 お前ウザい、コロス。


(………)


 今は置いといて、ミノタウルスは知能が高いって言ってたな。俺とヴァイスが来たらすぐに逃げるんじゃないのか?


(そうですね。囮を使えばわかりませんけど)


 囮って言ったってなぁ……。


 仕方ない。提案してみるか。



「少しいいか?」


「なんだ?」


「その魔物はどんな罠も看破するのか?」


「いや、まだ試してないものはある」


「囮か?」


「そうだ。しかし、私達では囮を使って誘き寄せたとしても勝てないから試してないだけだ」


「なら、俺とヴァイスが待機するってのは?」


「むっショウよ、それではハーピィ達が危険であろう」


「そうは言っても向こうは知能が高いんなら強い奴の判断できるだろ?? ってことは俺とヴァイスが行っても多分逃げられるぞ」


「それは確かに」


「うぅむ、なら私が囮に」


「わ、私にやらせてください!!」


「チ、チコ!?!?」


「お願いします族長様!! わた、私にやらせてください! お姉ちゃんの為にも!」



 お姉ちゃんの為にも??


 と言うことはお姉ちゃんミノタウルスに捕まったのか。



「いや、しかしだな」


「どうかお願いします!!」



 チコは族長に土下座をして必死に頼み込む。流石にここまでされたら族長も折れたようでチコが囮になる事を許可した。



 そして、現在俺たちはチコを囮にしてミノタウルスが出てくるのを待っている。俺は茂みの中に隠れてヴァイスは木の上に隠れて族長は空から見ている。出来るだけ怪しまれないようにチコは山菜を採っているように見せる。



 それにしても来ないな〜


(まあ、気長に待ちましょうよ)


 んー、気配感知でも何も感じないしなー



 ふと空を見上げ族長を眺める。いや、やっぱりエロい身体をしてますね。でも、羽を広げて飛んでいるところを見るとやはり人間じゃ無いなと思う。いくら、エロくても欲情は出来ないかな〜と思っていたら俺たち以外の気配を感じる。ヴァイスの方を向くとヴァイスも感じたようですぐに飛び出せるように戦闘態勢に入ってる。



 俺も神羅創世を羽織り実弾入りの黒蓮と白夜を取り出し戦闘態勢に入る。気配を感じてから大分経ったがまだ動きは無い。こちらを疑っているのだろうかと思いきや、猛スピードでこちらへ一直線に走ってくる。



 ヴァイスにアイコンタクトを送る。ヴァイスは頷くとチコの前へと飛び出る。ヴァイスが飛び出たと同時にミノタウルスが猛突進を仕掛けてきた。ヴァイスは真っ向から突進を受け止めようとするが吹き飛ばされてしまう。



「ヴァイス!!!」


「ブモォオオオオオ!!」



 飛び出すとミノタウルスは俺へと突進してくる。上に飛んで躱し空中からミノタウルスに発砲するがミノタウルスはその身体に似合わない速度で銃弾を躱す。



「んな!?」



 やばい!!


 空中じゃ身動き取れねぇ!!


 このまま落下したら奴の突進をモロに受ける!


(きゃあああ!! やばいですやばいですぅう!)



 障壁を張ろうにも間に合わない、そう思い突進を受けようと覚悟していたら何故か空中で静止していた。



 あれ?


 浮いてるぞ?


(よく見てください。族長さんが助けてくれたんですよ)



 変態幽霊に言われて上を見てみると族長に肩を掴まれていた。ただ、一言言わせてもらえば痛い。肩に爪が刺さってるのでとても痛い。



「あ、ありがとう」


「何故飛べないくせに飛んで躱そうとしたのだ!」


 怒られちった。


「スンマセン」


「これだから人間は!」


 何故そこで人間は! って出てくるのだろうか?


 やはり人間は飛べないから不便という訳かな?



 族長に下ろして貰いミノタウルスへと黒蓮と白夜を向ける。少し真面目に行かないと本格的にやばいな。

200まであと少しですね。


では次回を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ