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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

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乗っ取られた俺の身体

 いゃああああああ!!



 止まれぇええええ!!



 止めてぇええええ!!



(ぐふふふふ!! 私は止まりませんよぉおおおお!! 待ってて〜!! リューネちゃぁあああん!!)



 現在俺は身体の支配権を変態幽霊によって奪われている。変態幽霊は俺の身体を使いリューネに合法セクハラをする為に今城内を探し回っている。



 このままでは俺はロリコンのレッテルを貼られる!



 それだけは回避せねば!!



 動け!!



 動いてくれよぉおおおお!!



 頼むよ!!



 俺の身体ァアアアアアアアア!!!



(無駄無駄でぇえええす!!)



 ちくしょうぉおおおお!!



 どうしちまったんだよ俺の身体!!



 変態幽霊になんか負けてんじゃねえよ!



 どんなに頑張っても俺の身体は俺の意思を無視して城内を駆け回る。



 そして、リューネの部屋へと辿り着く。



「ぐふふふふ!! リューネたんの部屋に着きましたよぉおおおお!!」



 やめろ!!



 そんな事を大声で叫ぶな!!



(これは失敬。 でも、興奮が止まらない!)



 ロリコンめ!!



(いざ出陣!!)



 リューネの部屋の扉を力強く開く。そのまま中へと入るがリューネはどこにもいなかった。



「あ、あれ? リューネたんは?」



 ざまぁあああああ!!!



「探しましょう!!」



 変態幽霊は部屋を後にする。そして、再び城内を駆け回らずに今度は歩いてリューネを探す。



(むむっ!? どこにもいませんね……)



 そう、簡単にいてたまるか。



(まあ、焦らずゆっくり探しましょう)



 てか、お前いつまで俺の身体に乗り移ってんの?



(さあ?)



 ぶっ飛ばずぞ、てめぇ!



(今ぶっ飛ばしたらショウさんの身体にダメージが行くだけですから良いですよ〜)



 ちくしょう……。



(ん? あれは……)



 ん?? どうし……た……。



 廊下の向こうから歩いて来るのはリーシャさんだった。リーシャさんも俺に気付きこちらへと歩いて来る。しかし、今はやばい。何故なら俺の身体は今変態幽霊に乗っ取られているのだから。



 頼むから変な事は言うなよ……。



(任せてください!! 完璧にショウさんを演じきってみます!!)



「やあ、リーシャ。 相変わらず綺麗だね」



 俺ではなく変態幽霊は軽く片手を上げながらリーシャさんにとんでもない発言をしやがった。いや、確かに綺麗なのは間違いない。しかし、俺はこんな事を軽々しくは言わない。リーシャさんも突然、綺麗だと言われて驚いたのか少し固まっている。



「ん? どうしたリーシャ?」


「え、えっと……その……ショ、ショウ??」


「どうした? 何かおかしかったか?」


「い、いえべべ、べべちゅに………」



(戸惑ってるリーシャたんも可愛いですね〜)



 それには同感する。



「おっ、そうだ。リューネを知らないか?」


「リューネ? あの子ならラニとフーの三人で隠れんぼしてるわ」


「そうか。ありがとう」



 そう言ってその場から立ち去ろうとしたらリーシャさんに引き止められる。



「あっ、ショウ。 その、さっき言ってくれたことは本当かしら?」


「さっき?」


「えと、その、き綺麗だねって……」


「ああ! うん。リーシャは綺麗だし可愛いよ」



 やめてぇええええええ!!



 俺はそんな風な事は言わないのぉおおおお!!



(楽しい!!)



 除霊してやるぅううう!!



 リーシャさんは顔を赤くしながら足早に去っていった。



(もしかして、リーシャさんは脈ありですか?)



 ……わからん。



(でも、あの反応だと脈ありだと思いますよ?)



 えっ? マジで??



(はい)



 いや、でも、普段綺麗だねとか可愛いねとか言わない人間が言ったから照れてるだけじゃね?



(はあ〜〜〜〜)



 何故ため息をつく!!



(もう少し自信を持ったらどうです?)



 無理だから。



(これは苦労しそうですね)



 なんだと? てめえ、やんのか??



 お? お? お?



 やんぞ?? コラ?



(さて、気を取り直してリューネたん探しに行きましょうか!!)



 再び城内を歩き回る。しかし、どこにもリューネの姿は見当たらない。



(おかしいですね……。先程から誰にも会いません)



 まあ、この時間帯は皆やる事やってるからなぁ。



 今は昼過ぎだから、ヴァイスにミックさんにヴォルフさんの三人は畑仕事をしてる。ミランダさんは部屋で本でも読んでるはずだし。



(なんだかつまんないですねー)



 仕方ないだろう?



 それに思い出してみろ。



 リーシャさんが言ってたろ?



 リューネ達は今隠れんぼしてるって。



 つまり、リューネ達はこの城のどこかに隠れてるんだよ。



(それなら、鬼役の子を探しましょう!!)



 城の中を歩き回り部屋を一つ一つ開けて見て回る。3階に着いた時、メイド服を着たラニがウロウロとしていた。



(メイド服ラニたんキタァアアアアアアアアア!!)



 ラニはこちらに気付いていない。変態幽霊はなるべく気配を消してラニの背後へと近付く。そして、気付かないラニに変態幽霊が取った行動は目隠しだった。



「だ〜れだ??」


「わっ!? えっ?えっ?? ショ、ショウ兄さん?」


「せいか〜い!」



 ラニがこちらへと振り返る。



「急にどうしたの?」


「いや〜ラニにイタズラしたくなったんだよ」


「イタズラって……」


「そうだ! 今隠れんぼしてるんだろ?」


「えっ? なんで知ってるの?」


「さっきリーシャから聞いたんだよ」


「そうなんだ!」


「なあ、俺も仲間に入れてくれないか?」


「いいよ! でも、今はフーとリューネを探してる途中だから」


「なら、俺も一緒に探そう!」


「うん、わかった! じゃあ僕はこっちを探すからショウ兄さんはそっちね!」


「おう!」



 ラニに指示された方へと向かいリューネとフーを探す事になった。



(ふひひひひ。待っててね〜リューネた〜〜ん!!)



 ………俺の身体。

寒い。

でもコタツがあるから最高です。


不定期更新ですがよろしくお願いします!!

では次回を!!

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