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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

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お化け

 さて、大分気分も良くなって来たので帰る事にした。みんな帰る準備をしている。帰る準備と言っても服装を整えたり別れの挨拶をしたりするくらいだけど。



 色々見てるとザードさんは妖精達からお酒を受け取っていた。どうやら、料理用として受け取っているみたいだ。



 ミランダさんもお酒を受け取っていた。それも、ザードさんが受け取っている数倍の数を。昨日あれだけ飲んだんだからいらないだろう。



 まあ、気にしても仕方ない。



 ラニとリューネは妖精達と別れを惜しんでいるようで泣

 いている。



 ふむ、そういえばフーが見当たらないな。



 フーを探していると妖精達の長老の所にフーを見つけた。何やら話しているようだ。



「ねぇねぇ、長老! 私、ショウに付いて行っていい?」


「貴方の望むようにしなさい」


「ありがとー!!」


「フフッ。でも、あまり迷惑を掛けてはいけませんよ?」


「はーい!」



 おっと、僕の意見を無視ですか。



 まあ、どの道、フーは無理矢理にでも付いてくるのだろう。今更どうこう言うつもりもないし。



 どうやら、全員の準備が整ったようだ。そろそろ妖精達とお別れか。



「妖精の長よ! 昨夜の宴は存分に楽しませて貰った! また、いずれ共に酒を飲み交わそうぞ!」



「はい、魔王様」



 妖精の長老がぺこりと頭を下げる。それに釣られて他の妖精達も頭を下げる。



 俺達は妖精達に別れの挨拶を告げて城へと帰る。



 ****



「ふむ、やはり我が家はいいな!!」


「どうした、ヴァイス?」


「いや、たった1日だけだが我が家を離れたからな! 懐かしく感じてしまうのだ!」


「たったの1日じゃねえか」


「されど、1日だ!!フゥハハハハハハハハハハ」



 ヴァイスは城に着いた途端にこのテンションだ。それと、やはり、ヴァイスの娘であるリューネも同じハイテンションになっている。



 流石親子です。



 城へと入り自室へと向かう。自室と言っても俺専用の部屋では無くリューネの部屋である。忘れてはいけないのは、俺がリューネのペットであることだ。



 一応家族のように扱って貰っている。もし、本当にペットのようにされたらと思うとゾッとする。まあ、そんな事は無いから安心なのだが。



 ちなみにリューネはヴァイス達の元にいる。俺は三度寝をしたいので部屋へと戻ったのだ。ザードさんには俺の分の食事は作らなくていいと伝えてあるので存分に寝れる。



 マジ最高。



 ****


「ん……」



 目が覚め起きたらもう夜だった。窓から月が差している。どうやら、今日は満月のようだ。起き上がろうとしたら違和感を感じたので布団をめくる。そこにはリューネが抱き着いて眠っていた。



 相変わらずだなぁ……。



 起こさないようにソッと引き剥がす。ベットから抜け出し部屋から出て行き城の外へと出る。風の魔法を使い城の屋根へと登る。



「ふぃ〜〜〜月が綺麗だなぁ……」


「そうですねぇ〜〜」


「そうだよなぁ〜〜〜〜……………………????」



 あれ?



 おかしくね??



 俺以外に誰かいるくね?



 勘違いなのかな??



 それとも幻聴かな?



「月が綺麗だなぁ」


「本当満月で綺麗ですねぇ〜〜」



 ほら、誰かいるもん。



「クロか?」


「あ〜、あの黒猫ちゃんの事ですか〜?私は違いますよ〜〜」



 あれ?あれれ?



 これは、もしかして………。



 もしかしなくても……。



 お化けか?



「あのーどちら様で?」



 声がした方をゆっくりと振り向くと、足がなく宙に浮いている少女がそこにはいた。



 固まる俺。



 ニコニコと俺を見る幽霊。



 そして…………。



「あびゃああああああああああああ!!!!!」


「きゃあああああああああああああ!!!!!」



 目を見開き大きな口を開けて発狂する俺。



 それを見て驚き叫ぶ幽霊。



「うぉおおわあああああ!! 悪霊退散!! 南無三南無三南無三!!!」


「えっ?何々!?!?」


「何故消えないぃいいいいい!!! くそが!! エクスカリバー!!」


「わっ!! ちょ!! 危なっ!! 危ないって!!」


「嗚呼嗚呼嗚呼!! どうして斬れないぃいい!!」


「いや、私もう死んでるし!」


「だから幽霊は嫌いなんだよぉおおおお!! 物理的に倒せない相手とかどうしろって言うんだよぉおおおお」


「ちょ、だから落ち着きましょ?」


「うるせえ!! どうせ、俺を呪い殺す気だろうが!! そうはさせるかよ! 臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前んんんん!!! 悪霊よ消え去れぇええ!!」


「そんなんじゃ消えませんって!!」



 もうダメだ……。



 打つ手なし……。



 俺はその場に膝から崩れ落ちて頭を垂れる。そんな様子を見る幽霊。



「あ、あの〜〜?」


「んだよ、消えろよ……」


「そ、それは酷いんじゃ」


「てかなんだよ、お前は! いつからいたんだよ!?」


「えっと、この城が出来てからですけど?」


「えっ???」



 頭を上げて再びフリーズする。



 ちょっと待て。



 今この幽霊はなんて言った?



 この城が出来てからだと?



 確かこの城はヴァイスが生まれた頃にはあったとされる城の筈。つまり、この幽霊は大昔の人間なのか?



「あの、どうしました?」


「うおっ!! こっち来んな! 怖いだろうが」


「うっ………グスッ……うぇ……」



 えっ?ちょ、なんで泣くの?



「よ、ようやく話せる人が出来たと思ったら、悪霊呼ばわりされるし、剣を振り回してくるし、近付くなとか言うし…………グスッ………うぇ……こんなのあんまりじゃありませんか〜〜〜〜〜!!」



 よし、わかった。この幽霊は馬鹿だ。



 害は無さそうなので良しとしよう!!

180かぁ……

完結出来るかな……


では次回!

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