表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

173/684

 しかし、早いものだ。もう、俺が魔王城に住み始めて二ヶ月は経つ。ラニは城の手伝いをすると言う条件で魔王城に住んでるし。



 てか、最近俺の主食がトマトなんだよね。



 何故かって言われたら毎日血を吸われるんだよね。



 もうね、容赦無いんだよ。リューネとリーシャは。リューネは朝昼晩と三回、リーシャは気まぐれだがリューネの3倍は吸血してくる。正直輸血パックが欲しいところだ。



 ちなみにミランダさんは吸血はして来ないが血を吸い出す機械を使ってワイングラスに注ぎよく飲んでいる。唯一飲まないのがヴァイスだけ。本当に助かる。



「ショウよ、さっきから難しい顔をしているが何か悩み事か??」


「いや、ヴァイスだけだなぁ〜って」


「我が輩だけ?どういう意味だ?」


「お前は俺の血を吸わないなぁって事」


「まあ、お主の血は美味だがやはり、我が輩としてはトマトジュースの方が良い」


「そうかそうか」


「ところでショウよ、何故我が輩達は磔にされておるのだ?」


「知るかよ!!!そんなの俺が知りてえよおおおおおおおおおおお!!!」



 現在何故か分からないが俺とヴァイスは磔にされている。



 正直何がなんだかわからない。



 なんでこうなったんだろうね。



「どうしたショウよ?何を悟った顔をしているのだ?」


「なんでお前はさっきから冷静なの?」


「うむ、我が輩は魔王だからな!」


「ごめん、わけわかんない」


「フゥハハハハハハハハハ!!!!」



 ああ、神様、俺は何をしたのでしょうか?



 さて、どうしたものか。



 とりあえず諦めて寝よ。



 しばらく寝ていると何か話し声のようなものが聞こえてくる。目を開けて話し声の方を見てみるとヴァイスが空気と喋っていた。



 どうやら頭がイかれてしまったらしい。



 俺は視線を前に戻すと羽の生えた小さな女の子が俺をジロジロと見ていた。



 あぁ、夢か。



 そう思い再び瞼を閉じて寝る。しかし、寝ることは許されなかった。



「ていっ!!!」


「ぐおおおおお!!!」



 小さな女の子に鼻を足蹴りされた。しかも、相当痛い。これは夢では無いのだろうか?



 とりあえず女の子に話しかける。



「何故蹴ったああああ!!!??」


「わっ!!!」



 俺が大声を出したせいで女の子は驚いてヴァイスの方へと飛んで行った。



「おおっ!ショウよ!起きたか!?」


「ヴァイスこれは一体どう言うことだ?」


「うむ、それは妖精達に聞くと良い」


「妖精??どこにいるんだ?」


「先程お前の鼻を蹴ったであろう」


「マジか!?」



 ヴァイスの方をよくよく見てみると俺の鼻を蹴った女の子が隠れていた。それに他にも数人いるようでヴァイスの肩に止まっていた。



 妖精か………。



 そういや、一応あいつも妖精だったな!!



「クロ!」


「おおん!!??」



 クロが空から落ちてくる。そのまま下へと落下して行くと水飛沫が飛んでくる。どうやら下は水のようだ。



「大丈夫か?」


「マジゆるさねぇ!」


「まぁ、待て落ちつけ。ヴァイスの方にいる妖精達と話してくれ」


「ああん?フェアリー共じゃねえか?珍しいな、人前に出て来るなんて」


「フェアリーって妖精だろ?」


「まあな。イタズラ好きだが可愛い奴らだ」


「それはいいから話を聞いて来てくれ」


「わかったよ」



 クロはヴァイスの方へと移動して行く。フェアリー達がクロの方へと集まり話をしている。



 数分程してクロが俺の方へと戻ってきた。



「で、なんだって?」


「ああ、なんか悪い奴が森にいるから退治してくれだとよ」


「はあ、なるほど。でも、なんで俺とヴァイスを磔にする必要があったんだ?」


「暴れられたら困るからー!」


「うおっ!!耳元で大きな声出すな!」


「ごめんねぇー!」


「じゃかましいわ!」



 いつの間にか俺の肩に止まっていたフェアリーが耳元で大声を上げて謝る。耳がキンキンしてやかましすぎる。



「それでどうやって俺達をここまで連れて来たんだ?」



 そう、これが謎。



 俺は起きたらここに磔なされていた。つまり、俺とヴァイスは寝ている間にここまで運ばれて来たのだ。だが、あんな小さな女の子がどうやってここまで運んだかだ。



「みんなで魔法使って運んで来たのー」


「みんなって何人くらいだ?」


「わかんなーい」




 ダメだ話にならない。



「まあいい、それで悪い奴ってどんなのだ?」


「えっとねー大きくてねーゴワゴワしててねー牙が生えててー大きいのー」


「さっぱりわからん」


「むぅー!」


「とりあえず外してくれ」


「わかったぁー!」



 案外すんなり外してくれた。俺とヴァイスはようやく磔から降ろされた。



「なぁ、ヴァイス、帰ったらダメかな?」


「無理であろう。よく周りを見てみろ?囲まれておるのだぞ?」



 ヴァイスにそう言われ周りを見てみると数百程はいるであろうフェアリー達が囲んでいた。



 つまり、どうにもならないのですね。



「まあ、諦めて悪い奴退治してやれ」


「クロ、てめぇ他人事だと思って」


「実際他人事だからな」


「俺はお前のご主人様だぜ??」


「だから??」


「お前も強制だ!!」


「悪いが肉球では戦えない」


「ちくしょう!!!!!」



 俺とヴァイスとクロはフェアリーに連れて行かれる。



 果たしてフェアリー達が言う悪い奴とはどんな奴なのだろうか???

どうにもならない


では次回を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ