ふと思い出す
目が覚める。どうやら、いつの間にかベットへと移動されていたらしい。腹に圧迫感を感じる。布団をめくってみるとリューネが寝ていた。
どこで寝ているのだ!
仕方なくリューネを抱き上げて横に寝かせる。ベットから抜け出して部屋の外へと出る。そのまま誰にも遭遇することな城のく外へと出る。
空を見上げるともう月が出ており夜になっていた。どうやら、ミランダさんのシチューのおかげで半日は寝ていたようだ。
「クロ」
「あん?なんか用か?」
「アルツェイルはどうなった?」
「平和になったよ。それとシエルの足と目が治った」
「そうか」
「お前の仕業だろ?」
「まあな。それで他の人達は?」
「大して変わってないが女連中が旅に出たぞ」
「な、なにぃ!?」
「今頃シエル達はアルカディアにでも居んじゃねえのか?」
「マジかよ!?なんで??」
「知るかよ」
(本当はこいつを探す旅って言うのは伏せとこう)
「そうかぁ……旅にかぁ……。そういや、一応俺も旅人なのにな」
「お前は今ペットだろ」
「そうなんだよなぁ」
月夜を見上げる。そのまま、ボーッと雲が流れて行くのを見続ける。
「なあ、クロよ」
「あぁ?」
「お前は今までなにしてたの?」
「雌と交尾」
「ふっざけんな!!てめえ!!何リア充してんだよ!!」
「はっ、嫉妬か!俺様はモテるんだよ!」
「ざけんなチクショー!!!!!」
悲しい雄叫びを上げた後俺は城へと戻り城の中を歩いているとリーシャさんと出くわした。
「こんな時間に何してたの?」
「えっ、いや、トイレっすよ」
「そっちにトイレは無いわよ」
「………」
「なにしてたの?」
「少し月を見てました」
「月?何故?」
「なんと無くですかねぇ」
「そうなの。ねえ、血を飲ませてくれないかしら?」
「突然ですね。気絶しない程度なら良いですけど」
「ありがと」
リーシャさんが首筋に噛み付く。相変わらずリューネより豪快に吸血をしていく。フラつきそうになった時にリーシャさんが首筋から離れた。意識を失う寸前まで血を吸われてしまった。
「容赦無いですね……」
「貴方の血が美味しいのが悪いわ」
「そりゃどうもです」
「ふふっ。リューネのペットじゃ無く私の彼氏になる??」
「えっ?」
「それじゃおやすみなさい」
リーシャさんは微笑んだ後自室へと帰って行った。俺はしばらくその場に立ち尽くして居た。
「おい、どうした?」
「クロ、少し俺を引っ掻いてくれ」
「任せろ!!」
クロは思いっきり俺の頬を引っ掻く。あまりの痛さに大声を出しそうになったがなんとか踏ん張る。頬から血が流れる。俺はようやく気づいた。これは夢では無く現実だと言うことに。
まさか、フラグか!?
女の人にあんな事言われたの初めてや!!!
もうリーシャさんエンドで良いんじゃね!?
このまま魔族の仲間になって一生過ごせば良くね!?
俺はテンションMAXになりリューネの部屋へと戻り寝ることにした。これからが楽しみだ。
目が覚めると腹に圧迫感を感じる。どうや、また、リューネが乗っているようだ。抱き上げてどかせようとしたらリューネが起きる。
「おはよぉーショウ」
リューネはそう言った後すぐに俺の首筋に噛み付き吸血をする。朝の日課だから慣れたが今日はおかしい。いつもより長い。そろそろやばいと思いリューネに声をかけてみるとリューネは寝ボケながら血を吸っていた。
器用過ぎだろ!!
てか、やべえ!!
このままだと俺死んじゃうぅうう!!!
リューネにチョップを食らわす。
「いたっ!」
「寝ボケながら血を吸うな!」
「うぅぅ。ショウが殴った」
「止むを得ない場合だったからな!」
リューネは拗ねてしまいそっぽを向く。こうなったら少し面倒だが無理矢理抱っこして食堂へと向かう。
「降ろせぇ〜」
「はいはい」
言われた通りリューネを降ろそうとするが何故か服にしがみつき降りようとしない。
「どうした?降りたいんだろ?」
「むぅう!」
可愛い生物だ………。
いかんいかん。
俺はロリコンでは無いのだ!!
しっかりせねば!!
とりあえずリューネを抱っこしたままの状態で椅子に座る。朝食はザードさんが作ってくれているので既に食堂のテーブルに並んである。
リューネを膝に座らせてパンを食べようとしたらリューネにパンを奪われる。
「………」
「モグモグ」
「効果音はつけなくていいから」
「……」
もうひとつパンをとって食べようとしたらまたもリューネに奪われる。リューネは先程のパンが口の中にあるので食べることが出来ない。
「………」
「どうするんだ?」
「……」
「わかった。落ち着け、無理矢理押し込むな」
リューネは意地でもパンを食べようとハムスターのように膨れた口の中に無理矢理パンを押し込もうとしていた。必死でそれを止める。
そんな時食堂にラニが入ってきた。まだ眠たいのか目をこすりながら入ってくる。
「おふぁよ〜」
「まず顔を洗ってこい」
「そうする〜」
ラニはそう言うとフラフラと食堂から出て行った。しばらくして帰って来ると完全に目が覚めていた。
「おはよう。ショウ兄さん」
「ああ、おはよう」
「所でなんでリューネちゃんがショウ兄さんの膝に座ってるの?」
「成り行きだ」
「ここは私の特等席ぃ!!」
「むっ!」
何故かリューネの言葉にムッとするラニ。ガキ同士は何故こう言ったくだらない事でムッとなるんだろうか。
そして、今日もまた1日が始まる。
………だんだんと話が思いつかなくなってきた。
では次回を!




