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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第五章

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殺戮兵器

「お、奥様、料理なら私が…」



 俺は黙々と料理をしている中、ザードさんはミランダさんが料理をしようとしているのを必死で止めようとしている。俺は気にせず作業を続けている。



「ザード、今日は私とショウが料理を作りますから貴方は食堂で待ってなさい」


「い、いえ、ですから料理なら私が」


「これは主人としての命令ですよ?」


「うっ……し、しかし」


「もう、良いでしょう?少しは休みなさい」


「………わかりました……私は食堂で待機してます」


「最初からそう言いなさい」



 ザードさんはミランダさんに言いくるめられてトボトボと食堂へと歩いていった。俺はその間にも料理を作る。俺が作っているのはお好み焼きです。



 ぶっちゃけただ具材を混ぜているだけです。あとは焼くだけの楽チンな料理です。ただ焼き方が下手くそだったら。マズイけどね!



 それにしてもミランダさんは何を作るんだろうか?



 まあ気にしても仕方が無い。俺はお好み焼きを作ろう。とりあえずホットプレートを持って食堂へ行きますか。



「ミランダさん、俺先に食堂行ってますね」


「ええ、私も出来たら行くわ」



 俺はミランダさんに一言告げて食堂へと向かう。食堂へと行くとそこには御通夜みたいな雰囲気が漂っていた。ハイテンションなリューネまでもが下を向き俯いて居た。



 えっ何これ?



 なんでこんなんになってんの?



「ショウか………ミランダはどうしてた?」


「お前の奥さんなら張り切って料理してたぞ?」



 俺がそう言うと他の人達がさらに落ち込んだ。一体なんだと言うのだろうか。



「とりあえず飯にしようぜ?」


「う、うむ……」



 何このテンションの低さ!!



 もう俺の方がビックリだわ!!



 てか、よく見たらラニが居ないな。



 仕方ない。探してくるか。



「ヴァイス、ちょっと俺ラニ探してくるから先に食べててくれ」


「これはどうやって食べるのだ?」



 俺はお好み焼きを焼いて見せた。ヴァイスは興奮したようで自分で焼くと言って自分で焼き始める。これなら大丈夫だろう。それにザードさんもいることだし。



 俺はラニを探しに食堂を出て行く。まずは城の地下へと向かう。地下へと辿り着き探し回る。しかし、どこにもラニの姿は無かった。



「クロ、ラニがどこに行ったか分かるか?」


「そんなもん俺様が知るかよ」


「使えん猫だ」


「ようし!てめえ、そこでじっとしてろよ。今すぐ殺してやるからな」



 俺はクロを放って置いてラニを探しに地上へと上がる。城の中を見て回るがどこにも見当たらない。どこへ行ったのだろうか?



 外へと出て行き畑の方へと行く。しかし、ラニの姿はどこにも無かった。



 もしかして街か???



「考えてもしゃあない。街にでも行くか!!」



 俺は身体強化を施し街へと走る。森を走っていたらラニを見つけた。通り過ぎたので慌てて引き返す。



「ラニ!!」


「………」


「どうした?どこに行こうとしてるんだ?」


「……」


「何か喋れよー」


「……なんでそんなに優しいの?」


「えっ普通じゃね?」


「信用させてから誘拐する気なんでしょ?」


「えっえっ?いや、そんなことはしないけど?」


「……」


「えっ?いや!マジでしないって!!」


「ふふっ……あははは!!冗談だよ。ショウ兄さんにはそんなこと出来ないもんね」


「は?」


「あれ?驚いちゃった?」


「はあ〜本気で焦ったぞ………。まあ良いか、ラニ飯食いに帰るぞ」


「うん!」



 俺はラニをおんぶして城へと帰る。城へと辿り着いたらラニを下ろして食堂へと向かう。食堂に入るとそこは死屍累々としていた。



「な!なんじゃこりゃ!?」



 ヴァイス、リーシャ、リューネ、ザード、ミック、ヴォルフ達が全員倒れていた。その中で一人立っているのはミランダさん一人だった。



「ミランダさん!何があったんすか!?」


「みんな大袈裟なのよ〜。私の料理を食べたらあまりの美味しさに気絶しちゃったみたいで」



 何!?



 ミランダさんの料理を食べて?



 待てよ……。



 確かミランダさんが料理をする時はみんな震えていた。



 まさか、あの震えはミランダさんの料理に対しての物だったのか!?



 じゃあ、みんなが倒れている理由って………。



「あっこれ美味しそう!」


「あら?貴方は?」


「あっ、えっとラニです……」


「そう、ラニちゃんと言うのね。いいわよ私のシチュー食べても」


「いいの?」


「ええ!」


「じゃあ頂きまーす!」



 それがラニの最後の言葉だった。ラニはミランダさんのシチューを食べると絶叫を上げてもがき苦しみ倒れて痙攣起こして意識を失った。



 ………あかん。



 これは死んでしまう。



 逃げなければ!!



 俺は急いで食堂を出ようとしたら肩を掴まれる。恐る恐る振り向くとそこには片手にシチューをすくったスプーンを持っているミランダさんが立っていた。



 ミランダさんは笑っている。



 つられて俺も笑う。その瞬間俺の口にシチューが流し込まれる。



 胃の中をシチューが蹂躙する。身体が悲鳴を上げる。全身のありとあらゆる所や激痛が走る。



 これ、殺戮兵器じゃねえの?



 俺の意識はここで途絶えた。

2日も遅れてしまった

本当に申し訳ないです


では次回

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