クロにお任せ
ああ、本当に面倒な事になった。まさか、ラニに人間だと言うことがバレるとはな。まあ、言ってなかった俺も悪いんだが。それより今はラニを探さないと。
くっそ!
無駄に広いんだよなぁ。
どこにいけどもラニは見つからない。もしかしたらもうこの城にはいないのかもしれない。そんな事を考え始めた時に声を掛けられる。
「あら、もう起きたのですか?」
「リーシャさん……」
「どうしたのですか?何かあったんですか?」
俺はリーシャさんにラニがいなくなったことを話した。
「どこにいるか心当たりとかあります?」
「そうですねぇ………隠れられそうな場所と言えば地下くらいかしら」
「地下ですか……そういえばまだまだ見てないな……。ちょっと地下見てきます!」
「ええ。あ、それと貴方の血、美味しかったわ」
「……どうもっす」
頭を下げて俺は地下へと向かう。地下に来たのはこれで二回目だ。初めて地下に行ったのはミックさんを紹介する為にヴァイスと降りてきた時だ。
相変わらず不気味な場所だ。ミックさんは多分今地上に上がっているんだろう。それよりも早くラニを見つけないと。
しばらく地下を歩き回っていると誰かの啜り泣く声が聞こえてくる。
………お化けかや!!!
「ラ、ラニか??」
大声を出して聞いてみる。すると、啜り泣く声がピタッと止まった。どうやら、ラニのようで俺が来たことに驚き泣くのをやめたんだろう。
「どこにいるんだよ?」
「く、来るな!!この人間め!!」
あら、やっぱり怒ってらっしゃる。
それも当然か。家族を奪った人間といたんだから。
「ラニ………」
くっそ!こんな時どうすりゃいいんだよ!!
誰か教えてくれよ!!
「お兄さんも他の人間と同じなの?」
俺が沈黙して何も喋れずにいたら突然にラニから質問を投げ掛けられる。
他の人間と同じか………。
どうだろうな。
でも、ラニの家族は人間の私利私欲の為に殺されたんだよな。
俺はそいつらと違う。
だけどどうやって証明すれば良い。
「ねぇ、どうして何も答えてくれないの。やっぱりお兄さんも他の人間と同じだから?」
「……」
くそっ!!
どうすりゃいい!!
待てよ………。
アイツなら解決出来るんじゃねえか?
さあ、来やがれ!!
「クロ!!!」
クロの名を叫ぶと目の前に黒猫が現れる。
「んおっ?」
「よう、懐かしいな」
「なんだ、死んだんじゃ無かったのか。残念だ」
「俺が今からてめえをぶっ殺してやるぞ」
「はいはい」
「くっ……、お前に頼みたい事があるんだ」
「ああん?俺様に頼みたい事だと?なんだよ、言ってみろ」
「この先にダークエルフがいる。あの子に俺の過去を見せてやってくれ」
「はあ?そんなんで良いのか?」
「ああ、頼む」
「わあーったよ。でも、何の保証もねえからな」
クロはそのままラニのいる奥へと歩いて行った。
はあ〜情けないなぁ……。
自分で納得すれば良いものをクロに任せるんだからなぁ。
それから数分したらクロが帰ってきた。
「どうだった?」
「さあな。ただ、少し一人にしてくれとよ」
「そうか、なら行くぞ」
「どこに?」
「魔王のところだ」
「はあああああ??何、お前今度は魔王とでも戦うのか?」
「違うわ!!」
「じゃあ何をしに?」
「話にだよ」
「何の話だよ?」
「さあ?」
俺はクロを連れて地下から魔王城へと戻る。魔王城へと戻るとヴァイスのいる所を探し歩く。クロは歩くのが面倒だと言って俺の頭に乗っている。本当に呑気な奴だ。
魔王城を出て畑の方へと行くとそこには銀髪魔王がいた。それとちびっ子吸血鬼とお姉さん吸血鬼もいた。そして、その2人の横にもう1人銀髪の女性が立っていた。多分あの人がヴァイスの嫁だろう。
俺はそのまま近づくとちびっ子吸血鬼が振り返り俺に気付いた。ちびっ子吸血鬼は俺の方へと全力ダッシュしてくる。そのままダイブされて俺は衝撃のあまり吹き飛ぶ。
「ごふぅっ!!」
「ショウーー!!」
一応吸血鬼なんだから力が半端無いんだよね。
正直よく生きてるなってよく思うもの。
リューネをそのまま抱き上げて立ち上がりヴァイス達の方へと歩く。
「あら、貴方は?」
「ショウです。リューネのペットやってます」
「じゃあ、貴方がリューネの初めての相手なのね」
「その言い方はちょっと……」
「良いじゃ無い別にそれくらい。あっ、それと私が留守の間に娘と夫の世話ありがとうございます」
「いえいえ、特に何もして無いですよ」
「それでも御礼はしておかないと」
「それよりお名前はなんて言うんですか?」
「そう言えばまだ名乗ってませんでしたね。私の名前はミランダです」
ミランダさんはそう言うとヴァイスの方へと歩いて行った。
俺もあんな嫁さん欲しい……。
まあ、まだ彼女すらまだですけど!!!
「ショウよ!!今日の晩御飯は何にする!?」
いきなりだな。それにしても今日の晩御飯か。何も考えてなかったな。
「何がいい?」
「我が輩としては新しい物が食べたい!」
「リューネは?」
「ショウが作るなら何でもいいよぉ!」
ええ娘や。
「貴方が料理を作ってくれるんですか?」
「まあ、リーシャさんの口に合うかわかりませんけど」
「ふふっ、期待しておくわ」
「私もお手伝いするわ」
「良いんすか?ミランダさん?」
「ええ、久々だから張り切っちゃおうかしら」
ミランダさんがそう言うと抱っこしていたリューネがビクリと震える。そして、心無しかリーシャさんも震えている。ヴァイスはと言うと何故か遠い空を見上げている。
一体何があったんだろうか?
やっべ……
もう一つの小説書いてたらこっちが遅れたったwww
すいません言い訳です。
許してください
では次回を!




