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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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シエル救出

「クロ!全力で行く!離れてろ!!」


「わかった!」



 クロは俺から離れてアンナ先生達がいる方へと下がって行った。これで心置き無く全力を出せる。シエルには悪いことをするなと思うが今は『剣戟』を止めなければならない。出し惜しみは無しだ。



 《魔力化》を施す。



「光輝煌衣!!」



 光属性を二重にして《魔力化》を施し『剣戟』の懐へと光速で入り込む。『剣戟』は僅かに反応が遅れてしまう。その僅かな隙を狙って干将・莫耶を振るう。



「はっ!!」



 ガィイン!!



「チッ!やっぱ硬いな!」



『剣戟』に斬撃を入れるが硬さのあまり干将・莫耶は弾かれしまう。『剣戟』は左右から剣を振るって来る。それを干将・莫耶で受け止める。



 ガギィン!!



「ぐっ…ぐぅう」



 くそっ!なんつー力だよ!



 こちらとら身体強化も施して《魔力化》もしてんだぞ!!



 流石は邪神を倒す為に生み出された兵器ってところか!



「あああああ!!!」



『剣戟』の両腕の剣を弾き返す。『剣戟』は少しよろけるがすぐに持ち直して剣を振るってくる。



 シエルさん、少しは手加減したってぇええ!!



「うおおおおおおおおお!!!」



 ガキキキキキキキキキキギィィイイイン!!



『剣戟』は暴風のように剣を振るってくる。右左上下斜めと縦横無尽に容赦無く剣を振るって俺の命を刈り取ろうとしてくる。



 お互いに2本の剣で撃ち合う。俺も《武神》を最大限に使い『剣戟』の尋常では無い剣速に食らいつく。しかし、僅かにだが、『剣戟』の方が剣速が上だ。



 故に俺に傷が増えていく。



「ざけんじゃねえぞおおおお!!!」



 俺は更に剣速を上げようと集中する。しかし、その間にも俺の身体には傷が増えていく。



 まだだ、まだ上がる……。



 干将・莫耶を振るうスピードが先程よりも僅かに上がる。しかし、それでも、まだ『剣戟』の方が上である。



 もっと、もっとだ…………。



 次第に俺の視界がクリアになって行く。『剣戟』の両腕の動きが遅くなって行く、否、遅くなっているのでは無く遅く見えるのだ。



 彼女欲しい、彼女欲しい、彼女欲しい!!



 途中から訳の分からない方へと集中してしまう。どう言うことか、俺の視界には『剣戟』以外の物が写らなくなっていた。



 そうだよ、こんな所で死んだら童貞捨てるどころか彼女すらいないままだ!



 そんなのは絶対に嫌だ!!



 俺は勝つ!!



 勝って生き延びていつの日か彼女を!!



 思考が加速する。剣速が爆発的に跳ね上がる。『剣戟』の両腕の動きがスローモーションのように見える。



 そして遂に俺の剣速は『剣戟』を超える。



「そこだあああああああ!!!!」



 干将・莫耶を大きく振るい『剣戟』の両腕を弾き飛ばす。今なら切り裂ける。そう思い『剣戟』の両腕に干将・莫耶を振り下ろす。



 見事に斬り落とした………。



「しゃっ!!オラアアアアアアア!!」



 両腕を斬り落とした事で興奮してしまいガッツポーズしながら大声を上げてしまった。



 うむ、悪くない!!



 しかし、『剣戟』は両腕が無くなったのにも関わらず俺の方へと突っ込んでくる。



 ふん、両腕の無いお前なぞ相手では無いわ!!



「グレイプニル!!」



 俺はグレイプニルを使い『剣戟』を縛り上げる。『剣戟』は必死に縄を解こうとするが腕が無いせいで何も出来ない。ただ、ジタバタともがいてるだけだった。



「クロ!!」



 俺はアンナ先生達の方を振り向きクロを呼ぶ。クロは呼ばれてこちらに駆け寄ってくる。



「なんだ?」


「どうやってシエルさんを出すの?」


「何処かにスイッチがある。それを押せばいい話だ」


「なるほど!」



 俺は暴れている『剣戟』を調べる。ボタンのような物を見つけて押してみる。すると、『剣戟』のコックピットのような物が開いた。



「シエルさん!!」



 呼び掛けてみるが返事が無い。



「多分魔力を使われたから気を失ってんだろ。それに感情もな」


「それなら良かった……。とりあえずシエルさんをジェーンさん達の所に運ぼう」




 俺はシエルさんを『剣戟』から降ろす。とりあえずお姫様抱っこで運ぼうとしたらアンナ先生達がこちらへと歩いて来た。



「ショウくん!」


「な、なんすか?アンナ先生?」


「……私は貴方を誇りに思います。貴方がいなければ私も生徒もこの世にはいなかったでしょう。私は貴方の担任になれて光栄です。そして、私達を救ってくれて本当にありがとう」


「………まだ全部終わって無いっすから」


「本当に貴方は黒髪の英雄ですね」


「英雄って呼ばれる程大した事はしてないんすけどね」



 ぶっちゃけ下心満載ですから!!



 今ならお願いすればヤラしてくれそうな気がする!!



「どうかしましたか?」


「いえ、なんでも。それより俺はシエルさんをジェーンさん達の元へと連れて行きますから」


「そうですか。わかりました。こちらはもう大丈夫ですから」


「了解っす!」


「おい、ショウ!!」


「なんだよキース?」


「お前が黒髪の英雄だろうとなんだろうとお前は俺の友達だからな!それと約束守れよ!」


「……ああ、いくらでも奢ってやるよ!」



 俺はシエルをお姫様抱っこしたままジェーンさん達のいる屋敷へと走る。



 うーむ……シエルの足と目は治してあげよう。



「パケナイアのネックレス!」



 女神パケナイア……全てを治癒する女神だ。ネックレスなどは無いが俺が創った。オリジナルの魔法具で最高位の回復魔法具だ。



 能力はあらゆる病気、怪我、欠損、後遺症などの治癒だ。と言うよりは全てだけどな。




 これをシエルにプレゼントと。



 これで目が覚めれば歩けるようになり目も見えるようになるだろうよ。



 それにこれを外しても元に戻ることも無いしな。



 さてと、急ぐか!!!

あばばば

更新が遅れてしもた…


では次回

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