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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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騒乱

 急いで街へと戻ったら街は阿鼻叫喚の地獄と化していた。建物は半壊していて瓦礫に埋れている人々、何かから逃げ惑う人々がいる。



 俺は逃げ惑う人々の来る方角へと走る。どうやら、街の中心部から逃げて来ているようだ。すぐさま街の中心部へと向かうと、そこには二足歩行のロボットのような物がいた。だが、驚くとこはそこではない。



 ロボットの中央部分にガラス張りのような物があり恐らく搭乗席であろうが、その中にファラ先輩が繋がれていたのだ。



「ファラ先輩!!」



 俺が呼びかけると反応したようでこちらへと向きを変えた。どうやら俺の声は聞こえたようで意思疎通が出来るみたいだ。そう思い近づいて行ったら俺は突然吹き飛ばされる。



「ガハッ……!」



 建物に吹き飛ばされた俺は壁に激突して崩れ落ちる。どうやら俺は攻撃されたようだ。立ち上がりファラ先輩、ロボットの方へと向くとこちらへと歩いて来ている。



「くっ……神羅創世、エクスカリバー、儚き我が神幻郷!」



 すぐにフル装備をする。傷を癒した俺は剣を構える。ロボットは俺が剣を構えたからと言って歩みを止めない。どんどん近づいてくるロボット。



 俺はエクスカリバーに魔力を込めて斬撃を放った。



「はあっ!!」



 バシィイン!!



 しかし、ロボットの数メートル手前で斬撃は掻き消されるように消えた。そのままロボットは俺へと近づいてくる。俺は再度エクスカリバーに魔力を込めて斬撃を放つ。



「ぜやっ!」



 バシィイン!!



 しかし、又もや斬撃はロボットの数メートル手前で掻き消されてしまう。一体どうなっていると疑問に思うがロボットが攻撃を仕掛けてくる。腕が伸びて襲いかかってくるが腕をエクスカリバーで弾く。今度は直接斬ってやろうとロボットへと駆け寄ると見えない壁のような物に阻まれてしまった。



 なんだこりゃ!?



 そこから先へはどんなに踏ん張っても踏み込めない。そうこうしていたら再びロボットが腕を伸ばして攻撃を仕掛けてくる。今度は手を弾くのではなく手を斬る事にした。



「じゃっ!!」



 エクスカリバーをロボットの腕に振り下ろす。



 ガィイン!



 しかし、エクスカリバーは弾かれてしまった。



 なにっ!?



 エクスカリバーが弾かれてしまったことに驚きを隠せない。俺が驚いて怯んだ隙を狙ってロボットは腕を伸ばしてくる。



「バカが!! 回避しろぉお!!」



 その声の通りに腕を回避する。もし、今の声が無かったら直撃はまぬがれなかった。それよりも、先程の声はとても懐かしいものだ。



「今までどこ行ってた、クロ!!」


「ちょっと野暮用でな! それより来るぞ! 構えろ!」


「おう!!」



 クロは俺の肩に飛び乗る。エクスカリバーをロボットへと構える。ロボットはこちらへと進んで来る。斬撃を放とうとしても見えない壁に阻まれてしまう。手が出せないと思っていたらクロが助言をしてきた。



「あのロボットは『堅固』だな」


「なんだよその『堅固』ってのは?」


「ロボットの名前だ。古代兵器にはそれぞれタイプがある。『堅固』は防御型だ。厄介なのはあいつの周囲を囲っているバリアだな」


「バリアだと? じゃあ、俺のエクスカリバーが弾かれたのもそれが原因か!?」


「そうだ。あのバリアは絶対防御で魔法も通さない。それに例え通ったしてもあいつらはミスリルで出来てるから傷を付けるのは苦労するぞ!」


「おいおいミスリルってマジかよ!」


「ああ。それより他の古代兵器は?」


「わからん」


「チッ! もし全部起動しているなら相当面倒だぞ」


「他にはどんなのがあるんだよ!?」


「他には……おい! 来るぞ!」


「ッッ!!」



 堅固の腕が伸びて来て捕まえようとしてくる。それを必死に避けて逃げる。一旦こいつの相手をしている場合じゃない。そう思った俺は魔法を使う。



「硝煙球!!」



 いわるゆ、ただの目くらましの魔法だ。煙がロボットを包み込んで周りを囲って見えないようにする。この魔法は逃走用とかの為だから攻撃力は皆無だが奴のバリアの前を煙で隠してくれる。これで時間が稼げる。



「クロ! 一旦逃げるぞ!」


「お前、屋敷は大丈夫なのか?」


「屋敷へ行くぞ!!」



 俺は屋敷へと向かい走った。俺がいつも通っていた道は最早原形をとどめていなかった。建物は崩れ落ちて瓦礫が道を塞いでいる。周りには下敷きになった者達がいてそれを助けている者達の姿もあった。



 屋敷へと辿り着く。どうやら無事のようだと思っていたら庭の方から戦闘音が響いて来た。誰かが戦っている、俺は庭の方へと急いだ。



 庭に着くと肩で息をしているアニスさんの姿がありアニスさんの視線の先には顔に黒い布を覆った者が立っていた。アニスさんの後ろにはジェーンさんとセイジさんがいた。俺は三人に駆け寄る。



「ジェーンさん、セイジさん、アニスさん!!」


「ショウ!」


「ショウくん!」


「豚!」



 こんな時でも豚呼ばわりかよ……!



 俺はアニスさんの前に立ち敵に構える。



「アニスさん。ここは俺に任せて、ジェーンさんとセイジさんをお願いします」


「敵は空間属性を持っています。気をつけてください」



 アニスさんはそう教えてくれると二人の方へと下がった。敵は空間属性持ち、つまりルネかもしくはカルナさんの二人のどちらかだ。



 敵が俺へと向けて魔法を放って来た。

改訂済み

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