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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第一章

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復讐者

 時は遡り、ダンジョンへと戻る。そこには姿形が変わってしまった福田隆史の姿があった。



「さて、とりあえず下の層へと行くか…」



 隆史は歩き出す。ダンジョンの最奥に向けて。団長の言葉が正しいなら最下層には帰還用の魔法陣があるだろうと予測して進む。



「それにしても、一回死んだからか? 体格も変わってるな。まぁいい、これはこれで好都合だ」



 隆史の体格は小太りで背は165程度だった。しかし今の彼は身長180程もあり、身体も無駄な肉がなく、しっかりと筋肉がついている。



 何故こうなったかは、原因はわからない。



 ただクラスメイト達が彼を見て、彼があの福田隆史と分かる者は一体何人いるのだろうか。恐らくだが、誰一人として正解を出せる者はいないだろう。



「それより服をどうするか? 魔物に喰われたおかげで服はズタボロで血でべっとりだ。幸いなことにステータスプレートは無事だったが……」



 そう、彼は今裸である。彼の言う通り彼は1度死んでいる。サソリ型の魔物に喰い殺されているのだ。



「流石に裸ってのはな。俺の【スキル】は強力ではあるが利便性がないからな」



 ◆◆◆◆

 福田隆史 男 17歳[称号]異世界人,復讐者

 Level 5


 体力:12000


 魔力:25000


 知力:8000


 筋力:15000


 俊敏:11000


 器用:12000


 耐久力:30000


 運:700


【スキル】

 《黄泉還り》1日に一度だけ死から蘇る。

 《復讐の焰》憎悪によりステータス強化

 《歪んだ心》精神的負担が無くなる。

 《終わりなき絶望》自分に敵意あるもの全ての魔力を減らし続ける。任意型

 《無慈悲なる暴虐》自分が敵と認めたもの全てのステータス値を半減させる。任意型

 《秩序なき消滅》相手のスキルを消す。任意型

 ◆◆◆◆



 戦闘においては、無敵の強さを誇るであろうステータスだ。しかし、戦闘においてだけだ。生活などについての便利性は皆無だろう。



「せめて、《異空間収納》があれば少しは違ったんだろうが。はぁ……無いものをねだっても仕方が無い。先に進もう。服はもうこの血だらけので我慢しよう」



 そう言って、転がっている自分の服を身に付ける。しかも、食い千切られているせいで肌の露出は多い上に血で赤く染まっている。



 文句を垂れることなく隆史は最下層へと向かうのであった。



 しばらく進んでいると、隆史にとって因縁の相手が道を阻んだ。



「ギギィィッ!」



 隆史の前に魔物が現れる。しかも隆史を今日喰い殺したサソリ型の魔物だ。一匹だけでなく何十匹と言う数で隆史の前に現れた。



「クッククク……ハッーハハハハハ!!またお前らか! また俺を喰い殺そうとしているのか?」


「ギシャッ!」


「フフッ……ちょうど良い! 俺の力の相手になってもらおうか! それに貴様らには殺された恨みもあるしな!! さぁっ!! かかって来い!!」


「ギギャァッ!!」



 隆史が愉快な笑い声を上げると、サソリ型の魔物が一斉に襲い掛かる。



「《無慈悲なる暴虐》発動!」



 隆史はスキルを発動させる。隆史がスキルを発動させた瞬間、サソリ型の魔物に異変が現れる。一斉に動きが遅くなったのだ。



「へぇ? 本当にステータスが半減されたみたいだな! さっきよりも遅いぜ?? さて、これから行うことは戦闘ではない。ただの蹂躙だ!!」



 隆史はそう叫ぶとサソリ型の魔物の大群に突っ込んで行く。そして、ただ拳を振るう。それだけで数匹の魔物が砕け散る。足で魔物を蹴り上げる。魔物はそのまま弾けて飛び散る。ただ我武者羅に拳で殴り足で蹴る。



 彼の言ったとおり戦闘ではなく蹂躙だった。次々と魔物を殺して魔物の数を減らして行く。いつの間にかそこには隆史しか立っていなかった。



「なんだ……この程度か……もう少しは楽しめると思ったのに……

 まだひとつしかスキルを使ってないが充分すぎるほどの成果だな。ここが何層なのかは知らないが、いろいろと試しながら30層へ行くか」



 退屈そうに先程の戦闘を自己分析しながら、隆史はまた歩き始める。ただ以前とは違いその足取りは軽いものだった。



「ここは?」



 最下層に辿り着くと、魔物の死体が転がっていた。そう、口から背中の方に貫かれた跡があるウル・キマイラの死体が残っていたのだ。



「誰かがここでこいつと戦ってたのか? それにしてもこの魔物なんで死体で残ってんだ? ダンジョンで倒した魔物は消える筈だろう? それよりも誰がこんな魔物を倒したんだ? 見た感じこの魔物はかなりのレベルの筈だ。もしかして、桐谷大輝か? わからないな。ああ、もういい! 誰が倒したかなんて知るか! 俺は先へ行く!」



 隆史は疑問に思ったことを口に出しながら推理していくが纏まらない。少し怒りながら先へ進む。進んだ先にあったものは、帰還用の魔法陣だった。



「これか、帰還用の魔法陣は……!」



 目指していたもがあったので、早速魔法陣の上に乗る。すると、魔法陣から光が放たれ輝き始める。



「ここから、出たらどうするか? まずは服を買わないとな。いや、服を買う為の金が必要だな。そうだ、冒険者ギルドにでも登録するか!! 当面は冒険者ギルドで金稼ぎだな!」



 そんなことを言っている間に転移は終わっており、ダンジョンの外にいた。



「よし、冒険者ギルドに行くか! そして、待っていろよ!! 俺を虐げていた者たちよ! 必ず復讐してやるからな!!」



 彼は片手を空に掲げて復讐を心に誓う。ここに一人の最強といえるチートを手に入れた復讐者が世界に解き放たれた。


改訂済み

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