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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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ジューダス・アスターク

 寝ていたが深夜に目が覚めてしまった俺は外に出る。月を見ようと思ったら雲がかかっていて見ることは出来なかった。



 しばらく俺は武具創造で武器を創る事にした。とりあえずは付与するスキルは【武を極めし者】だ。これはあの桐谷も持ってたスキルだ。効果は俺の【武神】に劣るがそれでもかなり強い。



 この武器は彼にプレゼントしよう。彼と言っても福田にだけど。福田と戦ってわかったが彼は魔法使いの戦闘スタイルだ。身体強化は施すけど近接戦闘をしてこようとはしなかったからな。



 彼にはちょうど良い武器になるだろう。どんな武器をプレゼントするかと言うと、刀です。俺の斬魔の兄弟刀にしました。スキルは【武を極めし者】と【魔力切断】です。



 ぐへへへへ……



 なんだか楽しくなって参りましたよ!!



「こんな夜中に何をしているのです」


「うわっ!! アニスさんですか。ビックリさせないでくださいよ」


「私の方がビックリですよ。こんな夜更けに庭でニタニタしてる豚がいるのですから」


「豚じゃないっすよ!」


「少しは落ち着きましたか?」



 その言葉に驚く。どうやらアニスさんは俺を励ましてくれていたのだろう。まあ、多少発言に問題は色々とあるが。



 うむ、この人がデレた日にはナイフの豪雨だろうな!!



「……まあ、ある程度は」


「そうですか」


「アニスさんは怒ってないんですか?」


「………正直に言うなら、今すぐにでも貴方を殺してやりたいですよ? でも、多分私が護衛をしていても無理でしょうね。なんて言ったってシエルを攫った相手はシエルの親友なのですから」



 そうだ。ルネはもうシエルの親友になっていたのだ。俺も信頼していたがまさか裏切るなんて微塵も思っていなかった。



「すいません」


「……今は奥様の言う通り待つ時でしょう。明日も学園なのですから寝たらどうですか?」


「そうします」



 アニスさんに頭を下げると物置へと戻る。物置に戻り俺はふと思い出した。



 あれ、クロは??



 クロは福田と戦って以来顔を出していない。呼んでみようかと思ったが眠たいのでやめることにする。俺はそのまま寝ることにした。



 ****


 side???


「クフフフ。ようやく動き始めるみたいですね」


「……ふん」


「おや、つまらなそうですね?」


「アレが奴を殺せるかどうかだ」


「まあ、そうですねぇ………負けるんじゃないでしょうか?」


「何故そう思う?」


「だって彼は彼女が欲しいんですよ? つまり、女の子が好きなんです」


「それは当然だろう」


「つまり、今回の場合ですと彼の戦闘力はさらに上がる事になるでしょうね」


「………ふむ」


「まあ燃料の媒体が女性だと言う時点でおしまいですよ。きっと彼は助けますからね」


「しかし、救出不可能だったらどうする?」


「その時は彼のとんでもない行動が見れるんじゃ無いでしょうか」


「そのようなものか……」


「まあ、なんにせよ面白そうですけどね」


「貴様も物好きだな」


「ええ、私、彼のこと気に入ってますから」


「ほう、貴様の計画も潰されたのにか?」


「そうですよ。見てて楽しいじゃ無いですか」


「勝手にすればいいが我々の使命を忘れるなよ」


「それは勿論」


 ****


 sideシエル


 私は今囚われています。ここがどこだかはわかりませんが確かな事は今私は縛られていることです。魔法を使おうとしても使えないところみると今私は魔力阻害の鎖でもかけられているのでしょう。



 それと、もう一つ、私以外にも囚われている人がいるみたいです。でも、私とは別の部屋なので誰かはわかりません。



 それにしても何故私は狙われたのでしょうか。私を連れ去った人達の目的はお金かと思いましたがそうではありませんでした。



 疑問に思う私に教えてられたのが別の目的の為だそうです。何故そんな事を私に教えてくれるのかと思いましたがそれはすぐにわかりました。



「御機嫌よう。シエル・クライン殿。昨晩はよく眠れましたかな?」


「はい。そうですね。意外と快眠出来ましたよ」


「そうですか。それは良かった。さて、今回貴方を攫った理由ですが………貴方には我がアスターク家復興の礎となっていただきます」


「アスターク家!? では貴方はアスターク家の末裔なのですか?」


「ええ、そうです。現当主です」


「……何を企んでいるのです!」


「……粛清ですよ。この国の腐った貴族どもを1人残らず消し去り再びこのアルツェイルに我がアスターク家を蘇らせる事です」


「一体なんの為に!」


「それは言えません。これ以上は話すことはありません。しばらく眠っててもらいましょう」



 私と会話していた者が何かを唱えると私は急に眠たくなり眠ってしまいました。



 ****


 sideルネ



「パパ、本当にするの?」


「今更何を言っているんだい、ルネ? この計画はもう始まってしまったのだ」


「……」


「お友達を兵器にしたくないか?」



 私は頷く。しかし、パパ、ジューダスは笑っている。



「ハハッハハハハ。ルネ、これは復讐でもあるんだ。わかるかい? お前の祖父母はこの国の貴族どもに殺されてしまったんだ。ただ、アスターク家の血が流れていると言う理由だけで」



 そう、私がパパから聞いた話ではパパの両親、つまり私のおばあちゃんとおじいちゃんは昔この国の貴族に殺されたのだ。勿論、おばあちゃんとおじいちゃんは何もしていない。ただ、アスターク家の血が流れていると言う理由だけだった。



 それでパパも殺されそうになったがおばあちゃんとおじいちゃんにより逃げる事が出来た。逃げた先で出会ったのがママなのだ。



 ママの両親は優しい人でパパにアスターク家の血が流れていると知っても変わらず接してくれたそうだ。だけど、貴族はそれすらも許さずママの両親をも殺したのだ。



 パパとママは逃げたのだが捕まってしまう。しかし、その時ママは空間属性の魔法、転移を使いパパと二人で逃げたそうだ。



 そして、パパとママは貴族達の目から逃れて隠れながら暮らしていたのだ。



 これがパパの復讐の理由。



 でも、やっぱり、私は……シエルを……



「ふぅ……ルネ。前は良い子だと思ったんだがな」



 私はパパにより眠らされてしまった……

改訂済み


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