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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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久方ぶりの復讐者

「タカシ様。朝ですよ」


「んぅ……朝か」



 エレノアが寝ていたタカシを起こす。タカシは朝に弱いのかまだ寝ぼけている。



「タカシ様! 今日は初のAランクの依頼ですよ!」


「んあ……?」


「もう早くしてください!」



 タカシが完全に寝ぼけている為エレノアが大声を出す。エレノアの大声を聞いてようやく覚醒するタカシ。



「うおっ……」


「さあ、準備してダンジョンに向かいますよ! 今日の依頼は学生達の監督員兼護衛なんですから!」



 エレノアの言う通り彼の今回の依頼はアルツェイルの学園生の護衛。護衛すると言ってもメインはダンジョン探索をする生徒達の監督員だ。



 タカシはエレノアに言われて準備を始める。準備と言っても着替えるだけに過ぎないが。エレノアはタカシが着替えてる間に朝ごはんを作る。



 着替えが終わりタカシはエレノアの作った朝ごはんを食べる。朝ごはんを食べ終えるとタカシとエレノアは指定されていたダンジョンへと向かった。



 タカシ達が指定されたダンジョンの前には既に学生と冒険者達が集まっていた。その中には、当然ショウも含まれている。



 ショウは自分の仕事を果たそうと、シエル達の所へと向かう。その前にショウは正体をバレないように覆面を被る。前は仮面だったので壊れると素顔をが露見してしまうので、今回は念を入れて覆面なのだ。



 ショウはシエル達を見つける。他にも冒険者達が自分の割り当てられたパーティーの元へと向かっている。早速、ショウもシエル達の元へと合流する。



「待たせたな……」



 なるべく正体を隠そうと声を低くしてシエル達に声をかけるショウ。心の中では渋い声の冒険者を演じているつもりだ。



「……貴方が私達の監督員なのか?」



 ファラが怪しい者でも見るかのようにしてショウに尋ねる。ショウの格好はローブに覆面だから、怪しい者としては充分だ。



「この覆面は俺の顔の傷を隠してるんだ。あまり人前には見せたく無いのでね」


「そう……ですか」


「変な覆面……」


「まあ、俺は誰が来ようと関係無いがな」


「キースさん。凄いですね。どうやったらそんなに自信が溢れるのでしょうか」



 キースは自信満々にしていてシエルはそんな様子のキースに驚いている。しかし、本当にどこからそんな自信が溢れるのだろうか。



 ダンジョン攻略まで時間があるのでショウは一言入れてからその辺を散歩することにした。すると、ショウが散歩していると以前ギルドで軽く話をしたエレノアを見つける。



 しかし、それよりもエレノアのすぐ近くにいるタカシがショウは気になって仕方が無い。エレノアが言っていたご主人様がタカシと知ったらショウは嫉妬に怒り狂うこと間違いなし。



「どうも、久し振りです。エレノアさん」


「えっと、どちら様でしょうか?」



 ショウはエレノアに挨拶をするが覆面をしているせいでエレノアはショウだと分からない。その事に気がついたショウは覆面をとり素顔を見せる。



「あっ、ショウさんでしたか。お久しぶりですね」


「どうも……」



 ショウだと分かったエレノアが頭を下げる。その横にいたタカシも頭を少し下げて挨拶をする。なるべく、顔を見ないようにしているが。



「あのエレノアさんの御主人様ですよね?」


「はい。こちらにおられる方が私の御主人様のタカシ様です!」



 エレノアが嬉々とした様子でタカシを紹介をする。ショウはタカシをじっくりと観察する。以前と姿が変わっており別人と言っても過言ではないタカシをショウは注意深く観察するが答えは出ない。



「どうかしましたか?」


「あっ、いや、なんでもないです」


「そうですか?」


「ああ」



 唯一同じ点があるとすれば、黒髪黒目という部分だけだ。それ以外は全くの別なので別人だろうとショウは判断を下した。



 間違った判断を下したショウはエレノアとタカシの二人組みと別れるとシエル達の元へと戻って行った。



 ショウが戻ったタイミングでシエル達のダンジョン攻略が始まる。



「しゃあ! やるぜぇ!」


「眠い……」


「ルネさん、これからですよ」


「まあ、気を抜かずに行こう」



 出発する四人。それに着いて行くショウ。軽快に進んでいく四人とは裏腹にショウは胸がざわついて落ち着かない。



 先程、出会ったタカシが気になっているのと、このダンジョンで何か良くないことが起こるのではないかと嫌な予感が止まらないショウ。



 嫌な予感というものは大体が当たるものだ。

改訂済み

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