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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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いよいよ明日

「あっはっはっは! 散々だったな、まさかこのクラスにもファンクラブがいたなんてよ」


「他人事だからって笑いやがって!」


「だってしゃーねえだろ? 面白い物見れたんだからよ」



 昼休みとなりキースは開口一番に笑い始めた。原因は俺がファンクラブにまた襲われたからだ。



 キースはあの時女子達に囲まれて動け無かった為に見ていることしか出来なかった。その為あの三人が俺の所に近寄っているのをただ見てただけらしい。



 せめて、一声かけて止めろよ!



「ショウさん、すみません! 私全然気付かなくて!」


「ああ、いいよ。別に大した事はなかったから」



 シエルが謝ってる理由は、あの時ミカエルに魔法を教えてもらうのに夢中になり周りが全く見えていなかったらしい。まあ、目が見えないから見えないのは当たり前なんだが。



「チッ! ボコボコにされれば良かったのに」



 ミカエルは気付いてたのだが俺が襲われると分かって無視をしたのだ。



 相変わらずですね。



「………」


「せめて、何か言おうよ!」


「???」


「てか、それ俺のコーヒー牛乳だよね!?」


「美味しかった……」



 ルネはいつの間にか奪っていた俺のコーヒー牛乳を飲み干していた。誰も感想など聞いてはいない。



「フフッ。君達を見ていると面白いな」



 俺達のやりとりを見て急に笑い出すファラ先輩。昼休みになったので教室に来てここまで着いて来たのだ。



 誰のせいでこうなったと思ってるんだよ!!


 あんたのファンクラブの連中に俺は命を狙われてるんだぞ!?


 何を悠長に笑ってやがる!!



 と言いたいが別にこの人自体に罪があるわけでは無いので何も言わない。いや、やっぱり存在が罪だわ。



「そう言えば明日だな」


「明日なんかあったっけ?」



 突然キースがおかしなことを言うので聞き返すと他の四人が驚いていた。



 えっ、えっ、なになに?


 俺変な事言った?



「明日はダンジョン探索があるんですよ? 忘れたんですか、ショウさん」


「ああ、そういやそうだったな。でも、俺は関係無いじゃん」


「ずるい……」


「ル、ルネさん……」


「ふむ、そうか。ショウは確か参加しなかったな。まあ、明日は一人学園で留守番か。頑張りたまえ」



 留守番ではなく貴方達の監督員なんですけどね。


 まあ、そんなこと口が裂けても言えないけどね!



「そう言えば今回のダンジョンはどれくらいのレベルなんですか?」


「確か40前後だ」



 シエルの質問にファラ先輩が答える。ふむ、それくらいならこのメンバーだと物足りない気もするが大丈夫だろう。



「へえー40か……へへっ、腕がなるぜ!」



 キースが調子に乗っているようだが、まあ、生徒会長もいることだから安心してもいいだろう。それにいざとなれば俺も助けるし。



 昼休みが終わり教室へと帰る。午後の授業は寝ようかと思ったが戦闘訓練だったので寝れなかった。それといつも以上にキースとルネが張り切っていた。勘弁してほしいものだ。



 明日のダンジョン探索が楽しみでしょうがないらしい。その為俺はいつも以上にコテンパンにやられた。



 授業も全て終わり屋敷へと帰る。いつものようにアニスさんが迎えに出ていた。夕食まで時間があるので修行を行う。ちなみに、武神を封印していても武神を解放している時とある程度同じ動きが出来るようになって来た。



 なんか分からんがこの世界での成長率が半端ない。別に問題は無い。むしろ都合が良すぎて怖い。でも、まあ、良しとしよう。



 考えないようにする!!


 それが一番だ!!



「何を考えてんだ?」


「だからなんでお前はそんな突然に現れんの?」


「俺様は神出鬼没だからな」


「ああ、そうかい! で、今日はどこいってたんだ?」


「街を散歩してた」


「ふーん」


「いやー、雌猫が盛って来て大変だったんだよ。まあ、俺様は相手にしなかったがな」


「……」


「なんだその目は? 嫉妬してんのか?? ん?」


「誰がするか!! 猫相手になんで嫉妬なんかしなきゃいけねえんだ!!」


「はっ! どうだか。それより……」


「ん?」


「お前誰狙いなんだ? あのお嬢様か? それともあの無表情女か? まさか生徒会長か!?」


「何を言ってんだ! ………そうだな欲を言えばみんなと付き合いたいな」


「ふむふむ、ハーレム狙いか。お前に出来んの?」


「う、うるせー!」



 結局夕食までクロとくだらない事ばかり話していた。夕食の時間になったので食堂へと向かった。


 食堂へと行くと珍しくセイジさんとジェーンさんの二人がいなかった。食堂にはシエルとミカエルさんの二人が座っていた。



 珍しいな……



「どうしたんですか豚野郎? 早く座ったらどうです?」


「そうですよ。これ以上シエル様を待たせるようなら貴方を丸焼きにしますよ」


「あら、良いですね。私も手伝いますよ」



 この二人は本当に仲良いよね。


 しかし、俺を罵倒しないといけないルールでもあるのか?



 夕食が終わり物置へと戻る。面倒なので早く寝ることにしよう。下手に夜更かしなんてしていたらアニスさんに何を言われるか分かったもんじゃない。



「おい、寝ないのか?」


「ん? いや、うん、寝るよ」



 ……明日はダンジョン探索か。


 なんともありませんように……


 お願いします神様。


 それと彼女もください。

改訂済み

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