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アホで不憫な彼は異世界で彼女を作る為に奔走する  作者: 名無しの権兵衛
第四章

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久々の依頼

 久々にギルドに行きたいと思います。そう言うわけでシエルに休日を貰いギルドへとやって来ました。



「ほう、ここがギルドか」


「ああ、久々に来たよ」



 俺はクロを連れて来ている。まあ、俺の使い魔だから連れて来るのは当たり前なんだが。さて、アルツェイルのギルドはどんな依頼があるのだろうか。



 ざっと見た感じ流石、商業国と言わざるを得ない。商人の護衛、商品の配達、商品の入手などなど。ほとんどが商売の手伝い。



 討伐とかのは無いんかなぁー?



「あのー?」



 ん?


 誰や?



 振り返って見るとエルフの奴隷がいた。



 俺になんか用なのか?



 多分俺ではないな。俺は再び依頼が貼ってある掲示板を見ていると、またエルフの奴隷に声を掛けられる。



「あの、すいません?」



 今度は肩を叩かれる。どうやらこのエルフの奴隷は俺に用があるみたいだ。



「なんですか?」


「その首輪って奴隷の証ですよね?」


「そうですよ。貴方もしてるじゃないですか」


「えっ、ああ、はい」



 何を訳の分からない事を言ってんだ??



「主はどこに居るんですか?」



 主?



 ああ、そうか。このエルフの奴隷は俺に主がいないから不思議に思って声をかけて来たのか。納得の理由である。



「主は屋敷に居ますよ。俺は一人で依頼を受けに来たんです」


「俺が主だ」


「嘘付け!」



 俺はエルフの奴隷に主は屋敷にいると説明していたら急にクロが口を挟んで来た。しかも、主は自分だと嘘をついて。



「えっ、そうなんですか?」



 しかも信じてるし……



「膝まずけ。奴隷共」


「何様じゃ、くそ猫が!」


「てめっ! またクソ猫言ったな!!」



 俺とクロが言い争いを始める。エルフの奴隷はそれを見てクスクスと笑っている。



「仲が宜しいのですね」


「良くねえよ!!」



 俺とクロの声が重なり仲が良いと言う事実を否定する。俺とクロが大声を出した事によりエルフの奴隷は驚いていた。



 てか、この人なんで俺に話し掛けて来たんだ?


 確かに主がいない奴隷は珍しいけどさ。


 どうして俺なんだ?



「あの、なんか俺に用があるんですか?」



 疑問に思った俺はエルフの奴隷に尋ねてみる。すると、エルフは戸惑う仕草を見せる。



「えっと、その、貴方が似てたんです。私の御主人に……」



 俺がか??


 俺に似てるってどの辺がだ?



「俺に似てるってその御主人様と俺はどこが似てるんですか??」


「髪の色です。それと雰囲気ですかね」



 髪の色?


 ということは、この人の御主人様は黒髪なのか?


 でも黒髪はこの滅多にいない。いや、むしろいない。それなのに、黒髪なのか?


 もしかして、クラスメイトの奴か??


 いや、でも、こんな所まで来れるような奴は居ないしな……


 じゃあ一体誰が??


 染めているのか??


 わかんねえな……



「その御主人様の名前って聞いても良いですか?」


「御主人様の名前ですか? タカシ様です」



 タカシだと……


 ………もし、俺の予想が当たってるなら、この人の御主人様は福田隆史だと言うのか!?


 じゃあ、隆史くんは生きているのか?


 でも、どうやってあのダンジョンを一人で脱出したんだ?


 彼のステータスなら不可能な筈だ。


 いや、待てよ……


 もし、彼が何らかのチートを持っていたなら?



 その可能性は大いにある。彼が物語で言う復讐者ならば圧倒的なチートを持っている。そもそもテンプレな展開が多く存在しているこの世界ならあり得る。



 いや、考え過ぎか……?


 たまたま同じ名前なのかも知れない……



「あの、どうかしましたか?」


「いや、少し考え事をしてました」


「そうですか」


「良かったら貴方の名前教えてもらえないですか?」


「はい。私の名前はエレノアと言います」


「ありがとうございます。俺の名前はショウです。それでこっちの猫がクロと言います」


「クロ様と呼ぶように」


「よろしくお願いします。ショウ様、クロ様」


「俺は様なくて良いよ。こちらこそよろしくエレノアさん」


「はい!」



 俺とクロはエレノアと別れると依頼を受けに行く。俺達が受けた依頼は商売の入手、指定された魔物の討伐だ。



「何を狩りに行くんだ?」


「砂漠にいるサメだ」


「てことは、ヴュステシャークか」


「なんだそりゃ?」


「そんなんも知らねえのか? ヴュステシャークは砂漠に生息するサメだ。今回の依頼の魔物の名前だ」


「ヘェ~、よく知ってんな」


「俺様はこの世界に生命が生まれた頃からいるって言ったろ。だから、ほとんどの魔物の情報を知っている」


「マジか! 超便利じゃん!」


「フハハハハ、敬えよ俺様を!」


「ハハァー、クロ様ー」


「フハハハハハハハハハ」



 俺とクロはこんな風な調子で砂漠へと向かった。砂漠へと着くとクロは俺の服の中へと隠れた。なんでも毛に砂が絡み付くのが嫌だからと。



「さて、ヴュステシャークはどこに居るんでしょうか!?」


「あいつら音に敏感だから何か音が出るもの投げたら出てくるぞ」


「了解!」



 早速俺はスタングレネードを遠くの方へと放り投げた。



「クロ、耳塞いどけよ!」



 俺はクロに忠告すると自分の耳を塞ぐ。すると、スタングレネードが爆発したようで閃光と激しい音が砂漠に響き渡った。



「耳がキンキンするぞー!!」



 クロが服の中で喚いてる。そう言えば、猫って耳が結構良かったと聞く塞いでても聞こえるのか。



 音のした方を振り返って見て見るとそこには茶色のサメが浜辺に打ち上げられたかのようにピクピクと横に倒れていた。



 どうやら先程のスタングレネードが効果抜群だったのだろう。俺は早速ヴュステシャークを殺す。ヴュステシャークを殺した後はゆっくりと目的の肝を探す。



 うへぇっ、気持ち悪りい。



「クロー。どれが肝なんだー?」


「そ、それだ。今お前が触ってるのだよ!」



 クロはまだ耳が回復していないのか耳を抑えながら肝を教えてくれる。俺は依頼の肝を三つ取るとヴュステシャークを異空間に放り込む。



 これで依頼終了かな!

改訂済み

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