最高の出会いで最悪の人生進路
『んん?あれ・・・ぼく・・・』
「よぉ、きずいたか?ったく2日も寝やがって。おめぇのせいで俺の大事な休日が台無しだぜ。ったく、俺も碌でもないもん拾っちまったもんだよ」
誰?この人。ぼくが起きたそばからぼくの悪口とか・・・・しかもタバコの煙かけないでよ!!病人(病猫?)に向かってとか・・・絶対良くないとぼくは思うよ!?
「ニャァー!ニィーァー!!(やめてよ!ぼく病人だよ!!)」
ぼくが不満そうに訴えると、その人は不機嫌な様子を隠そうとなんかしなず。
「あぁ?何か不満か?誰がお前の命救ってやったと思ってやがる。大いに感謝しろむしろ、その場でひれ伏せ」
っむ!確かにベッドに寝かされ(ただしものすごーくボロボロの)ベッドの脇には、何かの薬草の料理(ただし・・・これは料理と言って良いのだろうか?)が置いてある。しかし、ひれ伏せとは・・・猫に出来るわけがないだろう!!ニャ!?に、睨まないで、おねがいだから・・・!
「それに、おめぇの身体にこびりついていた血も落としといたかんな。感謝しろ」
な、何この人・・・意外と優しいんだ。でも最後の言葉はいらないよ!!黒いんだよ!!
その時グゥ~とぼくの空気を読まないお腹の虫が部屋に響いた。
カァーとぼくの顔が熱くなっていくのにきずいた。
(うぅ~ぼくのお腹のバカァ~!!あの人すごくニヤついた顔でこっち見てるよぅ~!!あぁ、毛皮が在ってホント―によかったよ赤いのばれないからね・・・!?)
目の前を盗み見るとすごく悪そうな(真黒い笑)顔で話しだした。
「あ~やっぱお前、猫だと会話成立しねぇーし、からかって反応見るのもおもしれぇけどよ、やっぱり・・・・」
ニヤリと笑いながら
「人間の方がいいよなぁ~おめぇ的にも」
そういうと目の前の男が指先に光(魔力と言うらしい)を集め始めた。
「おめぇは何でか知らねーけど猫のくせして魔力持ちだからな。この術ぐらいは効くだろーよ」
そういうと男はぼくにその光を向けてきた。
瞬間、ぼくの身体は温かい光に包まれた。
するとぼくの視界がどんどん高くなり、ついには座っている男を見降ろすかたちになってしまった。
「え??えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」
白銀に包まれていたぼくの手はそんな面影さえなく色の白いモチモチの肌に五本の指、顔を触ってみると絶対的に猫の時のような形ではなく、
あえて言うのであればそう、目の前の男と似たような形なのだ。
しかも決定的な事にさっき発したのは、人間の話す言葉と声になっていた。
「って!う、うわぁ!?」
うん。転んだんだよ!だからそこ!!笑わないでよ!?
目の前の男は笑うのを必死にたえていた
ねぇ、それって笑われるより痛いよ!!主にぼくの心が!!!
あぁ、そういえばなぜ転んだかって?そんなの、きまってるじゃん。
ぼく、今まで四足歩行で歩いていたのにいきなり二足で歩けるわけないじゃん!
ようやく、笑いが治まったのか涙をぬぐいながら話しかけてきた。
「おい、小僧。おめぇ名前は?俺はエザート、魔術師だ」
「むっ!名前は・・・ない」
ぼくが答えると男、エザートは一瞬考えるそぶりを見せるとこう告げた。
「ならお前の名前は今日から【リューク】だ」
名前を聞いた瞬間、胸に足りなかった何かが入ったような感覚と、身体が何かに満たされたような温かい感覚が起こった。
「どうやら、気に入ったみてぇだな?証拠におめぇの身体が魔力に満たされた」
どうやら、温かかった感覚はこれだったようだ。
エザートは新しいタバコに火をつけていた。
「おじさん!!名前ありがとう!!」
「あぁ??誰がおじさんだぁ??おい、猫ガキもう一ぺん言ってみろ?そんときはしばいてやるからな」
ひ、ひぃ!!すいやせんしたー!!あにきーーー!!!
「あぁ、それと。これからみっちり、しばいてやるよ」
っえ?これから??ってしばく気、まんまん!?
「あの~、これからって??」
「つまりはだ、おめぇは今日から俺の下ぼk・・・弟子だ」
こ、この人今下僕って言おうとした!?
っていうか、えぇぇぇぇぇーーーー!?
いや~新キャラでましたね~
ちなみにエザートの見た目はまたの機会にかきますね。
ここまで読んでいただきありがとうございました!!