次の進路・・・どうしよう
あの後、メディウム家の家令さんはアリスさんの遺体を抱きかかえながらこちらを憐れむように見ていた。
ぼくの耳にははっきりと、あの豚当主が家令に向かってぼくを始末するよう命じていた。
でも家令さんはぼくを見逃してくれるようだ。
ぼくがじっと家令さんを見ていると、何を思ったのか声をかけてきた。
「あなたも不運でしたね。もうここには来ないほうがよろしいでしょう・・・あなたのためにもね・・・」
そういい残すと家令さんはアリスさんを抱えて屋敷の裏口へ消えていった。
確かに、家令さんの言うとおりここからは立ち去った方がいいだろう。
ぼくの為にも、この屋敷の使用人さんたちの為にも。
『次にここに来る時は、お前に地獄を見せる時だ』
屋敷を見据えながらつぶやくとぼくは一度も振り返らず、その場を離れた。
† † † † †
ぼくはあの日から何日歩いたかと、ふと思った。
ぼくはとにかくあの国(豚のいる国)に居たくなかった。
皆からしたら、逃げだした、弱い、臆病者って思うだろ?
うん、ぼくもそう思うよ。
ただ言い訳を言うとしたら、あの国(国の名前は知らない)にいたらアリスさんの事を思い出してしまって泣いてしまいそうだったんだ。
それに、あの場所は中級貴族街だったみたいで、アリスさんの返り血を浴びたぼくは貴族から見たら化け物にしか見えなかっただろう。
あぁ因みに、ぼくの見た目は白銀の毛並み(しかも、アリスさんからもらったご飯のおかげで艶まで・・・汚れはともかく)に、スカイブルーのくりくりの目(いいでしょ~・・・・ニャッ・・・い、石、投げないで・・・)で、身体はちっさめ(気にしてるんだから鼻で笑わないで~!!)まぁ、そんなとこかな。
でも、自分ではまだ自分の姿見たことないんだ~(鏡は高価なものだからアリスさんは持っていなかった)アリスさんが言っていた。奇麗な目と毛並みをしているって・・・あぁダメだなぼく。アリスさんの事考えすぎだよ・・・・目から汗が出てきたじゃないか~。
心の中で誰と話しているのか、自分でもわからないけど・・・そろそろ、ぼくも限界かも・・・・
三日間飲まず食わずで、そのうえ寝ずにずっと歩いていたからな~もう心身共に疲労で倒れそうだよ・・・・このまま、ぼく、死んじゃう、のかな?
でも、嫌だな~・・・アリスさんの、かたきも・・・取れないまま、死んじゃうなんて・・・・
そのときパタンという小さな音が聞こえた。
『あ、あれ?足が、動かないよ・・・・あぁ、今の音、ぼくの倒れた、音・・・かぁ・・・本当に・・・・ばか、だなぁ・・・ぼくってば・・・』
ぼくの意識はそこでとぎれた
† † † † †
「ん?何だ?この猫は・・・」
主人公(主猫公?)独り言多いですね
あ、それと主人公の名前はそのうち決まる予定です!!
それに、最後の人物・・・・うぷぷ・・・(←不気味ですね・・・)
最後になりましたが
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!!!