混乱
結局、師匠にぼくの四分の一以上は食べられたよ・・・。
それに師匠、
『これからお前は、修行に加え料理の事を学んでもらう。料理は一週間以内に基本は覚えろ。いいな?これが出来なかったときわぁ・・・・・」
思い出しただけで震えが・・・・・・(汗)。あの時、師匠の後ろに禍々しい気配という名の圧力が半端なかったよぅ(泣)。
そんなわけで、これからは修行(肉体的疲労)に料理の勉強(精神的疲労)が加わるわけか・・・・・。
なんだろこれ。ぼくの苦労がプラス五割くらい増えるってこと!?
ん?【プラス五割】??
押し込めたはずのモヤモヤがまた・・・・・・。
《―――――て――――まだ――――だめ!!》
懐かしい声・・・・・・・
!!
なに、今の・・・。
懐かしいってなに??
ぼくは、こんな声、知らないはずだよ・・・。
男?女?誰の声??こんな透き通る奇麗な声、聞いた事なんかないよ!!!
頭の中に流れた・・・・・??
ぼくの記憶??
いいや、ぼくは知らない。
頭が痛くなる・・・・!!
こんなあやふやな声に!!
なに!?考えても分からない。
「おい、どおした??」
師匠の声が聞こえた気がする・・・・。
早く返事しないと、師匠怒るよな・・・・・。
―――――ポンッ
え?
理解するのに数秒かかってしまった。
だって、師匠が、あの師匠が、ぼくの頭、撫でてるんだもん!!
「し、師匠?」
ぅわぁ~~声ひっくり返っちゃった!
「っふ――――もう大丈夫そうだな」
師匠は微笑をしながらぼくの頭から手をどけた。
師匠の手、温かかった。
ぼくはタバコの残り香を吸いながらふと思い出した。
あたまが痛くないと・・・・。
師匠を見るともう亜空間から取り出したのか、先程まではなかったお酒を飲んでいた。
出会って数日しかたっていないけど、見慣れた師匠の姿に安心をおぼえる。
「にしても師匠~。さっきは師匠らしかぬ行為でしたねえ~。っは!もしかして偽物!?おのれ、偽物め!!師匠はそんな人に優しさを見せる人ではないと分かっているんだ!フはは!師匠の研究ぶそくだった、な、あ――――ヒィ!!」
「おい、あんまチョーシに乗らない方が身のためだぞ猫ガキ」
「すすすす、すみません!あまりに師匠が優しいものでつい・・・・!!」
っば!と頭を下げて謝ってから顔を上げると、師匠の顔がお酒のせいか、はたまたぼくのいった言葉の中に照れる要素があったのかは分からないけど、師匠の顔がほんのり赤くなっていた。
ぼくは多分、後者だと思う。だって、師匠、お酒に強いらしいもん。
師匠は本当に照れ屋だとぼくは思った。
ここまで読んで下さりありがとうございました。