一ノ刻 追憶
20XX年9月20日。
CERO:B(12才以上対象)
プレイヤー人数:1人/貴方と共に生きるAVG。
対応機種:PSV。
【思慕の花】という名の女性向け恋愛AVGが発売された。
あらすじ。
時は平成。
平和な世界で生きていた日本人の女子高生――木野宮苺。
彼女はある日、エルニカという世界にトリップしてしまう。
ザフィーアという大国に属する辺境の地にて、目覚めた彼女が目にしたのは、見知らぬ光景。
運良くも苺は、優しい老夫婦に保護され、小さな村で自分の居場所を得るのである。
月日は流れ、苺は優しいこの村の人たちのためにと、日本で培った知識を使って次々と新しいモノを生み出していった。
やがて、その噂が王都にまで届くことになる。
当時の国王陛下がその噂に興味を持ち、苺は王宮に呼ばれたのだった。
廻り出した運命の歯車。それは、誰にも止められない――。
『一の刻 追憶』
【思慕の花】と呼ばれるゲームは、多くの者達によって生み出された。
“共に生きる”というテーマのもとで創り出されたゲーム。
物語を執筆したのは、新進気鋭として注目を浴びていた橋都乙矢氏。
彼のデビュー作は、情景描写がとにかく美しかった。
それはまるで、美術館に飾られた水彩画のように淡く綺麗な世界。
勿論心理描写もその後についてくるのだが、それよりも美しく描かれた情景が人の心を惹きつけた。
その彼が描いた世界観は、ゲームが発売される前から注目されていた。
何せ、音楽・キャラクター・背景は申し分ないのに、どうしても質の落ちたシナリオにがっかりするプレイヤーが、その当時どれだけいただろう。
そんな中で現れた橋都氏の存在。注目度No.1になるのは仕方のないことだったのかもしれない。
さて、シナリオが綺麗な世界観を創り上げたのなら、更に人を惹きつける音楽と背景が必要だった。
いかに物語の雰囲気を壊さず、この世界を更に拡げるか。
そこで目についたのが、当時子供から大人まで幅広い年代で楽しめるRPGソフト“ソニア”の音楽を担当した光田文彦氏。
彼によって生み出された音色によって、更に彩られた世界。
心に沁みいるその音は美しく、思わず涙が出てしまいそうな程、心を震わせるものだった。
そして、忘れてはならないのが背景である。
アニメ界で活躍している大棟作馬氏。
彼の背景は、最早実写に近く、透明感に溢れるものであった。
だが、実写のようでいてそれでもアニメなんだと思わせる手腕は、圧巻の一言に尽きた。
最高の舞台が揃い、あとはキャラクターたちがその舞台に立つだけとなった。
原画を手掛けたのは、新人の麻望泪氏。
沢山のベテランを差し置いて起用された新人だ。
彼女は、この世界に溶け込むような繊細な色使いで、魅力的なキャラクターたちを見事に描き上げ、豪華声優陣によって命を吹き込まれたのである。
噂によると、この世界観を崩さないために全ての原画を彼女の手によって彩色されたと聞く。
それが確かなのかは分からないが、彼女の持ち味を壊さず、この世界に馴染んでいる彼女たちの姿が見られただけでも価値があるというものだ。
こうして多くのクリエイターたちのもとで創り上げられた【思慕の花】
プレイヤーたちがこぞって好評し、感想を書き込んだそうだ。
ただし、人それぞれ好き嫌いというものがあり、大半の人が良作だったという中で勿論低評価を下した人もいる。
それは、仕方のないことだろう。
* * *
木野宮苺が、異世界トリップを果たしてから月日は流れ、彼女は自分に手を伸ばし、居場所をくれた村の人たちに感謝する。
自分が彼らの役に立てればと、日本で生きていた頃の知識を披露し、次々と新しいモノを生み出していった。
それが、彼女の運命を、もう一度狂わすとも知らずに。
やがて、ザフィーアに彼女の噂が広まることとなる。
噂を聞きつけた時の国王が、斬新なモノを創り出す少女を王都に呼び寄せたことでこの物語は動き出す。
攻略対象者:一覧
名前について。
家名・爵位・名と続くが、王族は爵位のところに必ず“ギアス”と入る。
平民は、爵位がないので、家名・名となる。
①ザフィーア・ギアス・ロンデリック。
(ザフィーア王国において王子という身分)
②ザフィーア・ギアス・ホルテ。
(現国王の弟)
③オロモンド・J・シュアー。
(公爵家。ケニーとは双子)
④オロモンド・J・ケニー。
(公爵家。シュアーとは双子)
⑤ゾステス・A・リュート。
(伯爵家。蒼の騎士団所属。苺の護衛に就く)
⑥アーサイブ・ハーツ。
(城下町に暮らす青年。飴の移動販売をしている)
⑦リン。
(隠しキャラ。苺の存在をよく思わない人間に雇われた暗殺者)
キャラの性格は、最近人気が出ているヤンデレ要素は全くなく、よくある王道パターンで構成されている。
好青年や、ツンデレ、腹黒系などに分かれている。
ENDについて。
共通ルート内でのBadENDが数種類。
ノーマルルートでは、帰還ENDと残留ENDの2種類。その内、残留はBad扱いとなる。他、派生Badあり。
個別ルートにおいては、HappyENDと悲恋ENDに加え、ルートの途中で用意された各自のBadENDが数種類。
特殊例ENDとして、オロモンドの双子については、一定の条件を満たせば、双子ENDという特殊なENDが用意されている。
話の構成。
最近では、すぐに個別ルートに入るものもあるが、共通ルート後に個別へと変わる。
ただし、周回を行うごとに選択肢付近以外、がらりと内容が変化するため飽きの来ない作りとなっている。
また、周回をすればするほど、詳しい内容や、男性視点なども追加されていくため、よりいっそうこの世界観に浸れるという。
だが、用意されたシナリオにも限りがあり、全8種類用意されている。
これは、ノーマル、各個人の数だけ用意されており、問題なく進めばという前提のもとで作られている。
この物語において制限は、隠しキャラのリンと特殊ENDを持つオロモンドの双子のみ。
条件は、ロンデリックとホルテの二人を攻略すること。そこで初めてリンの攻略が解放される。
双子については、初回でも攻略可能。ただし、二人の攻略が終わらない限り、双子ENDは解放されない。
解放後、追加された選択肢で「二人と共にいる」と選ぶことで双子ENDへと向かう。
ヒロイン設定内容。
ヒロインフェイス表示:ON/OFF。
ヒロインCv:ON/OFF。
デフォルト名呼び。
※名前変更にて、デフォルト名を使用した場合、その名前で攻略者たちは名前を呼んでくれます。
以上。
自分の好き要素と、希望を詰め込んでみました!
ただし、シナリオ面については、ハードル上げすぎちゃってますが、何もそのシナリオを自分が書くわけじゃないので、理想だけを詰め込んでみました(爆)
いや、だって無理だから。自分には無理すぎるから。
だもんで、次の本編からは、いつも通りの自分のぐだぐだ展開でいきます。
実際、ゲームの内容とは違う方向性で爆走する予定なので、まぁいいかな、と。