第一ゲーム
すみません。残酷な描写があります。苦手だという方は、お控えいただきますようお願いします。
ドアの向こうには一面、野原が広がっていた。ただ見ただけでは、ただのきれいな草原だ。私も心が安らかになった。でも、これはMrダイが仕掛けているゲームだということを思い出す。
「何もねえじゃん。ここでどうたたかえってんだ」
「これから来るんじゃねえか」
冬樹の声だ。なぜか少しくもってた。
「おい、お前ヘルメットかぶってんだな。そんなもんあったか?」
拓納が怪訝そうに言った。
「あったぜ。隅の方にあったから、きずかなかったんだな」
冬樹が、勝ち誇ったように言った。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!
その時、急に何かの爆発音のような音がした。地響きが鳴り、近くではじ割れも起こった。
「何だ!?」
冬樹が驚いて叫ぶ。私たちも、身を寄せ合って音がした方を恐る恐る見た。そこには大きな、見たこともない生物がいたのだった。例えるとしたら、熊さんと恐竜とコアラをミックスして3で割った感じ。しかし大きさは半端じゃない。遠目で見ても、50メートルはゆうに超えていると思われる。迫力満点だ。
「あいつと戦うの?」
光は怯えていた。体を小刻みに震わせて、顔をうずめている。
「そうなるね」
私も、足が震えている。
「やるしかないか」
波期が決心したように言う。
「波期」
私は波期の方を見た。
「大丈夫。これはゲームさ。死ぬことはないだろう」
「でも」
「大丈夫」
波期はやさしく言った。私たちが怯えていることはおみとうしのようだ。
「これを使ってみるか」
手に持っていたなにやら銃のようなものを波期は、未知の生物に向ける。
「いけっ!!!」
引き金を引いた。
ビューーー!!
閃光が走り、未知の生物を射抜いた。
グァアアアア!!
耳をつんざくような叫び声があたりに響く。
「やったか」
波期は、未知の生物の方を目を細めて注意深く見る。
「おめでとう」
また、機会を通したMrダイの声が後ろからする。
「これで、第一ゲームはクリアだ」
「第一ゲーム?」
「そう、第一ゲーム。ほんの君たちの小手調べといったところさ」
「小手調べ?」
私は言った。
「これからもっと厳しい試練が君たちを待っているよ。フフ」
Mrダイは、面白そうに笑った。
「じゃあ、第二ゲームへいってらっしゃい」
シュイン!
私たちの体はまたも、どこかの世界へ飛ばされたのだった。