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虎沢家訪問 ②


 さて、少し落ち着いてきたみたいだし、例の件を聞いておこう。


「なあ、そのままでいいから一つ聞いていいか?」

「なにー? 私のスリーサイズが知りたいのー? ゆーき君になら教えてもいいよー」


 めっちゃ聞きたいけど、そうじゃない!

 変な返しをするから、女子から冷たい眼差しが向けられているじゃないか!


「違くて、詩織は筋肉質な体つきって苦手か?」

「ほえー? あー、ゆーき君の体つきのことー?」


 あれ、気づいていたのか?


「知っていたのか?」

「伊達に何度も密着していないよー」


 匂いに夢中で気づいていない、なんて鈍いように思っていて申し訳ない。


「ちなみにゆーき君が筋肉質なのは、別に嫌じゃないから安心してねー」


 表裏の無い笑みに安心する。

 でも俺が、っていうことは他の人は駄目なんだろうか。

 俺だけ許されるのは何故だ。


「だって筋肉の多い人って体温高いんでしょう? つまり汗を掻きやすいから、私の嗅覚だとすっごく辛いんだよねー」


 ああ、そういうことか。

 筋肉質な人の体温が高めなのは俺もそうだから否定しないし、そのせいか汗を掻きやすいのもその通りだから否定しない。

 勿論個人差はあるものの、そうなりやすい傾向なのは確かだ。

 でも汗を掻くと体臭がしやすくなるから、少々変わった嗅覚を持つ詩織にとっては辛いことこの上ないんだろう。


「だけどゆーき君の場合は、ゆーき君自身の匂いとゆーき君の汗の匂いのマリアージュを堪能しやすいってことだから、私としてはむしろ嬉しいことだよー」


 そうまで匂いにこじつける思考が凄いよ。

 まさかそうやって匂いのマリアージュに繋げるとは思わなかった。


「そーゆーわけだから、気にせず鍛えていーよー。私にやらしー目を向けてくる、嫌な臭いがする男の人達を蹴散らすためにもねー」


 格闘技をやって鍛えているわけじゃないから、蹴散らすのは無理だ。

 だけど詩織に下心を持った男達が近づくのと、俺以外の異性の匂いを受け付けられない詩織が苦しむのは嫌だから、体つきでビビらせるか詩織を連れて逃げることくらいは出来た方がいいだろう。

 ……そう思ってしまうってことは、詩織に対する独占欲を少なからず抱いているってことか。

 コロッといかないよう耐えていたつもりで、耐えられていなかったようだ。

 なんてことを考えていたら教室の扉が開き、次の授業を担当する鬼頭先生が現れた。


「おーし、授業始めるぞ。さっさと席に着け。特にそこの距離感バグってるバカップルもどきは、さっさと離れて席に着け」


 先生、お願いだからもう少し言い方を考えてください。


「えー、まだ匂いのマリアージュを堪能しきっていないから、このまま授業受けちゃ駄目ですかー?」


 詩織も無茶を言うな。

 できるわけがないだろう、そんなこと。


「腕を組んだり抱きついたりせず、机くっ付けて寄り添うくらいなら大目にみてやるよ」

「やったー」


 なんで寄り添うのは大目に見るのさ。

 いいのか? 教師という立場的にそれを許していいのか?

 適当で大雑把なところがある鬼頭先生とはいえ、さすがにそれは後で学年主任か教頭に怒られるんじゃないか?

 ああでも鬼頭先生のことだから、「バレなければ怒られねぇよ」、とかなんとか考えているんだろうな。

 実際にそう発言したことが二回ぐらいあるし。

 そんな訳で机をくっ付けた詩織に寄り添われ、匂いのマリアージュとやらを堪能されながら授業を受けることになった。

 お陰で体育後の眠気に誘われることは無かったものの、スンスン匂いを嗅がれ続けたのと、隣から漂う甘い香りでイマイチ集中しきれなかった。

 それでもどうにか授業を乗り切り、詩織が花を摘みに行くのを見送った直後、一人の女子が近づいてくる。


「兎川君、少しいいかしら」

「ああ、いいぞ」


 話しかけてきたのは、入学式に詩織と一緒にいた友人の一人で、名前は藤井(ふじい)小陽(こはる)

 ショートカットに切り揃えられた髪とややツリ目なのが特徴で、真面目そうな顔つきをしている彼女は詩織と小学校から付き合いがあり、あの特殊な嗅覚で苦しんでいるのを放っておけず、周囲の女子を味方に付けて詩織を守っていたそうだ。

 しかもそれを【詩織守護女子団】と命名して組織化。

 この高校へ進学した現在も、上級生を含めた同じ中学出身者の女子達を中心に活動を継続させており、主に登下校や詩織が俺の下を離れている時に詩織の傍に付き、気分が悪くなった時にフォローしたり下心で近づく男達から守ったりしているそうだ。

 あれだけ詩織が密着しているのに男子達からのやっかみが無いのは、彼女達の活動によるものだと、先日に組織の存在と共に藤井から教わった時は驚いたもんだ。

 なお、詩織へ手を出さないという条件付きで、団員ではなく協力者という形で男子も所属しているとか。

 ちなみに、組織的を作って守っているのは詩織に秘密だからくれぐれも気づかれないようにと、恐怖を感じるほど強い圧力を放たれながら笑顔で言われたのは、到底忘れられそうにない。


「詩織のお父さんが(つら)を見せに来いって言った件、それほど深刻に捉えなくていいわよ」

「そうなのか?」

「ええ。詩織のお父さんって、緊張すると表情と口調が怖くなるのよ。大方、娘が良い匂いのする異性を見つけて連れてくるから、緊張したんじゃないかしら」


 あれか、緊張で顔が強張って、どう喋って良いか分からなくてぶっきらぼうに喋って、その結果相手に怖いってイメージを相手に植え付けちゃうタイプか。


「藤井は会ったことがあるのか?」

「小学校からの付き合いは伊達じゃないわよ。詩織の家には何度も遊びに行ったから、おじさんとは何度も会っているわ。初対面の時は詩織や詩織のお母さんに説明されても、すぐには信じられなかったけどね」


 なんでも詩織が小学校に入ってからできた友達が遊びに来るという緊張から、表情は怖いほど強張って口調もぶっきらぼうで余計に怖かったそうだ。

 そう言われると、どんな怖い表情になるのか気になってきた。

 (つら)を見せろ、なんて言い方をされたから和服姿の極道っぽいイメージを持ったけど、どうなんだろうか。


「怖い表情って、どんな感じだ?」

「そうね……。和服姿の極道の親分って感じかしら。実際にそういう人を見たことが無いから、あくまで私の勝手なイメージだけど」


 よし、俺が抱いたイメージそのままだと思っておこう。

 悪い方へ心構えをしていれば、実際に見てもそう怖いとは思わない……はず!


「そういうわけだから、あまり身構えなくても大丈夫よ」

「分かった。情報に感謝する」

「気にしないで。異性を前にしたら毎回不快な顔をしていた詩織が、ようやく笑顔になれる相手を見つけたんだもの。私達【詩織守護女子団】は、詩織と兎川君を影ながら全面的にサポートするわ」


 「ふっ」と笑みをこぼす藤井が頼もしいやら、全貌が分からない謎の組織に見張られているようで居心地が悪いやら、複雑な気分だ。


「ははっ……。そうまで気遣ってくれるなんて、詩織は良い友達を持ったな」


 苦笑しながら少しでも話題を逸らそうと、さり気なく藤井を褒める。


「ふふん、当然よ。それにね、友人として隣で守っているのとは違って、影ながら詩織を守っていて気づいたことがあるのよ」

「何に気づいたんだ?」

「暗躍するのって、とっっっっっっても楽しいなって」


 両手で頬を挟んでうっとりとした表情を浮かべながら、何を物騒なことを言っているんだ、こいつは。


「顔の良さだけしか取り柄のない男子が振られた仕返しをしようとしたら、詩織の見ていない場所で精神的に追い詰めて仕返しする気を奪う。詩織が気に入らない女子達が根も葉もない悪い噂を流そうとしたら、その子達の根も葉もある悪い話を先に広めて居場所を奪う。詩織に下品な目を向けて変なことをしようと企んでいた下種な男性教師は、協力者の女性教師と一緒に証拠を集めて厳格な教頭先生へ報告して信用を失わせて左遷させる。ああ、どれも楽しかったわ」


 そんなことをやってのけて楽しいと言い切り、恍惚の笑みを浮かべる藤井が恐ろしい。

 やべぇ、こいつ思っていた以上にやべぇ。

 もうしかして、【詩織守護女子団】っていうのはこういう奴らの集まりなのか?

 これまでの実績と、男子達からやっかみがないよう動いてくれた成果から、味方であるうちは頼りがいがあるのはよく分かった。

 だからこそ、詩織を悲しませて敵に回られた時のことを考えると恐ろしい。

 好ましく思っている詩織を泣かせる気は無いとはいえ、万が一のことがあったら俺はどうなるのだろうか。


「そういうわけだから、安心して詩織との仲を深めてね」

「あ、ああ……」


 さっきまでは感じていた頼もしさが消えて、不安だけが心の中に残ったよ。

 本当に安心していいのだろうか。

 なにせこっちは藤井以外、誰が団員で誰がそうでないのか分からないんだから。

 「じゃあね」と言い残して席へ戻る藤井を見送り、入れ替わりで花摘みから戻った詩織が近づいてきて密着すると匂いを嗅ぎだす。


「にゅへへへへへへー。ゆーき君がいれば、芳香剤なんていらないねー」


 何と比べているんだ、何と。

 だけどまあ、この幸せそうな様子を見られるのなら、それでいいか。

 こうした賑やかな学校生活を送って迎えた土曜日、事前に詩織から教わった住所へ向けて自転車を漕ぐ。

 俺は自転車通学で詩織は徒歩通学だから、互いの家の距離はそこまで遠くない。

 高校を挟んでほぼ反対ではあるものの、十分に自転車で行ける距離だ。

 時折邪魔にならない場所で止まって地図アプリで確認をしながら到着したそこは、少し古い感じの二階建て住宅。

 スマホで予定の時間十分前に到着したのを確認し、門戸の前で自転車を降りてインターフォンを鳴らす。


『いらっしゃーい、ゆーき君。迎えに行くから、ちょっと待っててねー』


 インターフォンのスピーカーから、詩織の間延びした嬉しそうな声がした。

 ていうか、なんで俺だと分かったんだ。

 あっ、カメラ付きだからか。

 少し待っている間、ふと前日に藤井から言われたことを思い出す。


「詩織の私服を見ても、深く考えちゃ駄目よ」


 あれがどういう意味なのか教えてもらえなかったけど、だからこそ気になっていた。

 一体、どういう私服をしていたら、深く考えるのを避けるべきだと言われるのか。

 若干の不安を抱きながら待っていると、門戸の向こうにある玄関扉が開いた。


「お待たせー」

「ああ、ありが――」


 深く考えちゃ駄目だ。

 前面に大きく「自室警備員万歳」とプリントされた、ややサイズが大きめのティーシャツ姿でいることを、深く考えちゃ駄目だ。


「――とうな。わざわざ」


 僅かな間とはいえシャツに気を取られながらも、どうにか言葉を紡げた。

 ありがとう藤井、お前の助言のお陰で深く考えずに済んだよ。


「お客さんを出迎えるのは、当然のことだよー」


 そう言って玄関から進み出て、門戸を開けてくれる。

 シャツに大きく書かれた文字を除けば、ややサイズが大きめなのにそれを内側から押し上げる胸の存在が分かり、下は太ももの中間ぐらいまでの丈しかない紺のショートパンツで、ふともものむっちり感が視覚から伝わってくる。

 とはいえ凝視は失礼だから、すぐにふわゆる笑顔を浮かべる顔へ視線を移した。


「自転車はどこへ停めればいい?」

「そこに停めてくれればいいよー。それとやっぱりゆーき君は良い人だねー。こことかここから、すぐに目を逸らしてくれたからねー」


 虎沢家のものと思われる自転車が数台停めてある場所を指差した後、右手で胸を、左手でふとももを触れて指摘する詩織に、バレていたのかと少し恥ずかしくなる。


「気にしなくていいよー。ゆーき君になら、ジロジロ見られても気にしないからねー」

「そういうわけにはいかないだろう」

「いいって、いいってー。日頃良い匂いを嗅がせてもらっているお礼だよー」


 匂いのお礼にそういうところを見てもいいって、対価として釣り合っているのか?

 詩織にとっては、同価値と認めているってことか?

 特殊な嗅覚をしている詩織が感じる匂いがどういったものか分からないから、その辺りの判断がつかない。

 首を傾げつつ自転車を停めると、詩織が玄関を開けた。


「さあ、どうぞー。パパもママも妹も待っているよー」

「お、お邪魔します」


 母親と妹さnはともかく、問題は(つら)を見せに来いと言った父親。

 緊張で口調と表情が怖くなると聞いているが、実物を前にしても冷静さを保っていられるだろうか。

 手土産は不要って言われたから持ってこなかったけど、やっぱり持ってきた方が良かったかな。

 いざとなると色々と考えるが、ここまできたらもう出たところ勝負だ。

 玄関から上がり、短いながらも廊下を歩いている間に腹をくくる。


「はーい。ゆーき君、連れて来たよー」


 そして詩織の後に続いて通されたリビングで、ご家族の服装は普通だと思った直後に父親らしき人を見て、腹をくくったはずの気持ちが一瞬で揺れ動いた。

 いやだって、マジで怖いんだもん!

 ガタイが良くて厳つい顔をした人が、憤怒のごとき表情を浮かべてジロッとこっちを見て、堂々と腕を組んで椅子に座る姿は本当に極道の親分のよう。

 もしも部屋が和室で服装が和服だったら、そうとしか見えない。

 緊張で顔がこわばっていると分かっていても、その威圧感に思わず立ち尽くす。


「ほらパパ、緊張しているのは分かるけど、そんな顔を向けたら彼が怖がるわよ」


 隣に座る母親らしき人が、優しい笑みと口調で父親の肩をポンポンと叩く。

 父親とは対照的に落ち着きのある柔らかな口調と表情をしていて、父親が怖く見える分、とても穏やかで優しい人に見える。

 あと、詩織の胸は母親譲りだったのかと思うほど胸がデカいが、ガン見は失礼だから視線をそこから逸らす。


「……」


 テーブルの横側に座る、モサッとした髪の女の子は詩織の妹だろうか。

 俺へ訝しげな視線を向けているが、無表情だからイマイチ心境が読み取れない。

 見た目からすると、小学校高学年ぐらいかな?


「さー、ゆーき君。こっち座ってー」


 母親の正面に座った詩織から、隣の席へ座るよう促される。

 というかそこに座ると、父親と正面切って向き合う形になるんだけど⁉

 だけど他に席は無いから覚悟を決め、一度は腹をくくったんだからと自分に言い聞かせて椅子に座る。

 そして顔を上げて父親を見て……やっぱりこえぇぇぇっ!

 なにこの威圧感、迫力、貫禄!

 本当にこれが緊張しているだけで出せるものなのかっ⁉

 落ち着け、落ち着くんだ、俺。まずはそう……自己紹介だ。


「は、初めまして、兎川悠希といいます」


 会釈しながらの挨拶は、父親からのプレッシャーに負けて声がこわばってしまった。

 大丈夫だ、これくらいなら緊張でそうなったと思われるから、気にするほどでもないはず。


「あらあら、そんなに緊張しなくてもいいのよ。といっても、パパがこの調子じゃ無理もないわね」


 そうなんです、奥さん。だから旦那さんを宥めて、一刻も早くこのプレッシャーから解放してください。


「ゆーき君。パパはいないものと思っていいから、リラックスしてねー」


 それはそれで酷くないか?

 ほら見ろ、娘からそんなことを言われたショックで、怖い表情のまま俯いちゃったぞ。

 もしも擬音が聞こえるのなら、ずーんって擬音が聞こえてきそうなほどだ。


「お母さん、自己紹介されたんだから、お父さんを慰めるよりも先に自己紹介で返すべきだよ。お父さんも、こうなることは分かっていたんだから、さっさと復活して」


 小さく挙手をした詩織の妹が、真っ当なことを言った。

 ただ、言い方が少々手厳しかったから、父親の俯く角度が深くなる。


「あら、ごめんなさいね。では改めまして、詩織の母の虎沢妃奈(ひな)よ。よろしくね」

「妹の虎沢寿梨亜(じゅりあ)です。小六です、よろしく」


 母親が妃奈さんで、妹が小六の寿梨亜ちゃんね。

 寿梨亜なんて少し変わった名前だけど、今の時代からすればおかしく感じない。


「ほら、パパも自己紹介しないと」


 妃奈さんに促され、ずーんとした雰囲気と怖い表情のまま顔を上げた父親が口を開く。


「……虎沢龍泉(りゅうせん)。龍の泉と書き、龍泉だ」


 虎の谷に龍の泉とは、そんな光景を思い浮かべると怖いぞ。

 確か詩織に聞いた話だと、龍泉さんが妃奈さんの姓に入ったんだっけ。

 いわゆる、お婿さんってやつだ。

 当人達が話し合って決めたこととはいえ、なんとも迫力のある名前になったものだな。


「それで兎川君、詩織とはどう? 上手くやっている?」

「え、ええ、まあそれなりに」


 少し匂いへの執着が強い気はするが、ここでそれを言うほど野暮じゃない。


「本当に? 詩織から聞いた話だと、密着されて匂いを嗅がれているそうじゃない。そんなことをされて、気味が悪いとか気持ち悪いとか思っていない?」

「いえ、別に」


 むしろ、そのたびに柔らかい胸をこれでもかと押し付けられ、なんの匂いか分からないけど甘い香りを漂わせているから、そんなことを考えたことはありません。

 でもこんなことを正直に言うと、何を言われるか分からないから口には出さない。

 特に龍泉さん、あなたは本当に緊張しているだけなんですか?

 真正面にいる身としては、緊張によるものだと分かっていても、変わらぬ怖い表情から強いプレッシャーを感じる。

 娘が男を連れて来たのが気に入らない、っていう気分に陥って余計に正直なことを言えない。

 それともこれは、俺がビビっているだけだろうか。


「大丈夫じゃないの? お姉ちゃんに密着されたらおっぱい押し当てられるから、そんなこと微塵も考えていないと思うよ」


 寿梨亜ちゃーん!

 そういうことは思うにとどめて、口にしないのが大人の対応ってものじゃないかなぁ?

 って、子供だった!


「にゅへへへへへへー。それくらい、構わないよー。良い匂いを嗅がせてもらっているお礼だよー」


 詩織は良くともご家族には印象悪いって!


「……」


 ひぃぃぃっ! ただでさえ怖い状態の龍泉さんが、さらに怖く見える!

 顔も真っ赤になっているし、これは本当に怒っているに違いない!


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