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「莔麻、これ捨てようよ」
「お前は少し自分の作品に思い入れを持て」
「え、いや、これ、さくひん?」
「作品だろう。俺をああも騙したのだから」
「それは、そうだけれども」
「大変良く出来ている」
「そうかなぁ…」
「ああ、好きな物、もっと沢山創るべきだ」
「え、莔麻フィギュアとか創っていいのか?」
「よりにもよって俺、なのか?」
「うんっ」
「…、…いいぞ」
「わああ!やったああ!」
「葵」
「なあに?明日のお弁当はおにぎらずでそぼろとーのりーとー」
「違う、これ」
「ああ、イチビ様4柱目」
「またバズってる」
「そうなんだー」
「ああ、すごいな」
「やっぱ莔麻フィギュアだからねっ」
「…これ本当に俺か?」
「そうだけど?」
「俺はこんなに神々しくないだろう」
「イチビは、」
「っ」
「神々しい、それはもう祈りたいくらいに」
「そ、うか、」
「あ、勿論売らない!絶対、やだから」
「それはわかってる」