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第028話 おしゃれ?


「ここだな」


 社長が車を駐車場に停めると、僕達は車から降り、周囲を見渡す。

 そこは豊かな自然が広がっていた。


「マイナスイオンを感じるねー」

「浄化されたにゃ?」

「悪霊じゃないから」

「サキュバスにゃ」


 せめてインキュバスと言っておくれ。


「寒いっすねー」

「まあ、もう12月の頭だしね」


 冬だよ。


「寒いし、チェックインするぞー」


 社長がそう言って旅館の方に歩いていったので僕達も続く。

 旅館はきれいだし、雰囲気も良さげな外観をしていた。


 僕達はそんな旅館に入ると、チェックインを社長に任せて、おみやげ屋を覗く。


「カナちゃんに買って帰ろ」

「タマもメンバーに買って帰ろ」

「俺も家族に買って帰らないと」


 僕達が頷き合っていると、チェックインを済ませた社長がやってきた。


「おみやげを買うのか? でも、帰りにしろよ」

「わかってるにゃ」

「そうですね」

「う、うん」


 買う気満々だった……


「部屋に行こう。エロミ、財布をしまえ」


 僕は出していた財布をポシェットにしまう。


「どうでもいいけど、かわいい財布にゃ」

「そのカバンもですね」


 別にいいじゃん。

 カナちゃんがこれかわいいって言ってたから買っただけ。

 あと、カバンじゃなくてポシェットね。


「ほら、行くよ」


 僕はニャー子とチヒロっちを促し、先に行った社長を追って、歩いていき、部屋に向かった。

 そして、部屋に着くと、席に着き、まったりとする。


「やっぱりなんだけど、こういう時でも座る場所は一緒だね」


 僕の隣にニャー子が座り、対面は社長だ。

 そして、社長の隣にチヒロっちが座っている。

 ファミレスの時とまったく同じ。


「そういえば、そうだな」

「なんかこれが落ち着くにゃ」

「実は社長の家でステーキをごちそうになった時もこの座る位置でしたよ」


 ホントだ。

 思い出すと、確かにこの位置だわ。


「ロリコンビとパパ活コンビだね」

「どちらかというと、やーさんと不良JKにゃ」

「俺をやーさん呼ばわりするな。真っ当な会社だ」

「というか、ロリロリ言ってますけど、だいぶ年上なんだよなー……」


 こら!


「おら、ガキ、温泉まんじゅうでも食ってろ」

「食べるにゃ。デブるにゃ」

「いや、まあ、1つはもらいますよ」


 チヒロっちが苦笑しながらテーブルの上の温泉まんじゅうを手に取り、食べだす。


「よし、場が温まったところで本日のお題を発表しよう」


 僕はパンッと手を叩いた。


「え? 今日もしょうもない話をするんです?」


 しょうもない言うな。

 チヒロっちは黙ってまんじゅう食べてろ。


「いや、議題っていうか、ちょっと気になったことがあってね……」


 実はここに来る前の社長の車に乗り込む時から気になっていた。


「何にゃ?」

「いやさー、君ら、そろそろ女の子の姿にも慣れてきたでしょ?」

「そりゃにゃ」

「さすがに半年近くになりますしね」

「俺は女の子という歳ですらないがな……」


 社長やめろ。

 僕にも刺さったぞ。


「いやね、君らの格好も女の子っぽくなったなと思うわけよ」

「エロミ姉さんは女の先駆者かにゃ?」

「エロミ姉さんは非処女ですから……」

「エロミ姉さんは今日もこんなに寒いのに足をさらけ出す女子力をお持ちだから」


 うっさいわ。

 寒いよ!


「君らの格好もかわいいよ。でもさ、その他がダメ」

「何がダメにゃ?」

「例えば財布。君らのって完全に男物だよね?」


 長財布だったり、折り畳みだったりするが、3人共、黒い。

 僕は白くてかわいいやつ。

 前は就職祝いでもらったアル○ーニの黒い長財布だったけど、ロリには似合わないので変えた。


「昔から使ってるやつにゃ」

「俺も。それにこれ、高かったし」

「僕は財布を買い替えるお金がないです」

「チヒロっちはいいや」


 学生だもんな。


「他にもさー、カバンも男物だよね?」


 僕はそう言いながら部屋の隅に置いてある旅行カバンを見る。


 3人共、黒いカバンだ。

 僕はコロコロ。


「別によくないか?」


 社長が聞いてくる。


「いや、ちょっと違和感があるんだよね」

「ふーん……」


 社長が首を傾げながら自分のカバンを見る。


「エロミ、お前、男に戻る気あるのかにゃ?」

「あるよ。多分、この中で一番あると思う」


 カナちゃんに(以下略)


「女物を買っても男に戻ったら使えないにゃ」

「俺もそこを気にして、買う気が起きない。服はさすがに買うが……」

「というか、消えるんじゃないです? 男物の服とか消えましたよね?」


 低い……

 女子力が圧倒的に低い。


「女子力5のゴミ共だ……」

「53万は違うにゃ」

「もっと行ってそうだけどな。非処女だし」

「変態力は飛び抜けてますね」


 そんな力はいらない。


「買わないの? かわいい下着とか買わない?」

「チラ見せ用のパンツは買うにゃ」


 なんかこれからアイドルを純粋な目で見れなくなりそうな発言だな。


「同じ種類の下着をまとめ買いしたな。見せることもないし」


 社長はひどい。

 社長なんだから高くてエロいのを買えばいいのに。


「僕は普通としか言えません」


 チヒロっちはいいや。

 学生だもん。


「今しかできないことを楽しめばいいのに」

「そういうお前はどんな下着を穿いてるにゃ?」


 僕?


「見る?」


 僕はそう言いながら座った体勢のまま、スカートをたくし上げていく。

 すると、どんどんと僕のふとももがあらわになっていった。


「きれいな足にゃ。エロいにゃ…………ちょっと待つにゃ!」


 ある程度まで上げると、ニャー子が止めてくる。


「どうした?」

「エッチな下着でした?」


 テーブルで見えていない社長とチヒロっちがニャー子のリアクションを見て、興味津々に聞いてきた。


「こいつ……穿いてないにゃ」

「はい?」

「え?」


 社長とチヒロっちが怪訝な顔をする。


「だからこいつ、穿いてないにゃ。ノーパンにゃ」

「えっと……」

「そんな短いスカートを穿いているのに?」


 3人が僕の顔を見てくる。


「最近はほぼ穿いてないね。締め付ける感覚がなくて楽だよ。ちなみに、この前のセーラー服の時も穿いてなかった」


 一応、穿くつもりではいた。


「変態にゃ……」

「調教済み……」

「いや、寒くないんです? 単純にすーすーしません?」

「するね。剃ってるから生えてないし」


 でも、それも一興さ。


「「「………………」」」


 黙るのはやめようよ。


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