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意に反すること
さて、この時奴はどう答えていたか。
まぁ、答えても答えなくても、話は奴抜きで進む。いつもの日常だ。
母「もういい。アタシから話すから。
もしかしたら、気づいてたかもしれないんだ
けど、パパとママ、離婚することにした
の。どう思う?」
“私”「あっそう。」
記憶の通り、“私”はそう一言置き捨てて、席を立とうとする。
「あの、、、」
3人が自分を見る。
気づけば、奴の声でそう発していた。
なんだ、意思に反して声が出る設定なのか?それとも無意識に出てしまったのか?
そんなことを考えていると、二言目を待たれていることにハッとした。
「ええと、、、」
と、言いかけてみた。とりあえず今は意思の通り声が出せるようだ。
「いや、なんでもない。」
結局、何も言わずに食事を終えた。よくよく考えると、自分の記憶ではこのシーンでは何もセリフはなかったはずだ。
何故、あそこで言いかけたのか。何の為に。私にはわからなかった。




