GO!GO! 豪田さん! ~露出狂に肛門が二つ付いていた件~
幼稚園に露出狂が乱入した。
「嬢ちゃん坊ちゃん見たまえ。この素晴らしい裸体を!」
露出狂は園児の前で全裸になった。
「君たちも生命エネルギーを全裸で開放してみないかい?」
「訳のわからないことを言わないでください」
百合組の先生は園児をかばいながら屋内へと退避させた。春先、百合組は幼稚園の庭で昆虫観察をしていた。その矢先露出狂が乱入してきたのだから先生・園児は大慌てである。
「君、ほっぺがなかなかにもちもちしているじゃないか」
一人の女児が露出狂につかまってしまった。
「そんな! 離してください」
先生は叫んだ。しかし連れ去られた女児、鏑木雪子は先生を制して言った。
「いいのよ。これが女として生まれた宿命……」雪子は露出狂を睨め付けて言った。
「ただし、のうのうと帰れるとは思わないことね」
「デュフフフ何を言うかと思えば……。助けは来ないよお嬢ちゃん。お髭でじょりじょりしてあげるねー」
魔の手、もとい露出狂のお髭が雪子を襲う。
ーーそのときだった
「GOOOOOOOOOO!!」
空から張りのある声が鳴り響いた。
「いったい誰なの?」先生は戸惑った。
「奴か」露出狂は舌打ちした。
「豪田さんね」雪子は表情を綻ばせた。
上空から男が降り立った。全身を赤い衣服で身を固めている。
「おい露出狂! その子を放せ」豪田が言った。
「放さないと言ったら?」
「ならば食らうがいい」
男は身をかがめ、両手を顔の前に持っていった。そして左手を握り人差し指を立てその人差し指を握るように右手を添え、また右手の人差し指を立てた。
ーー四郎丸カンチョウStyle
豪田は雄たけびを上げた。そのまま露出狂に突進し、両手を股間へ突き立てた。
露出狂はしかし平気な表情で立っている。
豪田はうろたえた。
「なぜだ」
「ククク、股間を見てみろ」
露出狂の股間には、あるべき象さんがなく穴が開いていた。その穴がすっぽりと豪田の人差し指を掴んでいる。手を抜くと人差し指にねっちょり糞がついていた。
「まさかそんなあなたには……」
「お嬢ちゃんその通りさ。俺には前と後ろに肛門がついている」露出狂が自慢げに言った。
「さてどうする」
「ならばこのまま引き裂くまで」
そう言うと豪田は再度丁寧に前の穴に入れなおし今度は上に押し上げた。
「ぎゃああああ」露出狂は絶叫した。前の穴から一筋の亀裂が腹から胸を通り頭頂部に抜けていく。
「やったわ」雪子は喜んだ。
「いやまだだ」豪田は言った。
露出狂の体の中心を縦に走る亀裂から光が漏れだしてきた。亀裂はゆっくりと広がりやがて露出狂の体は半分に分かれた。中からはお地蔵が出てきた。
「露出狂の本体か!」豪田は言った。
「その通りだ豪田。私はすべてをさらけ出し新たな高みに到達したぞ」
「なんてこった俺はどうしたらいいんだ。何か策は策は……そうだ! みんな俺に力を貸してくれ」
そう言うと豪田は近くの園児を掴んで地蔵に投げ始めた。
「園児アターーック」
地蔵は死んだ。
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