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第1話 崩れ去った日常

初執筆です!

まだまだ拙い文ではあると思いますがご一読頂ければ嬉しいです!

感想やレビュー、誤脱字の指摘等もお待ちしております!

7月4日。 


けたたましいアラームの音で目が覚めた。

今朝もいつも通りの朝だ。


鬼灯(ほおずき)日向(ひなた)はベッドから体を起こして眼鏡を掛けた。




横を見ると弟がグーグーと寝ている。




下から母さんの声がする。



朝食が出来たらしい。



弟を見ると一切起きる気配は無い。



よくもまぁこれだけアラームが鳴り響いているのに目が覚めないもんだ。



こいつの眠りはマリアナ海溝並に深いらしい。




無理矢理叩き起こすとブツブツ文句を言いながら起きて来た。


そもそもお前のスマホのアラームなんだが。



顔を洗って一階のキッチンに降りるとすでに他の家族は揃っていた。



全員揃うまで待っていてくれたらしい。




各々が別の事をしていた。




妹は何やらブツブツ言いながら単語帳を捲っていた。

そういえば英語のテストって言ってたっけ。




父さんは何やら電話をしながらニュースを見ていた。

最近多発している行方不明者についてのニュースだ。




母さんも何やらスマホを操作しながらメモしている。

ん?ネギと牛肉…しらたきに焼き豆腐。それに卵。


やった。


今晩はすき焼きだな。


晩ご飯の買い物のメモのようだ。




他にいれる物を考えているらしい。


考え事をするとき右手の人差し指をたてるのは母さんの癖だ。





食事が始まるとみんな作業をやめて仲良く話しながら食べる。


母さんの料理は美味い。 


食べ盛りの俺たち兄妹の胃袋をガッチリ掴んでいる。


詳しくは知らないが父さんと出会うまで仕事で世界各国を回っていたそうだ。



父さんとは仕事で出会ったらしい。

一目惚れだったそうだ。



今日も朝からイチャイチャしてる。


もうすぐ結婚25年目なのにおしどり夫婦にも程がある。


仲が良いのは良いことなんだが思春期の子供の前でやるには控えて欲しいものだ。







無論両親だけじゃない。



客観的に見て俺達鬼灯家は仲が良い。



ご近所付き合いもしっかりしてるし何より家族間で殆ど揉めない。



兄妹間でもテレビのチャンネルの取り合い程度の事でしか言い争った記憶が無い。


ここまで仲の良い兄妹も珍しいと我ながら思う。



特に妹に関しては普通は思春期には異性の兄弟がいれば多少なりとも嫌がりそうなものだが。



それでも兄さん兄さんと慕われるのは悪い気持ちはしない。


この家族が俺は好きだ。





こいつらになにかあったら必死で守るつもりだ。






そんなことを考えていると

「そういえばお兄ちゃんは勉強しなくて良いの?3年生もテストでしょ?」と、

1つ年下の妹・瑠奈(るな)が心配そうにこちらを見ている。


瑠奈は兄妹で一番頭が良い。




模試でも校内でトップの成績を修めてる上に弓道部ではかなりの腕前で次期主将はほぼ確実らしい。



こんな才媛が妹とは誇らしい。




それだけに中間テストで補修を食らっていた(バカ)が心配なんだろう。



「大丈夫だよ。今日は得意な国語だし。」


嘘ではない。

我ながら国語だけは人並以上と自負している。




とはいえ補修のせいで部活に行けなくなるのは困る。

仮にも剣道部で主将を任されてる身だ。



「兄さん国語しか取り柄無いもんねぇ~」と軽口を叩いているのは今年高校受験を控えてる弟の奏多(かなた)だ。



心外だ。全教科赤点のこいつにだけは言われたくない。



奏多は控えめにいっても頭が悪い。



物覚えは悪くないはずなのに勉強になると途端に爬虫類並の脳みそになるらしい。



ただその一方で運動神経はスポーツ一家の我が家でもずば抜けている。



部活の剣道でも関東大会で上位に入り高校も推薦の話が来ている程だ。


ありがたいことだ。

推薦の話が来なければこのトカゲ並の頭脳じゃあ高校なぞ無理だっただろう。



是非ともうちの高校に来て来年以降の我が剣道部を支えていって欲しい。




と、そんな話をしている内にバスの時間が迫ってる事に気がついた。



ヤバい、テストに遅刻は洒落にならない。

補修は避けなければ!



と急いで食事を掻き込み身支度を整えて母さんが書いていたメモを受け取り「行ってきます!」と3人で家を飛び出した。







何とか無事に終えることが出来た。



国語の手応えはバッチリだ。



その他も中間程は悪くないだろう。



補修は回避出来たんじゃないだろうか。



テスト期間で部活も休みだったので早く終わった。



瑠奈も同じみたいだ。 



今日も校門で待ち合わせて一緒に帰る。



向こうから瑠奈が友達と歩いてきた。



こっちを見て手を振っている。



身内贔屓を差し引いても瑠奈は可愛い。



妹でなければ惚れているだろう。



こんな可愛い女の子に笑顔で手を振られてクラっと来ない方がおかしい。



うちの母さんもかなり綺麗な方だと思う。

母さんに似たんだろうな。






母さんから頼まれてた晩ごはんの食材を買いに行こう。



そう思い瑠奈と一緒に学校近くのスーパーに立ち寄った。


「お兄ちゃん!手ぇ繋ご?」



何を言い出すんだと口にする前に瑠奈は俺の手を引いて歩きだした。



今年17になる年頃の女の子が男と手を繋ぐっていうのは普通なら彼氏とかじゃないのか?



嫌な気はしない。寧ろ堪らない。



残念ながら彼女いない歴=年齢の俺には妹とはいってもこんな美少女と手を繋ぐのはすこし刺激が強すぎる。



周りから見ても釣り合いがとれていないだろう。



俺の顔はどれだけ良く見積もっても中の上程度だと思ってる。




まぁ家族だし変に意識する必要は無いんだが。




メモの食材は一通り買い揃えて後は帰るだけだ。



レジに向かったがそこで昨日洗濯洗剤が切れていたのに気がついた。



買っておこうか。




いや、ストックがあるかもしれない。



母さんに電話してきいてみよう。



そう思ってスマホを見た。



その母さんからの不在着信が入っていた。



しかも何件も。



こんなことは記憶にない。



いつも母さんは一度電話したら掛け直すのを待つパターンなんだ。









嫌な予感がした。




何だろうと思い掛け直す。


直ぐに出た母さんの声は憔悴しきった声だった。


何があったんだ。






「母さん!?どうしたの!?」






「・・・・日向、家に戻ってきちゃ駄目…。二人を連れて直ぐに逃げて…。」







「何があったの!?」







「・・・あなた達を愛してる。お母さんもお父さんも。」







電話は切れた。


今のはどう考えてもヤバい。


母さん達は仕事の内容を俺達に教えてくれなかったが反社会的勢力と敵対するような仕事だったのだろうか。



直ぐに警察に電話し家の住所を伝えた。



何人か警官が様子を見に行ってくれるらしい。



隣で電話を聞いていた瑠奈は涙目だ。



何はともあれ警察が動いてくれたなら一安心だ。




……と思っていたのだが…










ーーー二時間以上経過したが何も連絡はない。



途中から奏多も合流し3人で連絡を待つ。



が、良い連絡はおろか悪い連絡すら来ない。


不安が募る。


色々考えて相談した結果様子を見に行く事にした。


いつもはゆっくり帰る道を全速力で走る。

















家の前に着いた時にその異変に気づいた。







金属のような変な臭いがする。









それが血の臭いだと気づいた時には奏多がドアをぶち破って家に入っていった。








そして俺達が見たのは血溜まりの中に立つ人影だった。







そいつは男だった。


オールバックにサングラス。


逃○中に出てくるハンターみたいな。


違うのは




























そいつがこっちをみた瞬間額から角が生えて

体も赤色に変色したことだろう。










ソレは血塗れの警官達が倒れているリビングの真ん中に立って静かにこっちを見つめている。













母さんと父さんは?






そんな疑問を口にする前に()()の敵意は俺達に向いていた。



人間いざそういう場面に遭遇すると本当に逃げられなくなるんだ。




この警官たちは確実にこいつに殺された。







瑠奈は腰が抜けてへたりこんでる。









奏多も完全に固まってしまってる。










俺がこいつらを守らなくちゃ。

そう思い一歩踏み出すとソレは口を開いた。




















「お前達があいつの餓鬼か。」






そう言った瞬間意識が暗転した。

よろしければ評価のほどを宜しくお願いします。


今後に反映したいと思いますので

辛口で構いません。

正直な意見を宜しくお願いいたします。

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