ナンパ君にお仕置き
ゆっくり書いていくつもりでいます。
平凡な主人公と、主人公大好きなサイコチック女子高生の日常。
ギャグ…なのかは分からないですが、あったらスカッとするなぁな感覚でご覧くださいませ。
「ねぇねぇ、暇なら俺らと遊ばない?」
男ばっかりの5人グループに話しかけられる。
最初に声をかけてきた人は金髪にピアス、後ろでニヤニヤしている残りの4人も、派手な格好をしている。
見たところ、大学1回生…くらいだろうか。
「いえ、連れを待っているんで」
断るときの常套句。でもまあ、こんなの使いふるされ過ぎてるよね。
「連れって彼氏?」
「いやーあの…」
「友達ならさ、その子も一緒でいいから」
「え、でも…」
「大丈夫、大丈夫」
「本当にあの…」
「じゃあさ、連絡先だけでも交換しようよ」
「あー」
断りきれずにおろおろしている私を、強引に連れて行こうとする男たち。
ちょっと待てこいつら、常習犯なのかな?手慣れてるし…あ、ピアスの穴もう1個開いてる。
…って、呑気なこと考えてる場合じゃない!
「えーと…」
その場からなるべく動かないように、やんわり拒否し続け、もうダメかなと思ったその時だった。
私の視界の隅を黒い影が横切った。
「分かった!連れの子も待ってるからさ、皆で行こ…」
「お、お兄さんたち、逃げた方がいいですよ」
急に強気になる私。
放った一言に後ろの子達は驚いているけれど、私の腕を掴んでいる金髪は怪訝そうな顔をしただけだった。
「何?そんなんで脅しになるとか思ってんの?」
「いや、あの」
込められた力が強くなって、思わず顔をしかめる。
「本当に……」
"逃げて"まで言えずに、金髪の体が30m程先まで吹っ飛んだ。
続いて、唖然とする後ろの4人も転けていく。
「???」
起き上がり、意味が分からないという風に周りをキョロキョロ見回す金髪の前に、1つ、影が降り立った。
「お前、今ヨミに何した?」
「は?」
「答えろ。ナンパか?」
降り立った影は、制服を着た女子高生。甘い栗色の髪を高めのツインテールにして、手を腰に当てて仁王立ちしている。
有無を言わせぬ態度と圧に、金髪をはじめ男の子達は怯んでいるようだった。
「早く答えろ。でないと、今度こそ車道に吹っ飛ばす」
「は、はい!!!」
青ざめた顔で金髪が言う。
彼女は満足したようだ。
「認めたな。これならいくらヤっても…」
え、待って、ダメダメダメ。
「あん、ストップ!それ以上は、ダメ!」
私が名前を呼ぶと、彼女はこちらを振り向き、不服そうに頬を膨らませた。
「ふん、お前ら、命拾いをしたな。ヨミがそう言うのなら仕方がないが…」
金髪の襟元を持ち、無理矢理立たせながら彼女は告げる。
「次もしやったら、お前の明日の朝飯は一生来ないと思え」
彼女は震える金髪を最後にドンッと突き飛ばした。
残り4人に手を貸しながら、私はいつものように謝る。
「ごめんね、私の彼女が」
被害者であろう私に手を貸され困惑しながら、彼らは去っていった。
「全く、私の彼女に手を出しよって……それに遺憾だ。何故ヨミが謝る」
「暴力沙汰はダメって前も言ったでしょ」
「先に向こうがヨミの手を掴んでいた」
「それでもダメ」
言い合いをしながら、彼女の手が私の手に絡んでくる。
私の彼女、あん――――幸之下杏子は、少々愛が重い女子高生だ。




