苦労人 近畿騎士団団長 赤城 八尋
くだらない。まったく・・・・・・くだらない。
もう一時間たつが、使者が来ない。
周りの奴が鬱陶しい。
こうして待つのにも飽きて来たが、約束は約束だ。
後三十分待とう。
なんだ。何だったんだあれは・・・・・・
私は今、なにわ城の謁見の用の部屋『鳳凰の間』にて城主白「坂下 白鶴」殿を待っている。
既に半刻ほどの時間がたっているが・・・・・・
「待たせたな。近畿騎士団団長赤城 八尋」
「いえ。ご多忙のところ申し訳ありません。坂下様」
「で、火急の用向きと聞いたがなんだ?」
「は!実は第一城壁南門が城門守護の兵士と外部の人間が諍いを起こし、騎士が破れ結果城門が破損いたしました。現在、交渉しその者を南門前にて待たせております。」
「ほう。妙な音がすると報告が上がっていたが、外から来た我が騎士を凌駕するものか。お主は勝てるか?赤城」
「・・・・・・正直なところ、間違いなく敗北するかと」
「お主ほどのレベルと才覚を持つものでも・・・か?」
「はい。そのものは二桁のレベルごときで。と、発言しておりました。あり得ぬと思いますが、レベルが三桁を超えている可能性も」
「戯言と、切って捨てるには貴様は有能に過ぎる。・・・で、そやつの要求は?」
「は、一時の休息と補給が目的だと」
「・・・ハンターか?」
「探索者・・・と名乗っておりました」
「探索者・・・・・・迷宮に挑むものか」
「迷宮を攻略することなど可能なのですか?」
「可能だ。事実、他国ではもう殆どの迷宮が攻略され、かつての光景を取り戻している地域もあるらしい。その者は恐らく迷宮を攻略したことのあるものだろうよ。攻略者は全員レベル100を超えていると聞く。つまりはそうゆうことだろうて」
「では」
「うむ。そのものの滞在を許す。使いを出せ」
「は!」
私は、足早に鳳凰の間を後にし白い青年の元へ向かう。
これが吉と出るか凶と出るか・・・・・・何も起こらなければよいが。
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