「なにわ」城門前の茶番 2
お久しぶりです。
まぁ、ざっとこんなもんか。
レベル30程度の相手が、レベル692の俺に何かできるはずもなく。
ダメージはゼロ、HPバーを一ドットも減らせていない。
迷宮産の防具『アビス・ホワイト』の防御力は18400
俺自身のステータスは軒並み五桁。
レベル30のステータスなら、精々三桁に乗っているかいないか。
特化なら乗ってるかもな。それでも、差がありすぎる。
それにしても、全力どころかスキル『手加減』でダメージをゼロに減衰したとはいえ・・・死んだか?
近づいて確認してみる。
「・・・ぅ・・・・・・ぁ」
生きてるみたいだな。でも、重症っぽい。
流石に城壁にたたきつけるのはやりすぎたか?
この世界、別にHPが無くなった=死亡ではない。
HPはあくまでそのポイント分攻撃されても死なないだけ。
肉体に直接傷が入れば常に消耗するし、大きく減る。
けど、そこにステータスの耐久力を上乗せし、防具を纏えばその分減衰する。
攻撃力-防御力+耐久力=ダメージというわけだ。
この男が、生きているのもそのおかげ。
「大丈夫か!?」
「何があった!」
「でかい音が鳴ったぞ!!」
これまた団体さんで、隊長かな?
出てきたのは
「貴様!ここで何があったッ!!」
「ケンカを売られたから買って、倒した。以上」
「嘘をつくなッ!我らなにわ精鋭、近畿騎士団が貴様のような小僧に負けるはずが」
ドガンッ!
俺は、その辺に落ちていた石を適当に地面にたたきつけた。
ストレス発散もかねて
土煙が上がり、視界が悪くなるがまぁ・・・なんだ。スッキリした!
「いったい何が・・・」
「俺が石を地面に投げた。地面が爆発した。俺スッキリ。OK?」
「ば、馬鹿な・・・・・・」
「これが結果だ。受け入れろ、レベル二桁ごとき・・・・・・しかも相手の実力を見切るだけの目もねぇ。話にならねぇよおっさん」
「お前は、何をしに・・・ここに来た」
「補給と、一晩の休息」
「・・・・・・わかった。だが、領主様にお前を中に入れていいか聞かねばならん。暫し、待たれよ」
日は、まだ高いだが4時間ほどで落ちるだろう。
「・・・一時間半待つ。その時間内に返答がなければこの町への被害を考えずに、京へ飛ぶ(・・)」
焦った表情になる男。
「わかった。一時間半以内に使者をここに寄越す。すまないが待っていてくれ」
「・・・早くしてくれ」
隊長と思われる男は足早になにわ城壁内部へと向かう。
他、12名の騎士まがいは俺の周りで警戒態勢を敷いているようだ。
まったく・・・・・・鬱陶しい。
最後までお読みいただきありがとうございます。