人助けで、タイムロス
迷宮に着くのはいつになることやら。
(;'∀')
あー、この長い道程を男一人旅。
モンスターに襲われつつってのは、面倒なので走ります。
これで大抵のモンスターは振り切れる。
振り切れないモンスターについては戦うしかないが、それも迷宮内のモンスターに比べれば数段弱い。
というわけで、今は風吹き峠。
和歌山県岩出市から、大阪府泉南市方面へ抜ける峠という方がわかりやすいだろうか?
その人が通るには通りやすく、モンスターが通るには狭い峠道を走り抜ける。
ちなみにだが、舗装は残っている。
野生生物は殆どが人間に管理され、野にいるものは絶滅した。
なのでモンスターにさえ出くわさなければ危険はない。
そしてこのあたりに生息しているモンスターは、よほど森の奥に行かなければ強力な個体は存在しない。
精々出てきても「森林巨人」か「巨狼」程度だ。
特殊な力も持たない大型モンスターのみ。
今の俺の身体能力・・・・・・ステイタスってのは地上のモンスターでは地上の最大脅威以外には負けることはない。
峠を越え、今は森と町とが一体化したような形になっている泉南市・・・・・・現在のなにわ南部平原を駆け抜ける。
さて、あと一時間ほどでなにわの城壁が見えるころだ。
景気よく走り続けていると、右手側から聞こえるモンスターたちの鳴き声が騒がしい。
足を止めて手ごろな大きさのビルの屋上に、飛び上がる。
そこから、騒がしい方向を見ると・・・・・・
「まずいな。」
人間がモンスターに襲われていた。
ハンターたちが、守りに入っているがあのままではすぐに倒されるだろう。
守るものが多すぎる。
恐らく商人と思われる一団と、便乗して移動していた一般人。
対してモンスターたちは、雑魚とは言え変異体の狼「平原狼」
が、数十体・・・いや、追加が来ているな。
仕方ない。手助けしますか。
ビルから飛び降り、壁を蹴って一団に向けて加速する。
ビルの窓が割れる音と、コンクリートが破砕する音を置き去りにして俺は空中を滑空する。
平原狼と一団との間に着地寸前に風魔法で減速。
背中の剣を抜き放ち、まずは一体を仕留める。
「ハンターどもは、護衛に専念しろ!モンスターは俺がやる。」
「ッ!?わ、わかった!」
リーダーらしき、全身鎧の男が答える。
問答のうちに、走り出しすれ違いざまに四体の首をはね。
次の個体に切りかかる。
近くにいた個体を蹴散らし、地面を蹴って5m程空中で、体を右から左へ振り左手を右側に回しつつ両手で、風魔法「エアバレット」を下方の敵に向けて乱射する。
そのまま回転しつつ着地。集団正面正の敵に風魔法「竜巻」を放つ。
これで背後と正面のモンスターは蹴散らした。
最後に、追加で左手から来ている平原狼に向けて風魔法「暴風」を発動させて終了。
これでひとまずの安全は確保できた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
(; ・`д・´)