努力に憾みなかりしか
いやあ、うなぎやべーな
ナノチップに表示される残高を見ながら思っていた
(ごちそうさまでした)
皆が最高の笑顔でそう言う
こんな笑顔が見れるなら安いもんだな!
さて、腹も心も満たされた事だし、議論しに行くか
気合を入れて一歩を踏み出す
イグニスと決着をつけるために
イグニス本社前
セキュリティロボに通され、5階のあの部屋に入り椅子に座る
反対側の扉が開き、マサカズが現れた
「昨日はすまなかったね、また会えて嬉しいよ」
私から連絡しようと思っていたのだが、連絡先を聞くのを忘れてしまってね
「あ、あ、いえ、大丈夫す」
今日の俺は感情を操作されていない
昨日と様子が違う俺を、男が観察していた
「そ、それで聞きたいんですが、クオリアの事を教えてもらえませんか」
俺の問に男が答える
「クオリアは釈迦の力だ」
人は苦しみの中にこそ真の意味に気付く
生きて、老いて、死ぬ、時には老いる前に病気に犯され死ぬだろう
産まれる事は同時に死を意味している
四苦八苦と呼ばれる四苦がこれに当たるのだ
だが、これだけではまだ神へは届かない
八苦を知る事で、人は神になる事が出来る
求不、怨憎、愛別、五蘊
欲望、憎悪、別れ、五体を使えなくなる苦しみ
仮想現実の中で、彼女はそれらの苦しみに耐え抜き神になったのだ
バギャガシャッ
俺は目の前のテーブルを素手で真っ二つに叩き折った
「怒るのも無理はない、気にしないでくれたまえ」
しかし、私はキミの力が知りたい、その力が何なのか
タルパを使ったのかい?
「す、すまん、失礼も承知で話させてもらう」
敬語なんて使ってられるほど冷静になれないんだ
「かまわない、続けたまへ」
この力は俺自信の力だ、タルパは関係ない
人間なら誰もが持つ当たり前の力
「その力はどうやって手に入れたんだい?」
俺は男に輪廻を説明し、意識の開放を教えた
「信じられないだろうが、これが銀河だ」
あんたがカナエにした事、それは決して許される事じゃない
親父を救うために、仕方のない事だったのかもしれない
でもそれは間違ったやり方だ
俺はあんたの間違いを正したい
あんたは俺の敵になるつもりはないと言った
俺もあんたの敵にはなりたくない
今日ここに来たのは、あんたの間違いを正し、協力してもらうためだ
「間違ったやり方なのは認めよう」
詳しく聞かせてくれるかね




