まぁ、落ち着けよ。【後編】
スラマッシアン! 前回からの続きだよ、若い男に銃を向けられたので護身術をかまして、尋問をしようとしているところだよ。さて、聞くだけ聞いたて食べちゃおう。
「何をしに来た、答えろ」
あ、黙っちゃった。まぁ言いたくなかったら黙りたくなるよね、でも「喋らなければ殺す」みたいなことをほのめかしてみよう。えーっと、確か……
「さっさと話さないか、それとも拷問されたいのか?」
拷問器具達は僕の友達で家族なようなものだから使わないけど、人間を叩いたり蹴ったりするのはやる気でないな~。生きるため(もう死んでいますが)だから仕方ないか。
「吸血鬼狩りに来た」
「吸血鬼狩り? その割には武器がお粗末だ。感情任せに来たのか? フッ、失笑だな。誰にここを教えてもらった」
「山奥の洋館には恐ろしい吸血鬼がいると噂で……」
「噂か……お前に聞くことはないもう__」
「一人だと思ったか?」
ザッと背の高い草から木の上から体格のいい男が四人、猟銃を持って襲い掛かってきた。あぁ、油断した。滅ぼされる、まだ滅ぼされたくないのに……滅びを悟り目をつぶるが銃弾が降ってこない、何故かと思い目を開けてみた。そこには体格のいい男たちを踏み倒したアドリアンと大きな荷物を抱えた知らない女の子がいた。
「死ぬところだった……もっと戦う技を教えといた方がよかったな」
「だ、大丈夫ですか? 薬、ありますよ」
「助かった……ありがとう」
荷物を見ると薬草ときのこが大量に入ったかごや大きな図鑑を持ってたから、何かの材料を採りに来たようだ。アドリアンは縄で男たちを縛り、それが終ると女の子を紹介し始めた。彼女は『フローチェ・デ・フロート』ラーレという国から迫害を受けここに逃げてきた不死族らしい、どこの国でも吸血鬼は大変なのか……いっそ、吸血鬼があまり浸透していない東の国『キクノク二』という異国に引っ越そうか、でも言葉が通じないと意味がないね。とりあえず、人質の若い男とアドリアンたちを連れて家に戻るとしよう。
新キャラ登場、皆さん大好き女の子登場!