これにて目覚めは終わりです。 Ⅰとか書いてるくせにすいません・・・。
秋蘭「(北郷、姉者は昨日のことをきにしてるんだよ。)」
一刀「(俺を殺しかけたことか?)」
秋蘭「(うむ。)」
一刀「(あんなのいつもの馬鹿さ加減がちょっと悪いほうにいっただけじゃないか。)」
秋蘭「(ああみえて繊細なんだ、北郷なら知ってるだろう?)」
一刀「(そりゃ知ってるよ。けどあんなの毎度のことなんだから俺気にしてないって。
それにあの馬鹿さ加減が春蘭の魅力でもあるだろうに。)」
秋蘭「(よくわかってるじゃないか・・・・。だがな北郷、姉者があんなに落ち込んでるのは初めてなんだ。)」
一刀「(ほんとに・・・・もう、仕方ないなぁ。)」
そういうと秋蘭との会話をやめて、春蘭にむかって叫んだ。
一刀「春蘭!!」
春蘭「っ!!?」
一刀の声に驚いた春蘭が呼ばれるままに一刀の方を向いた。
一刀「あの魏の大将軍、夏侯惇元譲ものともあろうものが、あれくらいで落ち込んでるんじゃない!」
春蘭「あ・・あれくらいって、お前死にかけたんぞ!? 私だったらまた同じようなことをしてしまいそうで、そっちにいけないんだ!」
一刀「何を今更いってるんだ、お前は!」
春蘭「い、今更とはなんだ!?」
一刀「こっちはこれからずっと一緒に生きてくんだからお前のいろんな行動を受け入れる覚悟ぐらいできてるってんだ!」
一刀は声に怒気をこめながら春蘭に叫んだ。あまり纏めず思ったことを
言ってしまったものだから結構スゴイ事を口にしてしまっていた。
一刀本人は気づいていなかったが。
春蘭「ほ・・・・ほんごう・・・・おまえ・・・・!」
なぜか春蘭の顔がまっかっかになってしまった。
と、一刀は思った。
一刀「ん・・・・?どうしたんだ、急に・・・・・。」
秋蘭「北郷・・・・・、大胆だな・・・。」
皆も春蘭の方ではなく一刀の方をみてうなずいていた。
秋蘭にそう言われ、皆の視線にも襲われ、自分の言ったことを思い出す一刀。
思い出して一刀の顔を真っ赤なった。
一刀「ち・・・違うって!これから俺もこっちの世界でずっと生きてくんだからそうなるのは当然だろ!?」
そう、一刀の言葉はまるでプロポーズのような台詞になっていたのだ。
しかし、発言を撤回したそうな一刀に全員がしらーっと視線を送る。
一刀「と・・・・とにかくだ。」
話を元の方向へ戻すよう一刀が声をどもらせながらも発した。
一刀「春蘭、お前きのう俺に謝っただろ?」
春蘭「う・・・うむ。」
一刀「その言葉に偽りがない限り、お前は自分の非を認めたんだろ?」
春蘭「それはそうだが・・・。」
一刀「なら俺はそれで十分だ。一度自分の非を認めて謝ってくれた子を責め続ける真似はしないよ。」
春蘭「ほ・・・ほんごぉ~・・・!!」
涙ぐみながら春蘭が一刀に駆け寄って、そのまま突っ込んできた。なんというデジャブ。
しかし、昨日のようにラリアットなどしようとしていたわけではないので、安心して一刀は両手を広げた。
そこへ春蘭も招かれるように飛び込んだ。結構な衝撃が一刀を襲ったがなんとか踏ん張って耐えた。
一刀「お前がいつもどおりじゃないと、皆困るんだからそんな落ち込むなよ?」
と、いいながら一刀は春蘭の頭をなでた。魏の皆も静かに頷いた。
一刀(馬鹿カワイイってこういうこというのかな・・・・)
と、ちょっと失礼なことを考える一刀であった。
春蘭「そうだな・・・・、私らしくなくては、魏に迷惑をかけてしまうな!」
一刀「うんうん、そういうこと。」
そういわれ、春蘭が一刀から離れ皆の方を向いて一言。
春蘭「すまん・・・、皆迷惑をかけたな!」
一刀の励ましにすっかり立ち直った春蘭であった。
それみた魏の面々が喜びの声を上げた。
季衣「やっといつもの春蘭さまにもどってくれた~、さすが兄ちゃん!」
秋蘭「さすがは北郷、だな。」
霞「あの惇ちゃんの舵取りできるのは華琳と一刀ぐらいやな、ほんまに。」
凪「隊長に勝るものはありませんね。」
そんな談笑が続いた後、この後に控えている大会のことを聞くべく一刀が皆に尋ねた。
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一刀「この大会とかの組み合わせってどうなってるの??」
真桜「組み合わせは各勢力が魏に訪れたときに番号ついた紙をくじ引きしてもらっとるんよ。」
一刀の質問に真桜がすばやく答えた。
一刀「ふむふむ。 って、それじゃあ俺飛び入りで参加できるのか?」
凪「大丈夫です。いつも25人の武将の勝ち抜けなので、一人不戦勝が一回ありますので。
その一人余った方と戦うことになるかと思われます。」
凪も負けまいとすばやく答えた。
一刀「あー・・・、そうなってたのか。サンキューサンキュー。」
凪が肯定の意味で頷いた。一刀がお礼の意味をこめて二人の頭をなでた。
頭をなでられた二人はとても幸せそうだった。
一刀「で、今回は誰が余ったんだ?」
沙和「確か今回は「馬岱」ちゃんなの!」
沙和も張り切って一刀の質問に答えた。
一刀「馬岱っていうと・・・・、蜀の錦馬超の従姉妹だっけか。」
季衣「正解! 兄ちゃんよく覚えてるね~。」
一刀「一応各勢力の将は覚えてるさ。」
さっき二人にしたようにまた二人の頭をなでた。
一刀「あぁ、そうだ。組み合わせ表とかってあるの?」
流々「これです、兄様!」
一刀「お、準備いいな流々。」
そういうと流々がどこからか紙を俺に渡してくれた。
紙はこの世界では重宝されるものである。
それほど重要視しているのだろう、この大会を。
一刀「おお・・・・、こんな感じか。」
流々に渡された紙を一刀がじっと見て何かを納得したように頷いた。
一刀「結構皆バラバラなんだな。」
霞「今回はうまくそうなっただけやで。この前のときたら・・・・・。」
うなだれながら霞が一刀の言葉に反応した。
一刀「ひどかったのか?」
霞「ひどいってもんやないで・・・・。皆一回戦で魏の皆とやったからな・・・・。」
一刀「同勢力だけでたたかったわけね。」
霞「そうなんよ・・・、蜀は人多いから結構そうなるんやけど、まさか魏がああなるとは・・・。
しかも一回戦勝ってもまた魏の皆とやったしな・・・。」
霞がうなだれるのも当然か。強いやつと無条件で戦える大会で
魏の面々と戦い続けたらつまらないだろうに。
一刀「まぁ、今回はそうでもないしさ、気にするなって。」
霞「そうやけどさぁ~。」
一刀「はいはい、文句言わないで頑張ろう。」
そういいながら流々と霞の頭を撫でた。
一刀「で、禁止事項とかってあるのか?」
春蘭「あぁ、あるぞ。それも一応書面で記してある。ほら。」
そういうと春蘭が流々と同じようにどこからか紙を手渡してくれた。
その紙をじっと一刀が見てつぶやいた。
一刀「ふー・・・ん。みんな刃落とした武器で戦うんだな。」
秋蘭「さすがに、こういう大会で死者は出したくないからな。」
一刀「ごもっともだなぁ。武器は何?訓練用のやつ?」
春蘭「いや、真桜が皆の武器の刃を落とした模造品を作ってくれてな、それで戦っている。」
一刀「なるほど。確かに自分の武器が一番しっくりくるしな。」
秋蘭「そういうことだ。」
対戦表とルール用紙をみながら一刀が疑問を口にした。
一刀「ん・・・、そういえば秋蘭の名前ないぞ?」
秋蘭「あぁ、私はまた別の戦いだからな。」
一刀「別?」
秋蘭の言葉が理解できず、そのまま秋蘭に一刀が尋ねた。
秋蘭「私や、蜀の黄忠、呉の黄蓋 の三人の弓将はさすがに近距離戦は不利だからな。
その三人の三つ巴で的当て対決になっているんだよ、北郷。」
一刀「そういやそうだな・・・・って、黄蓋生きてるのか!?」
黄蓋は魏ルートでは船上で秋蘭に討たれるため、一刀はとても驚いた。
秋蘭「あのあと、下流で岸辺に流れ着いたとき華蛇が見つけたらしくてな、
華蛇の治療のおかげで瀕死の状態から生き返ったそうだ。」
一刀「華蛇っていうと、昨日俺を助けてくれた人か。」
秋蘭「そういうことだ。」
そうかそうか・・・、と頷きながら一刀が皆の顔を見回した。
大会開始はもうそこまで迫っていた。会場からはまだかまだかと
大きな声援や楽器が響き続けていた。そこに誰かが魏の部屋の扉をノックした。
ノックの後、扉が開き敬礼をした兵士がそこにいた。
大会が始まるので報せと迎えに来たそうだった。
一刀「皆、今日は頑張ろう。」
振り返って、皆を見ながら一刀が言った。
一刀「華琳もいってたけど、開催国が優勝者でないのはかっこ悪いしな。
俺達の誰かが優勝できるよう頑張ろう。」
皆がその言葉を聞いて頷いた。
一刀「己が鍛錬を、己が武を、己が信念を・・・
会場の皆に刻み込むぞ!!!」
皆「おう!!!」
一刀の言葉に呼応して皆が雄たけびを上げる。
いよいよ、互いの誇りを掛けた大会が今--------------------------始まる。