あと少し続きます
華琳と真桜だった。
華琳「あら、一刀いたの・・・・・って・・・・・。」
華琳が一刀に声を掛けたが、途中で言葉が詰まった。
一刀「ん・・・? どうした・・・?」
華琳「どうしたの? この服は。」
そういうと華琳は一刀の服の袖を引っ張った。
一刀「ん、前々から準備してたやつでな・・・、やっと今日袖通したんだよ。」
華琳「ふぅん・・・、中々良いじゃない、似合ってるわよ♪」
ちょっとご機嫌な華琳が合間見えた。
一刀「おう、ありがとう。」
素直に感謝の言葉を一刀が言った。
華琳「で、今日は魏の武将として大会にでるのだから、恥ずかしいまねはしないわよね?」
一刀「ほんと俺・・・・、頼りないんだなぁ。」
華琳にも勝つことをあまり信じてはくれていなかったことにちょっとショックだった一刀。
華琳「仕方ないでしょう、昔のあなたしか皆知らないんだから。」
一刀「それもうそう・・・か。そうだよなぁ・・・・。」
うむむといった姿勢で唸る一刀。
華琳「ま、私たちを見返したかったら大会で結果を残しなさい。」
一刀「りょーかいです。」
華琳の慰め(?)にそっけなく一刀が答えた。
ショックでちょっと伏し目がちだった一刀を見た華琳が引っ張っていた袖をグイっと思い切り
自分のほうに一刀の体を引っ張った。
一刀「うわっ!?」
急に引っ張られた一刀はコケかけるような形で華琳の胸の谷間に顔を突っ込んだ。
一刀「うわぷっ?!」
魏の面々は驚いたが、皆見ていないふりをして気分をごまかした。
それを狙っていたかのように華琳は微笑ながら胸の谷間にある一刀の頭の後ろを撫でた。
一刀は頭を撫でなれながらあの華琳の胸の感触にただ酔いしれていた。
華琳「あれだけいうんだから、期待してるに決まってるじゃない・・・、バカ・・・。」
華琳が一刀に聞こえるよう囁いた。
その言葉が一刀の耳に届いたとき、一刀の顔が真っ赤になった。
と同時に心が少し、軽くなった。
華琳「ふぁ・・・りん・・・・。」
それから少ししたら華琳に肩を持たれてグッと直立になるよう一刀の体が引き離された。
そのあと華琳が魏の武将全員を見渡して言い放った。
華琳「じゃあ、皆、今回は上位は魏一色にするようがんばりなさい。
主催国が弱いなんて目も当てられないわ!」
魏の面々「はい!」
皆華琳に向かってビシっと敬礼をした。 一刀以外。
華琳「そうね・・・・、優勝したら、言うことをなんでもひとつ聞いてあげるわ。
副賞で一時金もつけてあげる。」
皆「おぉ~!!」
華琳の言葉に皆喜びの声をあげた。
あの華琳が「なんでも」というのだ、ほんとにバカみたいなこと以外ならきいてくれるだろう。
華琳「じゃあ、主催者の座から見てるから、皆、恥のないよう戦いなさい。
あぁ、あと皆一刀にいいところ、見せるようにがんばりなさい。」
そういうと華琳は踵を返し手を振りながら部屋をでていった。
それを見送ったあと一刀が皆のほうを振り返り、意気揚々に話しかけた。
一刀「あの華琳がああ言うんだ・・・・、結構無茶も聞きそうだな!」
真桜「一時金もくれるていうてはるし・・・・・!」
お金に目をキラキラさせる真桜
霞「ウチは強いやつと戦えたらそれでええねんけど、おまけはうれしいなぁ、ええ酒買えるしな!」
なんだかんだ楽しいのうな霞
凪「いつも以上にやる気がでることが多くてうれしいです。」
一刀にも華琳にも自分の成長を見せたい凪
沙和「でもでも、華琳様にも、隊長にもいいところみせたいのなの!」
ふだんでは考えられないが、凪と同じ考えの沙和
琉流「日々の鍛錬の結果をやっと試せますね!」
一刀に日々の努力を見てもらいたい琉流
季衣「お金もらったら、いっぱいおいしいものたべるんだー!」
賞金もらって食べ歩きしまくりたい季衣
秋蘭「まぁ、勝つこと以上にうれしいことは無いしな・・・。」
賞品には目もくれないようなことを口ずさみながらちゃっかり考えてる秋蘭
各々が思ったことを口に出していた。
一刀「よーし、今日は皆がんば・・・・・・って。」
琉流「どうしたんですか? 兄様」
急に口ごもった一刀に琉流がどうしたのかたずねた。
一刀の目線は周囲の皆にではなく、部屋の奥の方へ向けられた。
自然にみんなの視線も向けられた。
視線の先にいたのは、春蘭だった。
一刀「春蘭、さっきからそっちでなにしてるんだ? 華琳がきたのにこっちにもこないで。」
春蘭「い・・・いや・・・私はこっちでいいんだ・・・・。」
一刀「は・・・? 何言ってるんだ?」
春蘭「だ・・・だから・・・・・私はこっちで・・・。」
いつもの春蘭らしくない弱気な態度でもじもじと一刀に返答した。
それをみかねた秋蘭が一刀に小声で話しかけた。