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夢のような目覚めⅠ  作者: 小さな畔。(たっちゃん)
5/7

更に更に続き

いよいよ、三国の武将が互いを誇りを掛けた戦いが始まる----------------------


一刀が会場のある庭に着くと、大勢の人でにぎわっていた。


もともと、訓練場でもあり、役萬シスターズのライブ会場にも使用されるほど大きな

会場を使用しているため、観客を入れるにはもってこいの広さがあった。


会場の入り口には武道大会という大きな看板があった。


また、入り口傍には決闘用の場所があった。


大会用の石畳と場外の地面とその二つを囲う高い枠がもうけられていた。


石畳の奥には選手が出入りするであろう入り口があり、そこには裏からしか入れず

また、その入り口には兵士が立っており選手以外立ち入り禁止となっていた。


枠の周りには多くの飲食品を販売する屋台と

魏の民や少量の各国の兵士などが大会の開始を

軽食を持ちながらいまかいまかと待ちわびていた。



一刀「おー・・・、すごいな~。あの庭がこんな会場になってんのかー。」


会場の広さと人の多さ、両方に驚き、感嘆の声を上げた。

その状況に歩みを止めて立ち呆けていた時、背中を何かの衝撃が走った。


ドン。


???「キャッ・・・」


鈍い音と共に一刀の後ろで誰かがこけた。


それに驚いた一刀が慌てて振り返った。

振り返るとそこには一人の少女がいた。


???「あいたたた・・・、そんなとこでつったってないでよね~、まったく~。」


一刀「ごめんごめん、大丈夫?怪我はない?」


そういうと一刀はこけている少女に手を伸ばした。


一刀が差し伸べた手につかまり、少女が起き上がった。起き上がって服の汚れを

手でパンパンッと落とすと一刀のほうを向いて一言。


???「こんどからそんなとこでつったってないでよね!お姉さまがいなかったら

     あんたなんてケチョンケチョンにしちゃうのに。」


馬超「こら蒲公英!自分の不注意でぶつかっておいて何言ってるんだ!」


その少女の傍にいた、ポニーテールの似合う女性が少女に怒気の入った声で言い放った。


馬岱「お姉さま~、そんなこといわないでよ~。」


馬超「すいません、不出来な従姉妹で・・・・。」


お姉さまと言われた女性が頭を下げた。


一刀「いやいや、俺がつったってたってのもあるし、そんなことはしないでくれ。

    逆にこっちが謝らないといけない。申し訳ありませんでした。」


そういいながら一刀も頭を下げた。


馬超「よ・・・、よしてくれよ。あんたにまで頭さげられたらこっちもどうしたらいいかわかんないじゃないか。」


馬岱「そうだよ~、お姉さまが頭さげることなんてないんだよ?!」


馬超「た・ん・ぽ・ぽ~?」


馬超が馬岱に睨みをきかせると、おそるおそる一刀に向かって頭を下げて一礼した。


馬岱「すいませんでした・・・・。」


蒲公英といわれた少女が謝った後、皆頭を上げて向き合った。

向き合ったあと馬超が一刀に向かって頭に浮かんだことをそのまま口にした。



馬超「あんた・・・、近くで見たら結構身長あるなぁ~。」


一刀「そうか・・・?まぁ6尺ぐらいはあるけど・・・・。君もそういう割には身長ないか?

    そうだなぁ・・・・、見た感じぐ5尺半らいかな?」


んー、と口に手をあてながら見た目からみた身長を一刀が言った。


馬超「おぉ、正解!見ただけでわかるなんてあんたすごいなぁ。」


一刀「いろんな人みてきたからなぁ~、見た感じでなんとなく3ぐらいの誤差以内ならだせるね。」


得意げにそういうと向かい合って、笑いあった。


一刀&馬超「あははは。」


その光景をおもしろくなく見ていたのは傍にいた馬岱であった。


馬岱「ぶーぶー、お姉さま、そんな人と仲良くしてないで、早く会場にいこうよー。」


馬超「はいはい・・・・・、わかったよ。それじゃあ、すまなかったな!」


一刀「いえいえ、こちらこそ、それじゃあ。」


そういいながら別れを交わし、彼女たちは会場の中へと消えていった。


一刀「さて、俺も舞台裏までいくか・・・・。」


そういうと、一刀も会場の中へと消えていった。



---------------------------------------------


入り口の見張りの二人の門番はかつて一刀の部下であったため頭を何度もさげられ

歓迎された。

なんのチェックもなく、そのまま一刀を舞台裏へと招いた。

一人が案内として一刀と共に中へと入った。


舞台裏は魏、呉、蜀の三つのフロアに分けられ

各武将達は自分の国のフロアに分かれて待機する仕組みになっていた。


魏のフロアの入り口まで案内されると、そのまま門番は仕事があるので

といって頭を深く下げたあと、持ち場に戻っていった。


一刀がフロア入り口の扉を開けて、中に入ろうとしたとき・・・中から皆の声が聞こえてきた。


盗み聞きするつもりはなかったのだが、気になってしまったので入らずそこで立ち止まった。


凪「今日は隊長がみていてくれる・・・、だからせめて決勝までは絶対に進みたい。」


沙和「沙和もそうなの! 隊長にいいところみせたいの!」


春蘭「北郷がおらずとも、私が優勝してみせるさ。北郷ではなく華琳様のために!」


秋蘭「姉者・・・、北郷が帰ってきてあれだけよろこんでおいてよくいうよ。」


春蘭「秋~蘭~!」


流々「今日は兄様のためにも上位を魏一色にしちゃいましょう!」


季衣「流々、兄ちゃん帰ってきたらすっごく元気だねぇ~。」


流々「う・・・、うるさいよ季衣!」


霞「まぁ、皆それだけ一刀のこと好きっちゅーこっちゃなー、秋蘭も含めて。」


秋蘭「まぁ・・・・、否定はしないが。」


魏の面々が今日の意気込みを語っていた。


自分が帰ってきたから、という言葉を聞いて一刀はすごく喜んでしまった。


一刀「(や・・・やば・・・、なきそうだ・・・。)」


顔を真っ赤にしてしまった上、涙が目じりを襲う。


思わず片手で顔を隠してしまった。


扉から手を離して、少し離れ、壁にもたれかけた。


一刀「(自惚れだけど、想われるってこんなにも・・・・嬉しいんだな・・・・。)」


一刀は高鳴る胸を押さえて、深呼吸をして心を落ち着かせた。


一刀「よし・・・、いくか。」


スクッと立ち上がり、もう一度扉に手を今度はそのまま思い切りあけた。


一刀「皆おはよう!」


大きな声で手を上げながら一刀がそういうと、皆の視線が自分に集まった。


そこまではよかったのだが、一刀の姿を見た皆は固まってしまっていた・・・・・


一刀「あ・・・・あれ・・・・? 俺待合室間違えた・・・・?」


そういった瞬間春蘭以外の皆が一斉に近寄ってきた。


凪「隊長応援にきてくれたのですね!?」


沙和「隊長、その服どうしたの~?かっこいいの~!」


霞「服いつもとちゃうから一瞬誰かわからんかったやんか~。」


流々「兄様、今日はいつもと違って新鮮です!」


季衣「兄ちゃん、かっこいいね!」


秋蘭「なかなか・・・・、似合ってるぞ北郷。」


思い思いの言葉を一刀に向かって投げた。


一刀「やっぱ・・・・、いつもの服違うと俺って変か・・・・?」


一刀も皆の言葉から一番多い意見をまず疑問にして皆に問いかけた。


凪「いえ、断然かっこいいです!」


沙和「沙和もそうおもうの!さっきもいったけどなの。」


霞「うんうん、かっこええで一刀。」


流々「かっこいいですよ? 兄様。」


季衣「かっこいいよ、兄ちゃん。」


秋蘭「そういうことだ、北郷。」


一刀「それならよかった・・・・、いざ着てみたのはいいものの、似合ってなかったり

    俺ってわからなかったらさすがにショックだったけど・・・・・・。」


安心して深呼吸して皆のほうを向くと沙和が質問してきた。


沙和「隊長!その服私たち以外の魏の将で見た女の子いるの~?」


一刀「ん・・・? あぁ、真桜だけだな。」


そう返すと沙和がむくれてしまった。


沙和「ぶーぶー! 真桜ちゃんずるいの!後でいじめちゃうの!」


一刀「え・・? なんで?」


突然怒り出した沙和に問いかけた。


沙和「女の子は好きな人の新しい服を一番に見たいものなの~!」


一刀「そんなもんなのか・・・・。よしよし・・・・・。(真桜の言ってたとおりだな・・・・)」


沙和を頭を撫でながらなだめて、一刀が話を切り替えた。


一刀「で、今日は俺応援もあってここに着たけど、武将として大会に参加するんだ。」


皆「えーーーーーーー!?」


一刀の言葉に皆驚いて大きな声を上げた。一刀はその中心にいたのでかなり鼓膜を震わされた。


一刀「な・・・・なんだ・・・、ダメか?」


霞「ダメやないけど・・・・、一刀、怪我するだけやで・・・・?」


凪「かなり・・・・心配です。」


流々「兄様、なんでそんな無茶を?」


季衣「兄ちゃん、コテンパンにされるだけだとおもうけどなー。」


沙和「隊長、人前で手も足も出なかったら恥ずかしいだけなの!」


秋蘭「なんともまぁ・・・・・、思い切ったな、北郷。」


心配してくれる言葉と、悪意のない鋭い言葉の刃が一刀を襲った。


一刀「ま・・・まぁ・・・・、がんばるからみててくれよ・・・・。」


ため息をつきながら一刀が力なく言った。


そうこうしてると、しまっていた扉がまた開いたのだった・・・・


一刀達が振り返るとそこには二人の少女の姿があった。

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