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夢のような目覚めⅠ  作者: 小さな畔。(たっちゃん)
2/7

目覚め

キッと目に力をこめて一刀が華琳の肩を掴んで、そのままお互いの位置を変えるべく

華琳の体を移動さした。


華琳「ちょ・・・・ちょっと!」


一刀「ふふ・・・・、やられてばっかじゃ俺Mみたいだからな・・・・、こういうときは反撃しないとな!」


そういいながら一刀の手が華琳の顔に伸ばされて・・・・そのまま頬を一撫ですると

そのまま後頭部に手を回し、華琳の顔を自分の方に固定させてキスをしようと

じっと華琳の顔をみると、華琳の顔は哀しそうだった。

その表情に驚いた一刀が華琳に話しかけた。


一刀「あ・・・、嫌だったか・・・・?」


華琳「いいえ・・・・、寧ろ嬉しいわ。でもね・・・・・。」


華琳が何かを溜め込みながら言葉を切った。

哀しい表情の顔がどんどん赤くなり、哀しい雰囲気ではなくなってから

ぽつりと、紅潮した顔で華琳が呟く。


華琳「貴方といるだけで・・・・・、ほんとに無力な少女になる自分が情けないのよ・・・。」


それだけいうと華琳は両手で自分の顔を隠してしまった。


一刀「・・・・・・っ、・・・・・・・・・・華琳!」


そんな華琳の行動にとてつもなく嬉しくなって、片方の手を腰に回し、思い切り抱きしめた。

驚いて顔を覆っていた手をどけて、一刀の顔を見た。


華琳「ちょっ、一刀!?」


一刀「いいじゃないか!無力な少女になったって!」


華琳「よ、よくないわよ! 私はこの大陸の覇王なのよ? なのに・・・・無力な少女になんて・・・。」


一刀「でも、そうなるのは俺の前だけなんだろ?」


華琳「それは・・・そうだけど。」


”自分の前だけ”という言葉にとても一刀は喜んでいた。

あの華琳が自分の前では「無力な少女」になるのだと。

男としてそんな言葉はヘタな言葉より興奮する。

言葉にできないこの想いは行動に移すしかなかった。


一刀「華琳・・・・。」


そういいながら顔を近づけていった。


華琳「一刀・・・・・。」


嫌がることなく、そういいながらは華琳は瞳を閉じた。


互いの唇が触れ合う瞬間


バンッ!



???「兄ちゃん!!起こしにきたよ!」

???「兄様!! おはようございます!」


元気な声と共に一刀の部屋の扉が悲鳴を上げた。


キスをしそうな瞬間だった二人が驚いて扉の方を向いた。


二組のペアが顔を合わすと、場が凍りついた。


先に動き出したのは元気っこたちだった。


季衣&流々「ご、ごめんなさ~い!」


そういうと二人が部屋からあわてて出て行った。


それを無言で見送る二人・・・・。


少しして互いに顔を向け合った。


一刀&華琳「ぷっ・・・・。」


一刀「ははは。」


華琳「どうしようも・・・・・ないわね。」


互いに二人の行動に笑いながら、まず、一刀が体を起こした。

その後、一刀が華琳に手を差し伸べた。華琳もその手をとって体を起こした。

そのまま、一刀が照れくさそうに華琳に言った。


一刀「なんか・・・、そういう気分じゃなくなっちゃったよ。」


華琳「まったく・・・、そのとおりね。」


確かにそんな雰囲気ではなくなったが、暖かい空気が二人の場を包んでいたのだった。


すっと華琳がベッドから降りて、一刀の方を向いて一言。


華琳「そうそう、今日は各国の武将達で行われる”武道大会”があるから興味あったら覗いてみるといいわ。」


一刀「ん、そんなこともしてるんだ?」


華琳「いくら平和な世になったといっても五胡の脅威がなくなったわけではないし、鍛錬もかねて、ね。

    各陣営の勢力もわかるし、面白い大会よ。」


それじゃあね、という感じで一刀の部屋をでようとする華琳に声を掛けた。


一刀「華琳!」


華琳「何よ?」


一刀「それ、俺も参加していいのか?」


華琳「はっ・・・?」


一刀の意外な言葉に華琳が驚いた顔で素っ頓狂な声をだした。



こうして、嬉し恥ずかしな出来事があった朝から舞台は昼に移ろうとしていた---------------------------


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長い廊下を一人で腕を組みながら歩く少女の姿があった。

どうやら、一刀の部屋をでたあとの華琳のようだ。


一刀「それ、俺も参加していいのか?」


その一言に驚いてしまい、どう答えたのかあまり覚えていないが、参加してもかまわないという内容の

曖昧な返事をした記憶があったので、たぶんOKとしたのだろう。


華琳「一刀・・・・・、なんであんなこといったのかしら・・・。」


華琳はOKをだした今でも納得というか、腑に落ちないでいた。


魏にいたときの一刀はお世辞にも武のある人間ではなかったからだ。

そんな一刀があんなことをいいだしたのだ、納得などできるわけもなかった。


華琳「まぁ・・・、各勢力の武人にお灸でも据えてもらいましょうかねぇ・・・・。」




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一刀「さて・・・、華琳のOKもでたことだし、ちょっと準備体操でもするかなっと。」


そういうと屈伸やアキレス腱を伸ばす体操を始めた。

軽い運動をひとしきり行ってから一刀の身体が温まってきたのか、おもむろに部屋の隅にあった

木刀を手に取り、素振りを開始した。


一刀「ふっ・・・・、はぁ!」


一振り一振り敵と対峙しているかのようにじっくり、慎重に振り下ろしたり、なぎ払ったりしていた。

その振りの速さは昔とは段違いであり、その空を切る音が一撃が重たくとれる。


そうこの二年間、武道や経済、農業など、この世界のためになる物事に

時間を費やしていたのだ。

あの一刀の武がこれぐらい様になっているのは当然のことだ。

だが、あの一刀がこれほどまでに成長できたのは、良き師匠にめぐり合えたからであろう。

その師匠もたぶん回想とかで後にでてくるだろう人物だ。


一刀「とりあえず・・・、これぐらいでいいかなあ・・・・、ちょっと不安だけど。」


1時間ぐらいだろうか、身体を動かし続けた一刀の動きが止まった。


そのまま手ぬぐいで身体を拭き、寝巻きを脱いだ。

いつもの学生服を着るのかと思いきや、学生服ではなく部屋に備え付けられた

タンスの取っ手を引っ張り、奥にあった服を取り出した。


一刀「お、あったあった。さすがに華琳でもこれには気づかなかったか。てか、侍女さんらが

    掃除してたのもあるんだろうけど。」


シュル・・・、と音を立てながらその服に一刀が袖を通した。


一刀「うし、これでいいな・・・・。学ラン以外こっちで着るのは初めてでちょっと気恥ずかしいけど。」


ちょっと照れくさそうに自分の姿を鏡に映した。


この服は一刀が、赤壁の戦い前に、もし自分がこちらにいられるなら

こっちの世界の服を用意しておこうとおもい、この世界の服をみたり、自分の世界の服を思い出したりして

意匠さんに頼んで何着か作ってもらっていた一つなのだ。

それだけ、こちらの世界で生き続ける覚悟があったとも見れた。


で、今回着ているのは移動や戦闘に適している服装で全体的に軽めの素材で作られていた。


一刀「ああ・・、そういやあれももらいにいかなくちゃだな~。あいつ部屋にいてるかな・・・?」


そういうと木刀を腰にさして、そのまま自分の部屋をでて、ある人物の部屋へと向かって歩き出した。


部屋をでて10分ぐらいだろうか、一刀はある人物の部屋の前までたどり着いた。


部屋の名札には「李典」と書いてあった、つまり、真桜の部屋である。


名札を確認し、部屋の扉に指を当て、コンコンッと小気味いい音を響かせた。


20秒ぐらいまっても反応がまったくなかったので、先ほどより強めに扉を叩いた。


すると中から眠たそうな声が聞こえてきた。

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