ひとりぼっち
「・・・っ・・・。ぇっ・・・。ぁっ・・。」
本来、二人一部屋の部屋。みやびは一人きりで、布団に顔を埋め泣いていた。
声を殺そうとしているのか、必死に口を押さえていた。
(もうほたるは居ないんですか・・・っ?)
『み・・・ちゃ・・・っ。に・・・げっ・・・』
血まみれで、HERUDAたちに囲まれた自分の親友。
みやびに逃げろ、と言った後、静かに微笑み『さようなら・・・』と囁いた。
きっとほたるも、怖かったに違いない。
涙を流しながら、それでも自分を守るため・・・。
でも、自分はどうだ。HERUDAに囲まれても、
何も言えなかった。
何も動けなかった。
(両親、親友まで殺されて・・・)
(こんなにアイツらを憎んでるのに・・・)
「私はっ・・・!!」
悔しさや寂しさで、涙が止まらなかった。
「・・・凛!!見つけましたわ!!」
「ん~?まだ夜中だよぉ・・・。」
レイラはまた凛の話を聞かず、長々と話し出した。
「ギアをまとえるのは実はもう五人いたのですわ!!ですが何故このPCにデータが無いかは不明ですの!
一人目は風鳴ほたる。蒼原みやびの親友ですが死亡扱いですが生きているんですが二人目は、三人目は・・・」「あ~~っ、うっさい!!簡潔にお願いっ」
「・・・わたくしとしたことが・・・おほほ・・。」
レイラはぶかぶかの袖口を口に当て咳払いをすると、話を再開した。
「・・・一人目は、風鳴ほたる。
かの蒼原みやびの盟友で、3ヶ月前から生死不明ですの。
そもそも何処にいるかもわかりませんの・・・。」
「・・・そっか・・・。そうだ!あたしたちがほたるさんを探そうよ」
「・・・ですわね・・。ではっ・・・。」
(キン、コン、カン、コン)
「・・・KYなチャイムだね、レイラ。・・あっ!!もう六時・・・っ」
着替え運動場に出ていった凛に向かい、レイラは叫んだ。
「ではーっ!!わたくしの権限でーっ!!今日は学園をーっ・・」
(トン)「え・・?」
「理事長のお孫サン、いくら貴女でも生徒会長としてサボりは許して置けません」
運動会の練習で、髪を一つに結んだ少女がレイラの肩を叩いた。
「蒼原みやび?悪いですがわたくしは・・・」
「・・・ですが、貴女方はギアを纏うもの達。きっと何か理由があるのでしょう」
「何ですの?運動用のジャージに着替えるべきでは・・・」
「私は今からHERUDAの駆逐に行くのです!!」
みやびはくるりと後ろを向いて、校門へと歩いていった。
「凛ーっ!!生徒会長さんのお許しがでましたわよーっ!!」
すると凛も、走ってもどってきた。
「・・・リレーしたいよ・・・」
「着替えてきてください。今からほたるを探します」
それから数分後。凛は私服に戻り、レイラと共に出発した。
行き先は古びた廃墟。
レイラがここにいる可能性が一番高い、と判断したのだ。
扉を手で押すと、木材の破片が付着したー。
運動会すぴんおふ書いとり益。