ARTS
・ARTSとは、衰退した無人兵器機の戦力を補うために企画された歩兵の強化計画に伴い開発された近代兵器のこと。戦場での決定的な直接戦力となる歩兵の高速展開能力付与・高火力化・任務遂行能力向上を目的に開発された。
・過去から研究されていた医療・工業用のパワードアシストシステム(強化外骨格)を軍事用に転用し、現代歩兵の任務に求められる様々な装備を組み込んだもので、服のようなデザインではなく一見すればロボットのような外観をもつ。
・最も早く採用したのはアメリカで、2029年の開発当初は既に完成していた歩兵補助システムと同じ兵站確保などの後方支援用装備としての運用傾向が強かった。 しかし国防高等技術研究局と大手航空機メーカー(ロッキードマーチン社)、民間半導体企業数社の共同研究により、小規模高出力の蓄電池と高出力の化学式ロケットエンジンが開発された以降は、試験的にそれを搭載した実験機が陸軍第一機甲師団と第10山岳師団に15機ずつ配備され、1年間の実験が行われた。 そうして完全な戦闘用として完成されたARTSが、第一世代の第一号機「ハルク」である。
・動力は小規模大容量のマグネシウムバッテリーで、電磁収縮式の人工筋肉と人工骨格によって操縦者の体を傷つけることなく身体能力をアシストする。(ただし中身が人間であるため挙動の限度はある)
等身大で筋力の増幅が出来るので、通常の歩兵では使用できない大口径の銃や砲を使用することが可能となり、それによって機甲部隊の支援無しに装甲車両やヘリコプターにもある程度は対処が出来るようになった。 ただし所詮は装甲を付けただけの歩兵なので個人で戦車を撃破したり、歩兵戦闘車と正面切って撃ち合う事は出来ない。
出力がミリタリーに切り替わると、大出力の電力を得られる反面、稼動時間が大幅に短くなる。
・バッテリーの収まっているバックパックと脹脛には小型のスラスターが内蔵され、空挺降下などでは逆噴射に、戦闘では跳躍距離の延長や空中機動の変更などに使用。
構造は化学反応式のエンジン。燃料はバックパックと後ろ太腿の中に内包。
ただし燃料消費が激しく、ノズル部の加熱によってスーツに障害が発生することもあるので連続使用は不可能。したがって〝跳ぶ〟ことは出来ても〝飛ぶ〟ことはできない。噴射時間は連続で2分ほど。
・装甲は不燃処理のされた高強度炭素繊維で強度と靭性、重量に優れる。 普段は嵩張りを減らすためクルーズ状態で装着されるので、多くの装甲が格納された状態になる。そのため操縦者はいくつかの体の箇所が剥き出しになる。
・ヘルメットはクルーズでは戦闘機のパイロットヘルメットに似た形だが、ミリタリーになると額当ての部分から装甲が下がってきて複数のスリットが入ったバイザーを形成、フルフェイスになる。
額当ての下には複合センサーが搭載されており、最長300mまでなら索敵可能。
カメラの解像度もその程度。複合センサーだが所詮は個人用なので戦闘機のような高出力高精度は望めず、歩兵の暗視装置や赤外線センサーの上位機種といったような物である。
またクルーズではセンサーは使用できない。(ただしマウントが存在するのでARTSが使用できないときは歩兵用のNVGなどを付けられる。)アビオニクスはヘルメットではなく、バックパックの中のコンピュータに内蔵されている。
:登場機
機体名 Type-75mod1 バルディッシュ改
全長 180~190cm(装着者によって高さの上下あり)
本体重量 45.5kg(火器を除く)
動力 光菱重工製 FPW-F100マグネシウムバッテリー
最高出力 450kw
稼動時間 (クルーズ時)30時間 (ミリタリー時)12時間
最高速度 75km/h 巡航速度 55km/h
本体武装 PFB Mk-Ⅲ 高周波ブレード ×1
M68 ハンドカノン ×1
標準武装 BLAMEシステム
(Battlefield Logical And Multipurpose Electronic weapon)システム
オプション装備 (零司機)
・50式7.62mm小銃
・Caliber M2 20mmチェーンガン
・M84MWS (Modular Wopons System) 12.7mm機関銃
40mmグレネードランチャー
対ARTSバヨネット
・CVS-110A ジャガーノート
(手塚機)
・50式7.62mm小銃
・Caliber M2 20mmチェーンガン
・オート・メララ55mm滑空砲
・FIM-22 地対空ミサイル
ロールアウト A.D.2075 9月
自衛軍現用主力機。 第四世代機。
量産機としては基本性能が高く、トータルバランスに優れた機体。
そのため搭乗者を選ばず、また様々な状況に対応可能なマルチロール機で、要撃戦、防衛戦をドクトリンにおく自衛軍の思想が顕著に表れている機体でもある。
ただし純国産であることと使用部品が割高であること、憲法上、海外に輸出する事も出来ないのでため製造コストは高く、この機体1機でアメリカ陸軍現用の「AGF-33/A ブレイズ」が2.5機購入可能。
そのコスト高故に採用時の予算会議では様々な反発を受けるものの、コストに見合った性能……つまり「1機で周辺諸国の機体3機を相手取る」という荒技でこれをはねのけた。
中・近距離線に重きを置いた戦術から来る「バルディッシュ」というNATOコードは伊達ではなく、トライアルでは、この機体一機で中国現用の第二・五世代機「殲鬼 22型」一個小隊(7機)を全機撃破に追いやっている。
生産コストが割高なため、CRFや第1師団のように首都圏、もしくは北海道など他国からの侵攻の可能性のある地域から配備が進められている。