私、降りまーす!
「さて、と。皆、私には婚約者がいるらしいんです」
「まじ?ローズに?でもま、いいのかな?え、許すのかな?」
ま、許すとかアイツだよねー!絶対に。
「そうですね、あの方が…お怒りに…」
「こ、わ…想像したくないねえ…」
なんか、さ。皆、他人事ぉ。
「あ、うぅー。たすけてぇよぉー」
「と、とりあえず、どなたが婚約者なのかはっきりさせた方が」
「そういえば、そうだった。」
どいつだぁー!私の婚約者とやらは!
───アレ、こんな展開しらないし!
姉、桜実の恋愛の裏側には、こんなイベントがあったなんて。
ていうか、私の役柄って…
あの子でしか出てこない脇ですらない妹だったはず。
どうなっているのやら。
***
「ママン!パパン!誤魔化させないからね!」
「──そうね、もう、隠せないわね」
「─ごめんよ、そーちゃん。君には婚約者がいるんだ」
「…うん、そうみたいだね」
おねぇは、私の腕を抱いて困り顔。
「ママン、パパン。…私、聞いてないよ?もう一人婚約者がいるなんて」
「「「え?」」」
私と、パパンとママンは驚く。
「え?」
おねぇも驚く。
「も、もう一人?」
え、まじで?
二人もいるわけ?婚約者が?
「…パパン、聞いてない!そーちゃんに!」
「パパン、どういうことかしら」
え?どうなってるの?
「はじめまして?じゃないか、葉山曜です」
「ん?どうして、」自己紹介?
「葉山曜が、婚約者なんて!」
おねぇは叫んだ。そこまで、大きくはないが。
「まって、彼が婚約者?は、」意味が!
「違うよ、パパンは彼を婚約者にしたおぼえはないよ?」
葉山曜が、驚き顔で、パパンをみた。
「一言、いいですかー?」
かぐが、一歩前にでてきた。
「…かぐ?」
「ローズ、可愛いなぁ…。じゃないか、えーと、婚約者は俺なんだけど?葉山の御曹司さん?」
「…どういうこと?もー、わからない!」
ただ、今思ってること。
私、降りまーす!
まじで、この舞台から降りまーす!