物語は、急速に。え、まじ?
今日も今日とて、私は自分のパートをかき鳴らす。
「イャッフゥゥゥウ!」
─────YES!変なtension!
そんな、私はつゆ知らず。物語は、急速に進んでいた。…らしい。
*****
(姉目線)
それは、突然で。
今日も大大大好きなそーらとのプリクラを眺め、元気をもらう。
「よし、アイツ等のしつけ、頑張りますか!ね、そーら?」
私と全然似てない、可愛い妹、そーら。
あの子は、勉強は全然だけど、無駄にいろんなことができちゃう子。女子スキルが高いのよね。ほんと、可愛い。
でも、たまにね、あの子
本当は頭がいいんじゃないかなって思うことがある。
でも、そんなこと関係のない話。
可愛いければいいの、私のそーらは。
「あ、桜実?」
「葉山くん?1人?」
「そ、アイツらは遅れてくる。」
「……なってないわね。」
葉山曜。彼は、私の妹に絡んでない1人。鎬苓もね。
(ノンノン、絡んでます。鎬苓は)
好印象といえば、好印象。でも、いけ好かない。
腹黒そう。そう、彼らアイドルたち皆何か隠し持ってる。
ストーカー性、だったり変態!だったり、
腹黒い奴いっぱい。
彼、物腰柔らかいけれど、
葉山コーポレーションの息子で次期社長となる人だ。
それなりに、マナーを学んでいる。…絶対!
「ふぅ、どうしようか。」
「……?」
「明日、パーティーがあるんだ」
「そうなの?」
「そ、そこで婚約者と会うことになってね。父が昔から気に入ってる子でさ。俺、会ったことないんだけど」
「へぇ、婚約者。良かったね」
ナイス!葉山父!もし、コイツがそーらに近づいても婚約者がいるんなら大丈夫!
「沢原財閥のご令嬢で」
「───!?」
え、どうして?
「君と同じ名字だから、なんか変なカンジ」
どういうこと?
「なまえは?きいた?」
「あー、たしかバラちゃん?だったかな、漢字はみたんだけど、読み方がね」
───どうして、薔薇?
パパ、私聞いてないよ?




