やった!ライブ!
ちょおっとー!嬉しいようで、嬉しくないっていうか、うん。
でもライブ好きなんだよね、でも、嫌って言うかー!
謀ったな!あの、女社長め!
「……ごめんね、そーら。こ、断れなかったの!」
──可愛い、おねぇ可愛いよ。
その、頭下げからの上目使い!
「あ、いや、うん、大丈夫」
あ、思わず許しちゃったじゃんか!
「なんか、緊張するー!」
「そりゃあね、観客数が、ね、」
「前座かぁ、初めてだしね、」
もじもじする、ガーパティメンバー。
そりゃそうだ。なんてったって、あの変態アイドルグループのライブの前座をするのだ。
いわゆる、時間稼ぎでもある。
アイツら、多忙でまだこれないし。
来たらそっこー帰ってやる!
「あれ、桜実ちゃん?」
「あ、違いますよ。」
スタッフにまで、間違えられた。
地味だな、この人。悪いけど。
「そーら?どこー」
「おねぇ?ここ」
「あ、いた!…!域さん!?」
地味な人、域さんて言うらしい。
あ、れ、なんか違和感感じた。
おねぇと、域さんがはなしているのを見ていると。
ん、なんでかな。ま、いっか!
「へぇ、桜実ちゃんの妹ちゃんかー。なんか、そっくりだね」
朗らかに笑う彼、なんか結構みたら顔整ってる。
「姉が、お世話になってます。あ、と、今日は宜しくお願いします」
「え?!まさか、今日の前座の?」
「はい、一応…」
驚きおねぇに顔を向ける、彼。
「はい、そーらって言います、この子。gardenpartyのボーカル兼ギター担当です。自慢の妹です」
我が姉妹、無駄に発音いいんだよね。…じゃなくて、なんか、自慢された!えへへ
「すごいね!そーら?ちゃんだっけ。わー、ギター弾けるんだ!俺、弾けないから羨ましいな!」
「…ですよね、私も憧れてるんです」
あ、そっか。違和感の正体分かったよ。
そうだよね、うん。
──私は、なにもしなくても良かったんだ。そっかそっか!
***
間違った、一つだけしなきゃあ、だめだった。
まずは、前座!
盛り上がらせないと!