やべ、おっさんだわ。
隣でにこにこ笑いながら、おねぇは歩く。
途中、ヒールに慣れていないためかユラッてなるが、またそこがもう!!……かわぇぇ。
「そーらは、すごいね!お化粧もプロ級だし、ヒールでも転けないし」
えーと、ヒールでも転けないってのは、うん。
結構な人がこけないんだよ、なれた人は。
プロ級か。うん、ハイスペックだもんね。
というのも、なんと言いますか。妹スキルだもんね。
前世じゃあそんなに上手くなかったし、多分積み重ねだよね!攻略対象者から逃げるといいますか、変装といいますか、女は化けるといいますか、そんなとこだよ。
元がいいとしやすいってのも、気付いたよ、おねぇ。
「……えヘへ、ありがと。おねぇ」
「…かわっ!」
ん、川?──じゃないな、可愛いだな!おねぇの顔みりゃあ分かる。
「可愛いっ、そーらはやっぱりかわいい!」
んなこと、分かってるさ。おねぇ似だからね、うん。かわいいんですよ、おねぇは。そんなアナタに似た私も必然的に?ね、自覚もしますわ、こんな無自覚な人と一緒にいたら。
「きゃ、いたっ」
転げたおねぇ、かわえぇ。
「そーらぁぁ、たすけてぇ」
「ほら、おねぇ大丈夫?」
「うん、あ!」
起こした早々に、何かをみつけて駆けていく。
また、転けちゃうでしょ?
……なんか、小さい子の親みたい。
「プリクラとろ!」
指差して、言うおねぇ。
かわえぇ。
もう、私、親心?いや、これは
おっさんだわ、やべ、おっさんだわ。
「いいよ。とろ」
始終おねぇが、かわいすぎた。
もう、私、おっさん。思考、おっさん。