はー、帰りたい。
ん─────、帰りたい。心から帰りたい。心のそこから帰りたい。
そして、そして、ギターを触りたい!
「ね、帰っていい?もー、疲れた」
「桜実っ?!」
「桜実ちゃん?!」
いや、驚くなよ。ええ、私。帰りたい。
「用事あるしー」頼まれただけだしー。
バイト代高かったから、ちょっと出来心?ていうか、中学生だし?
お手伝い的なナニカだし。夜遅くまで出歩いちゃだめなんだよ?中学生は。
てなわけで、ていうか?社長さんも、帰りたいとき帰ってもいいわ。って、言ってたし。
「手に負えない奴らだからね、帰りたいって思ったら帰ってもいいわ。バイト代は時間数でだすから」
と、。うん、結構いたしそれなりにはなっただろう。うん、ギター手入れしたり、ケース新しいの買っちゃおうかなー。
「用事?へぇ、なにすんの?」
は?言わないとだめか?
「えー、なんでプライベートいわなきゃいけないの?」
「で?」
「で?」
必殺で?返し!
「用事はなに?桜実ちゃん」
「…きめぇ。」
あ、傷付いた顔。はん!紅野梁め、ザマミロ!
「最近、桜実さー。梁こ後をつけるよね?」
ギクリ、えええー。言っちゃう?君、言っちゃう?
「へぇー、桜実ちゃんって、俺のことスキ?」
うわー、とんだ勘違い野郎だぁ!
「違うけど」
あれ、おねぇ、は好きかもしれない!間違った?!
……でも、ないな?ないな。コイツが、義理兄とか、ムリムリ。
「ストーカーでしょ、花崎空」
「え」
みんな、ポカーンとしてる。その隙に、帰ってやったわ。
はははは!