うそぉん!
ひとしきり笑い終えた後、はたと思い返す。
あれ、私何か忘れてない?
首をギギギッと動かして、時計を見やる。
「うわー!ヤバッ!」
現在、10時50分。
バンドの練習の為、集合は11時に設定されている。
ドタバタ慌てつつも、姉からの情報を確認。
紅野梁は、無事家付近から離れたようだ。
しかし、甘く見ちゃあいけない。
念のため、お化粧をして印象改造!ばれないくらい!
ま、鏡をみて
「…やりすぎた…」
しかし、さすが主人公とそっくりの顔。やっぱり可愛いく仕上がる。──ナルシーじゃないからね!ホントだってば!
***
「あー、やっちまった。」
はい、慌てて家からでてきたはいいが、ねぇ?
今日、12時だった。昨晩、打ち合わせしたんだった!
くぅぅー、あのメールの印象が強くて、特にクレープ事件。
飛んでたよ、えぇ、忘れてました。
イチャイチャカップルが集う公園の一角。
ラブラブカップルがイチャイチャ、イチャイチャするベンチの隣のベンチに堂々とすわる。
──あんたらに、気遣って座らないという考えはないのだよ、私には。
でも、まぁ…ちょいと激しいカップルは恥ずかしいけどね!
「…○○、愛してる」
「私も!」
──リア充爆発しろ!
昼間っからなにやってんだ!たく、公園は子供の遊ぶ時間なんだからね!教育にわるいでしょ?!
は、置いておくか。爆発あったら、こっちまで被害が。
「…む、隣いつから!」……座ってた?
本を片手に座る男。少し、覗いてみた。
なーんか、イヤな予感が、ね?
「う、うそぉん!」
まさかの、攻略対象者との接触?!
おねぇ、とりこぼしてるぅぅぅう!